FORK vs 呂布
(6/24: 呂布さんとFORKさんの共演番組を追記。)
(4/6: 呂布さんがYouTubeで試合について話していたので、追記。)
(3/30: 放送を見て、感想を追記。)
3/26深夜放送のフリースタイル日本統一でTEAM神奈川vs TEAM東海の決着が付くのに合わせ、FORKさんと呂布カルマさんについてまとめました。(約1万4千字)
筆者はICE BAHNのヘッズなので、呂布さんについて認識不足があったらすみません。
※下線があるものは、原文にリンク飛びます。
※日本統一の他の放送回の感想はこちら↓
▶︎日本統一の感想・放送前〜#6
▶︎日本統一の感想・#7〜#12
▶︎日本統一の感想・#13①
▶︎日本統一の感想・#13②(FORK無双回)
▶︎日本統一の感想・#14〜#22
▶︎日本統一#23(FORKvs呂布)←イマココ
◆モンスター
FORKさんは、所属crewのICE BAHNをとても大切にしている。MCとしての根幹を成す部分と言ってよい。
その前提がある上で、FORKさんがKoK2021のウィニングラップで「いつからかICE BAHNとモンスターの両看板を背負って俺はフリースタイルしてると思ってる」と言っていたのはすごい、すごすぎる。
FORKさんにとってダンジョンとモンスターが、それほど大切な存在ということだから。
(それを思うと現状、万感胸に迫るものがある)
2017年8月の4th seasonから2代目モンスターの体制が始まり、
2020年5月の7th seasonで放送を終えるまで、呂布さんとはずっと一緒だった。
ジャッジ含め、ダンジョンの出演者自体絆が深いとは思う。けど2代目、3代目を通して、同じプレッシャーの中で、同じモンスター、しかもラスボス前の最後の関門という立場を共有していた呂布さんがFORKさんにとって「他の後輩たちとは違う」のは明らかだと思う。呂布さんは3歳下だけど、勝率とか脂の乗り具合とか近年の活躍を考えても、FORKさんの下にはいない。もちろん上にもいない。
◆見ておきたいFSD放送回
2人を振り返る上で、フリースタイルダンジョンの個人的オススメ回をいくつか挙げたい。(ダンジョンはAbemaで視聴可能)
まずは2人が直接対決した、2019/01/02放送「プロラッパーチームを作ろう!」という年始企画。この時はFORKさんが呂布さんに敗れた。
そして6th season Rec2-5(2019/08/28)では、FORKさん・R指定さん・呂布さんvs T-TANGGさん・TK da 黒ぶちさんというとんでもなく豪華なタッグマッチもあった。(FORKさん達が勝った。)これは3人で細かくつないでるのに踏み方がとても美しく、必見。
モンスタールームのコメント関連は探すのに時間かかるので、続いて仲良さそうな番外編を。
▶︎4th (2018/03/21,28) Monster Tours
→FORKさん・呂布さんペアでお化け屋敷に入る。FORKさん・呂布さんペアでお化け屋敷に入る…?!?!
▶︎5th (2018/08/22,29) BBQ
→この中で2MCを結成するなら?でFORKさんは呂布さんを選んでいる。SuperSaltを聴いてくらったとのこと。その後に呂布さんが選んだのは須藤凜々花だから、何気フラれてる。
▶︎7th (2020/01/22,29) モンスターの休日
→パン作りをする。パン作りをする…!?!?
◆KoK2021
2人を語る上で、外せないトピックがもう一つある。言わずもがなKing of Kings 2021(KoK2021, 2022/01/23)である。
私はバトルヘッズではなくて「ICE BAHN」のヘッズだけど、「UMB2006」と「KoK2021」は字面だけでもう既に好き。この世界にある7文字の言葉で何が好き?と聞かれたら、その三つを答える。
実力のあるMCが出場者に名を連ねる中、決勝に勝ち上がったのがやっぱりこの2人、というところで既にもう感慨深い。
FORKさんは、KoK本戦への出場を決めたKoK vs真adrenaline(2021/05/02)のウィニングラップの時点で「俺もあいつみたいに300万貰いてぇんだよ」と言っている(前年のKoK2020優勝は呂布さん)。
呂布さんは呂布さんで、その大会でmaijiさんに負けた後、「FORKさんとやりたかった」と振り返っている。KoK本戦の前から互いに意識しており、本戦の決勝でやっと当たったということ。アツい!
