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熱海市伊豆山土石流災害をふまえて ~熱海の崖に家を建てる【まちづくり編】

先週、熱海伊豆山で土石流が発生しました。被害にあわれた皆様、ご家族、そして熱海を愛する皆様に、心からのお悔みを申し上げます。

私たちは、熱海に土地を購入しただけで、まだ住民ではありません。それでもたくさんの友人、家族が心配をして連絡をくれました。
ありがとうございます。
私たちも、敷地も無事です。


熱海Case Study Houseを進めます


そんな私たちではありますが、今何をすべきだろうかと、ここ数日考えていました。

海から急に山になっている熱海は地形的にリスクの多いエリアです。私たちの家の建設予定地も、熱海らしい斜面地。何を建てるか、どのように建てるか、森との接点をどうつくるか、日々検討を重ねています。その過程で、熱海内外のさまざまな方と知り合うことができました。今の段階で、熱海Case Study Houseプロジェクトは、プラスしかない。

そんな私たちがやるべきこと。

それは、熱海Case Study Houseプロジェクトを進めることなのだと思います。熱海が動き続けるためにも、私たちの小さなプロジェクトは決して止めません。私たちにしかできないことだから。

できる支援をする

そして、できる支援をする。

人命救助の段階では、素人ボランティアは不用。コロナ禍でもあり、まずは近隣からの支援が優先されるとのこと。
来週から再び緊急事態宣言が発令される東京に住む私が今できる支援は、熱海市にふるさと納税すること。

ふるさとチョイスさとふる で熱海にふるさと納税します。

ビビるのではなく、創造につながることを

日常生活では目に触れない、違法だったかもしれないといわれている造成問題。気候変動による局所的な豪雨が、これを暴徒に変え、熱海の人の命と生活を奪いました。土石流の映像があまりに衝撃的でそこに目がいってしまうけれど、伊豆山エリアでは今も断水が続き、一部の生活道は通行止めとなっています。大雨の当日は停電も起きたとのことです。

以前、「ケース・スタディの進め方」で斉藤幸平さんの『人新世の「資本論」』を紹介しました。今回の災害は誰かの犠牲に頼る社会が限界にきていて、付け回した負荷(”不都合”の外部化)から逆襲に合ってしまった、とも考えられます。

こうした災害はとても不幸だし、もちろんないほうがよい。
でも、想定を超える雨はこれからますます増えるでしょうし、雨は熱海にだけ降るのではない。日本中どこにいても、なんらかの災害と隣り合わせなのだと思います。しかも、日本全国人口が減少していくから、災害から復興し、インフラを元に戻す経済力はどの地域も弱体化していく。

熱海の崖に家を建てるのです。ビビっていてもしょうがない。熱海でなくても災害は起きる。考えるべきは、災害を最小化する方法。私は、それが、次の熱海の創造につながると考えています。

例えば、森の整備ルールをつくる

これまでのように、納めた税金で、国や自治体が守ってくれると考えるのは難しそうです。災害は増えるけれど、支える人口は減少するから。かといって、個人でできることには限界がある。

そう考えると、こうした災害をきっかけとした、官でも個人でもない、新しい取組みが必要なのでは、と思うわけです。

今回の災害で、多くの人は「熱海って、急斜面が多くて怖いよね」と感じたと思います。実際、市の60%は森林で、十分な整備がされていないとのこと。心ある山主さんが整備しようにも、森の整備をどうしたらよいかわからない人がほとんどなのではないでしょうか。実際に心配なのは、山主さんというよりも、その下のエリアに住む人たち。何もなければ人の土地の整備に文句も言えないし、我が家がぶち当たったように、多くは不在地主の土地だったりするように思います。

災害リスクを減少させる森の整備方法はないか。権利問題を超え、業者に丸投げするのではない森林整備の新しいルールをつくれないだろうか。

これが実現できれば、市の60%を占める森林は、熱海を豪雨から守る防波堤になるだけでなく、住民や訪れる人にとっての新しい魅力に変革するように思います。何より、こうしたモデルが全国に広がることで、災害で辛い思いをする人が減り、身の回りの環境が魅力的になり、ひいては気候変動の悪化をとめることに貢献できるのではないでしょうか。

私たちは、自分たちの敷地で森づくりのケーススタディを行います。災害リスクを減少させる森の整備方法、森を使った魅力的な空間づくりにトライします。全国・世界の森の整備に関する土木・造園の専門家、権利関係の問題を調整するための法律の専門家の知恵を集めるところからかな。

熱海市さんには、こうした取り組みに賛同する別荘族に熱海アドレスを持ってもらうよう働きかけてほしいと思います。別荘を持っているということはそれなりの収入ですよね。ふるさと納税ではなく、住民税で熱海に貢献することで、日本の森林整備、ひいてはカーボンニュートラルな国づくりに貢献できるとしたら、共感する方は少なくないのではないでしょうか。コロナ禍でオンライン勤務が普及し始めています。新幹線駅のある熱海は、東京に通うこともできる絶妙な立地。東京よりちょっと住民税安くするとか、自治体でできるインセンティブもあるように思います。

熱海のよいところは、既に30代を中心とする移住者を含めた新しいコミュニティができつつあること。多くはたくさんお金を儲けることよりも、人のつながりや時間の余裕を含めた生活の豊かさを志向していると感じています。地域を変えるのは、よそ者、若者、馬鹿者と言われますが、熱海にはそうした素地があるように感じています。

まとめ

熱海伊豆山の土砂災害にあわれた方に心からのお悔やみを申し上げます。

それでも私たちは熱海Case Study Houseプロジェクトを進めます。
エネルギー、食料、水、移動手段、通信
そして森づくりのケーススタディ。
頼れる友人、知人と一緒に。
困ることが起きることを想定して、熱海Case Study Houseプロジェクトに取り組み、災害の少ない、森という新しい魅力を熱海で作っていきたいと思います。

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