25/1/29 裂固+KBDインライ
1月29日、KBDさんと裂固さんがツーマンライブ「バリカタvol.3」のPRのためインスタライブをしていました。
20-20:30ごろの30分間。
今週末のバリカタに向けて本日20時からKBDさんとインスタライブやります!🙌🔥
KBDさんが裂固さんにインタビューをする形式だったので、参考になる内容でした。
リアタイ・録音していたので、裂固さんの主な発言を文字起こしします。
◆押韻主義はヒキガネの影響強く
僕がラップ始めた時に思ったのは、歌が上手くなくてもできる音楽っていう。なんかそこの理由として、やっぱライミングがあるからっていう。ただ単にライミングせず歌も歌わずただ喋るっていう音楽だったら、多分ヒップホップに目覚めてなかったなっていう気はしましたね。なのでここの面白さっていうか、リズムを作りながら自分も音楽できるんだこれだったらっていうので、結構自分も始めれたっていう感じはあるんで。
僕自身ヒキガネサウンドのイベントに遊びに行く中で、まずヒキガネが日本語ラップの押韻主義の人たちで。呼ぶアーティストもICE BAHNとか餓鬼レンとか押韻主義で。書くときも韻は自分も固めでいこうっていうのはあった。そういうので自分の中で踏める韻が増えて来始めてから、フリースタイルだったりも韻を踏むスタイルになっていったんで。そもそも周りがそういう人だったっていうのがでかいですね。
これはFORKさんもKBDさんも似たことを言っていた。歌が上手くなくても音楽できる、敷居は低いけど奥は深いと。ライミングの魅力はそこにあるのかもしれない。
◆韻を踏まないと気持ち悪い
自分が書いてても、フリースタイルをしていてもなんですけど、韻を踏まないと気持ち悪いから。やり始めた時からそれがやり方として馴染んじゃってるんで。逆に踏んでないところが気持ち悪く感じちゃって。
もちろん踏んでないラインが気持ちいいのもいろんなラッパーであると思うんですけど、でもなんか気持ち良さを求めたときに、それこそ日本語の観点でいう意味が掛かってたりとか、意味で踏んだりとかあると思うんですよね。そういう気持ち良さを求めてったら自然と韻って踏んでくもんだよなって。
自分も歌が上手いわけじゃないから、音楽として気持ち良さを求めると、やっぱ韻の数が増えてくんですよね。でそういうところからフローが見つかったりするから。
「気持ち良い」「気持ち悪い」で語っている。言葉遊びとしてひらめきが楽しいとかじゃなく、やっぱり口に出した時の音として考えている。
◆ほっといたらひたすら踏みまくる
今回のミニアルバム(New Beginning)は、それこそ気付かれてない韻とかもたくさんあると思うし、細かくいろんなところを踏んでるなっていう感じですね。
「誰も知らねー"Hood"から覆した"View"」(New Beginning)の「Hood」と「View」みたいなのをどっかに入れたくなるんですよね。手前の部分に、リズムとして。ケツだけで踏んでるので物足りなくなっちゃうっていうか。まだ踏めるんじゃないかなっていうのを本当ほったらかしてたら永遠とやっちゃうんで。今は事務所だったり一緒に制作しているメンバーがいるんで、ここでいいよっていうところで止めてもらえるんで。ほっといたら文章が破綻しちゃう域まで、まだ踏めるまだ踏めるってやっちゃうんで。そこの塩梅がすごいむずいんですけど。
ほっとくとまだ踏める部分を探すってすごいな。細かく踏むというライミングの特徴はそれか。
◆宇宙語でフローを固めてから歌詞を書く
リリックを書くとき、最近はメロディーだったりフローだったりを先に出すようにしていて。元々は韻を先に出して並べてってやってたんですけど、実際RECしたときにズレが生じちゃうんですよね。書いてるときにこれめっちゃ気持ちいいじゃんって思って書くんだけど、音に合わせて発声すると、気持ちいいとこに当たってなかったりするから。母音として踏んで気持ちいいんじゃねーかってイメージはできても、実際の声は違ったりするから。
最近は先にビート流して、宇宙語(言葉にならない言葉)でフローを先に固めて、そこにはまる韻を探すようにしてて。結局歌いにくいのは、韻がどれだけ固くても気持ち良くないっていう。どっかでそこにぶつかっちゃって。でそれ突破するために、どっちかっていうと先に自分で口触りの良いようなフローを先に決めとくみたいな。そしたらなんかRECだったりライブとかでやるときも、あんまりギャップなく自然に発声できるっていうか。
これはお会いした時に直接確認したところ、東京来てアドバイス受けてそのように変えたとのことだった。ビートアプローチ、フロー面での著しい進化はそのためか!