試合内容も最高に良い。呂布さんもすごく良いし(「冷めるぜFORK」良すぎ)、FORKさんの良いところが完全に引き出されている!
ハイタッチ→後輩達
円周率 3.14→完全に死亡
円周率π→オッパイばかりの呂布さんのTwitter→ 勝負はついた
とか、会話の内容を伴いながらここまでライムするのは見事。
一理ある、日本一リアルで落とすのも美しすぎる。呂布さんも、4本目の締めであれを言われたら「そこまでがどうだったとしても、ひっくり返らん」「やられましたと思いました」と述べている。
呂布さんは、SKJさんとの試合のゴホゴホ、5歩後方の踏み方とか「準決までのFORKさんの試合を裏で見ててブチ上がってた」とのこと。
裏でしたハイタッチについては、ダンジョン収録時もやっていたから、当時を彷彿とさせられたそう。
(昔憧れてた先輩を抜くことは)「嬉しさよりも切なさが勝つ」として、FORKさんのように越せないぐらい上に先輩がいるというのは「単純に嬉しい」と話している。最大限の賛辞であり、感動した。
UMB2006のヒダさんvs FORKさんが長年ベストバウトとして語り草になってきたけど、呂布さんvs FORKさんもこれに並ぶだろう。時を越えて日本一を獲るFORKさんが見られただけでも嬉しいのに、その決勝がこんなに良い内容の試合なの、ファン冥利に尽きる。
試合解説は、やはり晋平太さんのものが良い。
▶︎大会直後、2022/01/24の呂布さんのTwitter。
◆呂布さんによるFORKさん評
呂布さんは2017/08/16、Twitterに以下のように記している。
最高すぎる。FORKさんのコメントとかインタビュー全部好きだけど、これはトップクラスに好き。
4th season Rec2-4(2017/09/20)、FORKさんvs SURRYさんの後のモンスタールームでも、呂布さんは同様のことを言っている。(収録後に先のツイートしたのかな?)
(この「違う山」というキーワードは後でまた出てくる)
呂布さんがFORKさんについて語る場面は結構たくさんある。そして、全部良い。呂布さんは感性が鋭く、着眼点が面白い。そこなんだ?とか、そんな風に見えるんだ?という驚きがある。加えて言語化能力が高く、言葉選びが的確で、伝える力が高い。ラップしていない場面でも、ラッパーとしての魅力が表れている。それだけでなく、毎回FORKさんへのリスペクトを感じるから嬉しい。
これは、FORKさんにフォーカスしたAbema「my name is」(2023/03/19)での呂布さんのFORKさん評。「永久欠番」って素晴らしい言葉選びだ。全くその通り。
呂布さんは、韻の最高到達点だと思うラッパーとして、FORKさんの名前を挙げている。
ダンジョンでくらったFORKさんの韻については、SAMさん戦から固有名詞とこーゆー目して、を取り上げていた。
また、FORKさんと呂布さんの共通点・違いについては、「FORKさん本当かっこいいからな…」と語っている(嬉しい)。
別の動画では、もっと細かくそのスマートさについて説明。
常日頃の靴の汚れとか服のシワとかまではヘッズからは見れない。見えない。見えない細かいところまでそうなんだ…というのが、本当にカッコいい。FORKさんのカッコいいエピソード教えてくれた呂布さんに感謝。スマートやクールという印象の例示として、言動じゃなく細部を描写してくる回答の角度もすごい。
2024/03/07掲載の『週刊プレイボーイ』連載のコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」でも、FORKさんの名前が出てきた。
▶︎呂布カルマが振り返る『フリースタイルダンジョン』「風当たりこそが俺たちを固く結びつけた」
「風当たりこそが、番組構成はともかく、バトル自体にはガチで挑んでいた俺たちをよりいっそう固く結びつけたのだった」良い話だなあ。
