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⑱愛する人がいること

前回、気づいたことがある。

ぼくがだれかに
好かれたいと強く願うのは。

母親が原点だと思う。

母はこうしなきゃだめと
思いこむ頭が固い人で。

また、
ぼくの進む道
選択することに
たくさん口出しを
する人だった。

まだ子どもの頃ならわかる。

しかし
ぼくが大人になっても
それは続いた。

だから気持ちが
爆発して暴れ
病院行きになって
入院した。




あるとき、ぼくは 
らっきょうの瓶を割った。

夏が終わった時期である。

夏に我が家は
らっきょうをつける。
けっこう大きな瓶につける。

どれくらいの大きさか
ご存知だろうか。

その瓶が
真っ二つに割れた。
粉々に砕けることなく
真っ二つに。

足がちょん、と
当たっただけだった。

ぼくはびっくりした。
呆然とした。
えっ?と思った。

ちょっと足が当たった
だけなのに。

らっきょうの汁は
ドクドクと
台所の床を流れている。

それでもぼくは
なにもできず
突っ立っていた。


そこに母が来た。

ぼくはハッとして
慌てて


「 わざとじゃない!」


と説明した。

でも。

母はその言葉を
信じなかった。


「いんや、わざとに決まっとる!」



そういいながら怒っていた。



ぼくが精神疾患に
なる前の出来事。

今、思えば両親に対して
反抗した態度を
とっていたから
信じてもらえないのも
仕方なかったのかもしれない。

でもその頃のぼくは
両親が嫌いだった。
とくに母が。

自分の言う通りに
させようとするのが
嫌で嫌でしょうがなかった。

母の言うレールの上にそって
生きなくてはいけないのか?

すごく悩んで
自問自答し続けた
覚えがある。

その出来事がきっかけで
母は何をやっても
ぼくを信じてくれない人
と烙印を押した。

ぼくを信頼しない人と。




精神疾患で初入院し退院
デイケアに通い
2回目を入院

ぼくはまた眠れず
食べれず
ぐったりした状態に
なった。

退院後、  
このままではいけないと
思った。

また、家族の負担にも
このままなってしまって
いいのか?

と思った。

だからぼくは
いい意味で母に反抗した。



嫌なことははっきり
            

 

   NO!!!


と言った。

自分の意志をちゃんと
伝えるようにした。

時には怒った口調にもなった。
それでもぼくは伝え続けた。



今までだんまりして
どうせわかってもらえない



という想いを捨てた。
うまくいえないときは
手紙を書いた。

伝えること
口に出すこと
気持ちを伝えること

それがぼくには
必要だった。



何十年とたって
今、母と暮らしている。
母はぼくに何も言わなくなった。

どんなにだらけても
やりたいようにさせた。
きっと自己責任に
任せようと思ったのだろう。

今、母とは衝突するときも
あるし、普通のときもある。

それでも。
愛してくれてるとは
感じない。

それはまだ生きているから
まだお互いに隣にいるから
だからかもしれない。


だからぼくは
愛情に枯渇している。


それをブログを
書いてて気づいた。




ぼくには今ぼくを
愛してくれる人がいる。

母の代わりに
母の分までと
いわんばかりに

愛してくれる。

ぼくは自分の想いに
気づいたから


その人に。


「ぼくを愛してくれているのか
あなたを試しているんだと思う」


と伝えた。


その人は静かに。



「わたしは
あなたの愛を感じます」



と言った。


ぼくはその言葉に
ホッとした。

自分をまたいじめて
いたから
安心したんだ。

ひょっとしたら
これは依存して
いるのかもしれない。



だけど。
きっと親から他人へ
愛する人が代ってゆく
瞬間なのだろう。

親の育てる愛から旅立ち
愛する人と今度は
ぼくが愛を育む番。

ちょっと遅いけど
ぼくは親から
旅立とうとしている。



まあ、問題はある。
ぼくが愛情欲しがり屋さん
だってこと。

親から愛情を
もらえてたのか
分からないってこと。



でも気づいたから

ちゃんと。
ぼくの奥底にある想いに。

だれかに愛してほしい
という想いに。




はあ〜なんでこんなに
想ってくれるんだろう?
と思ってたけど。

ぼくがただ相手の愛情を
信じなかったたけ。

それはらっきょうの
ときの母と同じ。

でもぼくは相手から
安心して
と言われたような
気がする。


それはちゃんと愛してるから。
ちゃんとあなたの愛は
届いてるよって。


だからホッとしたん
じゃないかな。

そうやって
自分の弱さも知るけど。


すぐに恋は愛にはならない。


言い合いして
ケンカして
ときには励まし…

そうやって乗り越えて
互いに成長して
ゆくんだと思う。

問題を乗り越えていって
ふたりの愛が
出来上がってゆくんだ。

何事も積み重ね
なんだと思う。


うん。


ぼくはいい恋愛を
している。



だからもう。



だれにも愛されてない
愛してないと

思う必要はないんだ。




       

          2024.10.29(火) 


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