◆POLAR EXPRESS「まず信じるところから」
(酔い潰れてたblockのソファは)コロナ期間ぐらいで、酔い潰れて朝迎えてみたいな、記憶なくすぐらい飲んじゃうときが多くて。二日酔いのときって、より嫌悪感が自分の中でさいなまれてるんですけど。そういう時にめっちゃ調子良い過去のライバルたちにぐわーってなっちゃってたときぐらいから、もうギア上げんとあかんなみたいな変わった瞬間あって。で岐阜をいったん離れて。岐阜がそういう自分にとって甘えれちゃう場所っていうか。岐阜全体がもう親みたいな感じになってて。
Boss(梵頭さん)に「平凡な日々に埋もれんなよ」って言われたときがあって、めっちゃ刺さったんですよね。ゆったり、これでもいいやっていうスローライフに身を委ねていた自分にめっちゃ突き刺さる一言だったっていうか。確かに埋もれてるって思って。それを真っ向から押し上げてくパワー持ってたのにな俺っていう。
「大事なのは行こうと決めたこと」っていう台詞が(映画POLAR EXPRESSに)あって。
どこに行くかっていうのはまだ見えないけど、とりあえず今やんないと、今動き出さないとっていう勢い任せな部分もあって、東京に来たりこっから勝負仕掛けるぜってとこに関しても。そこがめっちゃ繋がったっていうか。まだ信じて良いよな、サンタクロースをっていう。まず信じるところからだなっていうのがいろいろ重なって。
前半は知っていた話だけど、まず信じるところから、という部分も繋がっていたという話は初めて聞いた。良い話だなあ。
◆バトル前は1人でスタジオ練習
(MCバトルで)自分が見せれるものの中に、ある種作業に入っちゃってる部分があって。勝ち負けって言うものを考えたとき、スタジオ入って練習したりするんですよね。サイファーとかもうないじゃないですか。昔一緒にフリースタイルやってた同世代とかももうフリースタイルあんまやんないっていうか。曲作り集中したりとか。フリースタイルって別にやんなくてもいいことではあるじゃないですか。って中で僕がバーってフリースタイルやってても、なんかみんな「うまいね」みたいな笑。みんな聞き手になっちゃってて。っていう状況で相手になってもらうのもあれだしっていうので、結構スタジオで一人で練習するようなスタイルになったんですけど。闘ってたら燃えるけど結構もうみんな闘ったし結構もう皆しゃべったなって。
鎮座DOPENESSさんとR-指定さんとかは当たってない。そこら辺が出てたらまだ火はついたと思うんですけど。正直今出てるメンバーには恨みもなんもないというか。リベンジという気持ちがある人ももういないというか。いったん景色変えるためにこの10年自分の真ん中に近いところにあったバトルをいったん外したいというか。呼んでもらうのは嬉しいんですけど、呼ばれるたびに結構自分を作らなくちゃいけない時間っていうのが多くなってくるんですよね。
◆バトル前は負ける姿しか思い浮かばない
僕の場合下手な負け方したら終わりという気がしてて。自分の場合、負ける姿しか思い浮かばないんですよ、始まる前。その負ける姿をイメージしていって全部つぶしていって、それでもまだ負ける姿が思い浮かんでくるからよりそれをつぶしていってのシミュレーションを一人でめちゃめちゃやんなくちゃいけないというか。でも答え一つしかないじゃないですか。まあ勝つシミュレーションにするためのものなんですけど。
でもどんだけ想像していっても全然違うところに答えがあったりするのがMCバトルなんですよね。めちゃめちゃ何言われるんだろうって思ってたらめっちゃフレンドリーに来られたりとか。そういうところで僕の場合追い込まないとき、やっぱ負けちゃうんですよね。なんかお酒飲んで今日楽しくやれればいいってやって勝った試しが1回もないんですよ。やっぱ自分追い込んでないといいパフォーマンスが出ないというか。なのでその心血をいったん自分のアーティスト活動の方にフルベットしようみたいなので。
新しい俺のMCバトルを見せれるなっていう状態になってて、プラスそれに熱い思いがあったら出ると思う。1回楽曲作りに真剣にならないと、そっちもそっちで登りたい山なんで。っていうかそっちが本当に登りたい山なんでやっぱ。
ライブも同じで、スタジオ入りまくって練習しまくってって感じなんで。
勝つイメージしか持たないというアスリートはよくいるが、負ける姿しか思い浮かばないというチャンピオンは珍しいのでは。裂固さんほどずっと第一線にいてもまだそうなのか。
バトル前もライブ前もスタジオ練習で追い込むという話、ストイックな裂固さんらしいエピソード。バトルに関して言えば張り詰めた空気の時は表情に出ているから分かる。FSLやKoK2024などはそうだった。
余談。(オタクの心情吐露)
このとき、絶対何か質問するぞ!と思ってスマホにメモしていたにも関わらず、リアルタイムで流れるものだと「お二人の会話を邪魔できないな」という気になり何も書き込めず…。
その4日後にライブでお会いし、自分で直接尋ねたので良いと言えば良いけれども。
私常に裂固さん(とICE BAHN)については聞きたいことで溢れている…けど現場で話せるの多分5-10分になるかと思うので(他のファンの邪魔をしたくないからその辺で切り上げたい)、次に何かしらチャンスがあれば頑張ろうという気持ち。
てかその場限りという気分で多分話していたインライ、文字起こしされると本人思ってないかもしれない。裂固さんへ。発言記録残すタイプのファンがここにいます。