文中、「すでに第一線を退いていた生ける伝説、FORKさんと選ばれ、同じチームとなった。」ここ良すぎ。
「リビングレジェンド」はFORKさんに対してよく使われる言葉だけど、本当にぴったりだ。生きる伝説がごく身近な同僚でいるってどんな気分なんだろう。ところで、FORKさんはいつから伝説になったんだろうな。2017年以降なのか、2006年以降なのか。44歳の伝説を現在進行形で目にできていること、ありがたい。
◆FORKさんによる呂布さん評
私はFORKさんの使う言葉全部好きだけど、呂布さんみたいな角度の話ではなく、「考えてる事と言ってる事とやってる事が交わる」のを感じられるから好きだ。いつも筋が通っている。あまのじゃくだけど、基本ストレートな言葉を使う。名前はフォークだけど。
FORKさんのKoK優勝者密着ドキュメンタリー。(iTunes Storeなどで購入すると見られる)
呂布さんの数々のFORKさんリスペクト発言を読んだ後で、そのFORKさんが「呂布カルマ1番強いと思ってるし」と言っているのを聞くと…良すぎる。「1回やっときたいなとは思ってた」も、呂布さんのKoK vs真adrenalineの後の発言(「FORKさんとやりたかった」)を踏まえると、あまりにも良すぎる。
「決勝の相手が呂布カルマなのも最高だった」と書いている。試合を見れば楽しそうなのが伝わってくるし、本当最高。
しかもFORKさんは、押韻を重ねることよりも文脈や内容を大事にするようになった背景に、呂布さんの影響があったと語っている。
Freak Out!のインタビュー(2022/10/14)。
呂布さんもFORKさんに影響受けて"違う山を登って"スタイルを確立して、FORKさんも呂布さんに影響受けて進化してきたというの、あまりにも良い。もうお腹いっぱいだけどまだ続く。
別の山を登ってたと思ったら同じ山で、頂上で会ったって…めちゃくちゃ良い話。感無量!
◆共演楽曲
2人が参加した曲は、私の知る限り2曲。
まずは2代目THE EP収録の「NEO INNER MUSCLE」(崇勲さん、呂布さん、FORKさん)
FORKさんのリリックはICE BAHNでも客演曲でも全部好きだけど、この曲はやっぱり「人生なんて束の間だ 言い訳なんて使うのまだ?」かな。
そしてSIMON JAPさんの「ラップでファック(Remix)」
この曲のFORKさんバースに対する呂布さんの感想(チョリソーについて)
この曲はSIMONさんも呂布さんもプレイボーイ感があるけど、FORKさんだけは「臭えほどクセになる」と歌う通り、色男感より生臭さがある…けど最後「早く服着ないと風邪ひくぜ」だけ急にカッコ良くなる。匙加減がFORKさんらしい。「夜の街が決める曲の価値」も美しい踏み方。
◆日本統一決勝(3/26放送後追記)
『フリースタイル日本統一』呂布カルマ率いる“チーム東海”が逆転優勝で日本統一!(3/29配信Abema Timesの記事)
結果を見るまで、本当に本当に神奈川が優勝するとしか思っていなかった。
番組開始前から、「神奈川はチート」といわれるほどのパワーバランスだった。輪入さんの加入で、さらにそれが決定的なものになっていた。
任侠シリーズの方の日本統一も、主役はクールな横浜の不良(戦田磨威駆の本宮泰風さん)。フリースタイル日本統一も、クールな横浜の3人の優勝が運命だろうと思っていた。
以下、最終決戦の個人的な印象を綴る。
◇試合前
このやり取り、今後いろいろな人たちにモノマネされてしまうのでは…。
バチバチというか、2人のお茶目なところが出たシーン。
FORKさんがヒールっぽいのが珍しい。
現役最強のはずの呂布さんは2戦2敗、番組では今のところパッとしない。(ちなみに、本当はパッとしてたけど白星が伴っていなかっただけ。負けた2試合とも、強い時の呂布さん。十分本領発揮されていた。)
しかし前回、副将の裂固くんが輪入さんに敗れ、
