僕が孤独を選んだ理由
黒歴史というのは難儀なもので、TPOをわきまえずフラッシュバックする。枕に顔を埋めて足をバタバタさせたくなるあれである。僕ほど恥の多い人生だとその回数たるや相当なものである。しかし都合よくそこかしこに寝床があるはずもなく、では今まさに僕の中だけにあるこの羞恥を如何にいなすべきか。
答えは簡単である。脳内でチンポと叫びまくればいい。
しかしながら度し難い弊害もある。つまり脳内シャウトが稀に口をついて出てしまうことがある。側から見ると、全裸中年弱者男性が唐突にチンポと呟いた、という絵面である。ヤバい。ヤバいという言葉は本来この状況を指す語であると言っても過言ではないほどにヤバい。もはや怪異の類である。なれば人里を離れて暮らす他ない。
以上が限界集落でひっそり孤独に生きることを選んだ理由である。恥の上塗りにも程がある。今日も僕の脳内にはチンポシャウトが木霊する。