神奈川は残り輪入さん、SANTAくん、FORKさんという盤石の布陣。
東海は呂布さんのみ。もう後がない。
放送直前に呂布さんがツイートしていた通り、絶対絶対絶対絶命の崖っぷち。
普段はモンスターポジションの呂布さんが、この日はまるで主人公だった。
そしてFORKさんが、それを阻むラスボスだった。
テレビ的にはそうだけど、そういうストーリーは、バトルでは無し。
どんな状況でも、結局相手よりカマした方が勝つだけだ。
FORKさん対呂布さんでビートが「Fate」(意味は運命)。セロリさん神。
じゃんけんに負けて、先攻はFORKさん。
◇Turn One
FORKさんらしい踏み方はいくつかあるけど、これは確実にそう。
「エメルテ?攻めるね」(FSL vol.4)の時も思ったけど、こんなに自然に話すように踏むのずるいって。カッコ良すぎるって。
鎮座さんとの対戦で言った「鎮座DOPENESSとFORKですよ この勝敗はどう付けるの」くらい好きだ。
この2人の対戦を見たとき、ヘッズの頭にあったのは「KoK2021の再戦だ!」ということじゃないか?少なくとも私はそうだった。それほどKoKは特別な試合だった。あそこで勝ち切ったFORKさんが、近年準優勝が多くなってきた呂布さんに、トピックとして提示してもいいと思っていた。
だから「時代が証明」「再会」もKoKの文脈で聞いていたけど、おそらくFORKさんの頭の中は違っていた。それが次で分かる。
「違う山」は、2017年のフリースタイルダンジョンのFORKさんvs SURRYさんの試合後、モンスタールームで呂布さんが言った「元々俺はそれでライムするのをやめたので、FORKさんを見て。改めて違う山を登らないと話になんないなって」から取っている。
(本noteの「◆呂布さんによるFORKさん評」の項参照)
FORKさんを見て、韻を踏まずに内容で刺すスタイルを確立した呂布さん。
でもこの東海vs神奈川の決勝を見ても明らかなように、今の呂布さんは要所でしっかり踏んでいる。
一方のFORKさんは、押韻特化型のスタイルを進化させ、2017年のダンジョン出演以降、内容でも刺しに行っている。
そこには呂布さんの影響もあったと明言している。
韻から登ったFORKさんと、
そのFORKさんを見て、内容から登ることにした呂布さん。
でも今は、互いに韻も内容も大事にしている。
登山口が違っただけで、登っていた山は実は同じだった。
そのことに気付いたのは、頂上で出会った時だったー。
FORKさんは2022年のインタビューで、本当はKoKの決勝でこの話をしようと思っていた、と述べている。
(本noteの「◆FORKさんによる呂布さん評」の項参照)
そのインタビューを見ていたので、再戦があればトピックとして提示するだろうと放送前から思っていた。
「違う山」と聞いた時、やっぱり来たかと思った。
踵は既に浮いていたから、初めの一歩を踏みだすのは早かった。その先どこに着地するか。
「登った先は同じ部屋」。この時点で、呂布さんと向かい合ってFORKさんが思うのは、KoK2021ではなくダンジョンの方か、と気付かされた。
素直に言えば、普通なら「登った先はこの決勝」「登った先は同じ山の頂上」などの言葉選びになるからだ。
けど、FORKさんの頭には、モンスタールームがあったんだと思う。
あくまで私の推測だけれど。
「違う山」も「同じ部屋」も、抽象的な表現だ。
そもそも私のように、「違う山」という言葉にピンと来ていたヘッズ、そんなに居なかったと思う。Twitter検索する限り見つけられなかった(私はブチ上がったのに…)。
スタイルの異なる2人が登った山、くらいの意味で解釈されたことだろう。
「同じ部屋」はモンスタールームではなく、この決勝が収録された大手町三井ホールのことかもしれないし、その控え室のことかもしれない。10人中10人が同じものを思い浮かべる表現ではない。
こういう言葉選びは、FORKさんのフリースタイルでもリリックでも、あまりない。あまりない言葉選びを何故したか。私の推測は、後述する。
私はモンスタールームの話を出してきたと思って聞いていたが、呂布さんはそうではなかった。
呂布さんのアンサーは「ここが部屋だなんて狭すぎるぜ」で、
俺らは青天井、から羽、飛んでいく、とダンジョンの話ではなく、漠然とした規模感の話に移っていく。
◇Turn Two
「全く震えてない」のところ、埼玉戦の3試合を見ていても思ったけど、バース始まりのアンサーの強さ(声色含め)は昔より意識しているように見える。
思わぬ方向に話が転がったと思うけど、FORKさんは何に対しても踏み返してくるスピードが異常に速い。
多分セルフサンプリングのつもりはなくて普通に出た言葉だと思うけど、
「何だ こっち向いて にらめっこ そんな演出ここには要らねぇよ」(KoK2021, FORK vs呂布カルマ)
「RHYME至上主義だよ 要は使い方 量で誤魔化さねぇ その味が美味いかだ」(2017年ダンジョンFORK vs SURRY)
を思い出した。味は問題ねぇ、は意味合い的にも近い使い方だから少し意識したかもな。
◇Turn Three
「暗がり」「旅」も抽象的で、なおかつちょっとカッコいい使われ方をされがちな言葉だから、FORKさんに珍しく、リリックに近い表現だと感じた。地上波のダンジョンが終わり深夜イベント中心の活動に戻ったけど、また番組を盛り上げようぜ、という意味だろう。
暗がり、つま先、再び、噂に、と続くライム。
「また」「再び」と言っているから、やっぱりダンジョンを思い浮かべて話している。
ここは意図的に、同じSURRYさんとの試合の「火曜の夜は俺が眠らせない」という自分のパンチラインを引用したと思う。
ちなみに呂布さんが「違う山」と言ったのも、同じSURRYさんとの試合後。
FORKさんは昨年11月のSPOTLIGHTにダブで出演した時にセルフサンプリングしまくっていたから、昨年8月の日本統一の収録前に、自分を客観視するため過去の試合を見返した可能性を感じる…でもFORKさんの人柄的に自分の試合を見返さない気もする…
呂布さんの「筋の通った韻を踏むアンタを見て俺はバトルで韻を踏むのをやめたよ なのに今日持って帰れよだと?お望み通り持って帰ってやるよ1000万」は「違う山」の文脈にちゃんと戻るし、FORKさんへの強いリスペクトも感じるし、このターン丸ごと呂布さん良かった…。呂布さんの良いところ全部出て勝ったから、これはアガる。FORKさんを応援していたが、アガる気持ち分かる。
◇試合後
判定は1:4でKダブさんのみFORKさん票。
「全員活躍してくれてたんで」を聞いて思ったけど、たくさんいる神奈川のMCの中からSANTAくんを選んだこと、決勝での起用タイミング(は、対戦相手との相性考えてかもしれないが)を含めて、マンネリ化したMCバトルシーンで、若きスターが輝く番組にしたいというFORKさんの思いを感じた。
(4/6追記: 関東死闘編のメンツ公開されたから言えるけど、収録観覧でDonatelloさんとSheef the 3rdさんを見たとき、上記のことを思った。)
◇呂布さんの振り返り
(4/6追記)放送後、呂布さんがYouTubeで決勝を振り返っていた。
とても俯瞰して客観的に述べており、呂布さんらしい。俯瞰できる人は強い。平場だったらどうだったか分からない、というのもFORKさんへのリスペクトを感じるコメント。
呂布さんは3/21付の週刊プレイボーイのコラムで、近年のバトルは「正直モチベーションが上がりづらくなっていた」と吐露している。
▶︎呂布カルマの『フリースタイルダンジョン』後とバトルに「まだ熱くなれる」理由
一方、日本統一については「チームのため、地元に栄誉を持ち帰るための戦いは今もまだ熱くなれる」と結んでいた。ずいぶん番組を持ち上げるんだな、と思っていたけど、心底「今までで一番嬉しい」勝利だったんだろうな。過程を考えると。
Abemaの放送まだなのに、地上波で流れてすぐネタバレツイートしてたし。(私はAbema勢なので呂布さんにネタバレくらった)
◇感想
全体を通して、FORKさんに珍しく、抽象的な言葉選びが目に付いた。
「らしくない」と言えばそうなんだけど、私はそれを歓迎したし、感激して見守った。
「本調子じゃなかった」わけではない。
試合後コメント聞いても思ったけど、調子悪くはなかった。
「違う山」「同じ部屋」「暗がり」「旅」等は、背景にある文脈から意図を理解する必要がある言葉だ。分かる人には分かる、分からない人には分からない。
そうなると、いとうせいこうさんの口から「荘厳な山の上で哲学者が…」「世界観」「イメージ」というコメントが出てくる。
10人中10人が同じものを思い浮かべる表現ではなく、それぞれが概念的に思考する余白を残した言葉選びなので、当然そうなる。
リリックでもフリースタイルでも、FORKさんは具体的かつシンプルな言葉を使うことが多い。これはライムを引き立てるための美学も絡むが、感情を出さないことも影響しているだろう。
今回は、頭より心で言葉を使っていた。
画面越しに見て、私はそう感じた。
クールなFORKさんが熱くなれる試合だったんだ、と思った。
久々の地上波。
その最終決戦。
相手は呂布さん。
ACEさんを除く2代目(裂固くん、崇勲さん、輪入さん)が、行く末を見守っている。
ーそんなシチュエーションに対する思い入れの強さを感じた。
言いたいことが見つからない相手じゃない。話したいトピックはたくさんある。ありすぎるから、言葉より先にイメージが出てきたんだろう。それをまとめるには試合が短すぎた。延長が見たかった。
呂布さんが特別な対戦相手であることは本noteの前半にまとめたが、
FORKさんがダンジョンを思わせる言葉選びを何度かしたことから、
地上波で本格的なMCバトル番組がやっと始まったことへの高揚感が伝わってきた。
▶︎2024/8/1のFORKさんのTwitter。
「期待して大丈夫」みたいな強い言葉で堂々と煽ってくるのは珍しい。しかもこの時FORKさんの出演は発表されてないから、いわゆる「匂わせ」。そんな、アイドルと付き合ってるのを黙ってられないインフルエンサーみたいなことを、あのFORKさんがしちゃうとは。相当楽しみだったんだろう。
昨年9月に番組に出演するチームの顔触れを見た時から、「決勝でFORKさん対呂布さんが見たい!」と思っていた。
FORKさんが負けたのは勿論悔しいけど、それよりも、この試合を見ることができた満足が勝つ。
フリースタイルダンジョンは、悔しい終わり方をした。出演者もヘッズも、ずっとモヤモヤしていたと思う。
そんな中、モンスターの二枚看板ともいえる2人が、新たな門出を切った後継番組の決勝の大舞台で、このような試合を見せてくれたことが嬉しい。
現場で見てた人が羨ましい。こんな試合見て、半年間ネタバレ流出なかったのすごい。
FORKさんはいつでも一番かっこいい。勝負は時の運。審査結果は知らねぇ。
◆翌日の高ラ(3/27放送後追記)
日本統一の決勝は3/26(火)深夜。
翌3/27(水)17時からはチッタで「第19回高校生RAP選手権」。
FORKさんも呂布さんも審査員に名を連ねている。
控え室では日本統一の話出たのかな…などと考えると、状況がエモい。
高ラ、「栄冠は君に輝く」が流れるように、若きラッパーたちの甲子園的な存在なんだと思う。
期間限定でしか手に入らない、一瞬のきらめきがある。青春を感じた。
趣味は心の拠り所になる。みんな好きなことを大切にして、長い人生、幸せになってほしい。
人生はトーナメントじゃないって、FORKさんもライブのMCで言ってた。
個人的ベストバウトはTAIKI君とSHAMIS君。同じ意見の人多いのでは?
▶︎審査員の楽屋トーク(Twitter)
私は敬虔なヘッズのため、信仰に基づき、「日本語ラップ界屈指のライマー」FORKさんの審査を予想しながら見ていた。
嬉しかったのは、4:1になった時の1のFORKさんを当てたとき。
さらにその時、「今のは聞き取りづらかった」「その後のdis効いてた」などと夫に話しながら見ていたら、
FORKさんが全く同じコメントをしていたので、夫にキモがられた。
※他にもICE BAHN関連記事いろいろ書いています。よろしくどーぞ。
◆skew
スナックMARIA ~ラッパーの憩いの場~【ゲスト:呂布カルマ, FORK(ICEBAHN), ママ:MARIA, LUNA】
2024/6/24、二人の共演の機会が急にあった。「skew」がスポンサーの、MARIAさんとLUNAさんの番組?かな。トーク中、呂布さんの「羽生結弦も4回転躓く」という発言を、FORKさんが「4日前に聞いた」と話している。これ、私も5/24のナイフレ(渋谷R Lounge)で呂布さんが話しているのを聞いたから、収録5月終わりってことだな。FORKさんと呂布さんの組み合わせ(こんな長いnote書くほど)好きだから、このイベントのとき一緒に写真撮って貰えば良かったと今更思った…!
FORKさんの話で特筆すべきは…むっつりな女が好きという話(初めて知った)。お子さんが9歳と4歳で、呂布さんと同じという話。 ICE BAHNについての話はこれ。
◆余談
◆余談①
日本統一のweb記事で、押韻を重ねるMCに対して「詰め込まれたライムの数は、もはやFORK。少なくとも、本調子でないFORKよりは全然踏み倒している」と書いてあるのを目にした。署名記事のコラムだからライターが思ったことを自由に書いていいしリンクも貼らないけど、2017年以降のFORKさんはライムを詰め込む・踏み倒すの逆をやっている(引き算している)から、変な比較だと感じた。2017年のFSDのSURRYさんとの試合、2022年のスポラの裂固くんとの試合で本人も言っている。同じライターの最終決戦のコラムも読んだけど、残念だ。
◆余談②
日高大地さんについて、ファンとかではなく全然知識ないものの、配信を拝聴した。
#3 「日高のしゃべり場」(バトルに対して思うこととか)”3月21日”
1時間40分話す中で、FORKさんの話が30秒くらい出てきた。配信の最後で「昨今俺がバトルシーンに対して思って言ってることは俺がここで言うだけじゃあんま意味ないんで、勝手に切り抜いたりして大丈夫なんで僕の声を広めて下さい」と話していたので、お言葉に甘えて少し触れたい。
日高さんは、ただ話すのではなく論ずる方だ。noteも、筆力が高いだけでなく内容が良い。この配信ではバトルサミットの賞金2千万円に疑問を呈し、▷他の大会の賞金や出場者の報酬を上げること▷出場者紹介VTRの制作など他の部分に費用を投じること▷チケット代を下げることー等を提言していた。そのほか審査員制やMCバトルの在り方にも言及。プレーヤー側のリアルな声が聞け、考えさせられる内容だった。
FORKさんは動画49〜51分ごろ、審査員の話の流れで出てくる。
また、審査員7人制(客判定無し)を提言した上で、①ジブさん②呂布さん③パブロさん④KENさん⑤ジメサギさん⑥オードリー若林さんと共に、「現役最強といわれている」としてFORKさんの名前を挙げていた。
若いMCから、体制側ではなくプレーヤー側として見られているのは嬉しい。FORKさんは実力は一番あるけど、権力を持ちたいタイプではない(と思う)。審査員とかFSLとかテレビとかいろいろ増えてきたけど、それ自分がどうこうよりシーンへの貢献のためだと感じる。
いてほしい審査員として名前挙がるのも嬉しい。「現役最強といわれている」は主観ではなく伝聞の表現だけど、それでも嬉しい。ただ、FORKさんは生涯現役ではあるけど、仙人とか師範のポジションは現役に含まれるのかな?と思った。現役最強という言葉で私がイメージするのは、呂布さんだ。
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