ユーミンになりたかった小学生の夏

三連休だったから『あんた、芋ねぇ。』と言われるかと思ったけど、かろうじて言われなかったあたい。

あたいはこう見えて、けっこうモノマネが出来ちゃったりする。

小学5年生頃に練習してたのはユーミン。

ユーミンを頑張れば中島みゆきさんもいける。

ユーミンを習得したときには誰かに聞いて欲しい気持ちが押さえきれなくて。

お風呂場の窓を少し開けて、夕暮れときに外に向かって歌っていた。

『えっ、ユーミン!?』『あの家、ユーミンが住んでるんじゃね?!』って噂になりたかった。

日を追うごとにどんどん上手くなっていったのだが全くと言って良いほど、噂にはならなかった。

そのうち夏も終わりに近づき秋の気配を感じるようになった。

寒いし、『この辺で潮時か』とあたいの1ヶ月のユーミンなりきりライブは大盛況にはならないうちに幕を閉じた。

しかし、悔いは一切なかった。だって自分が納得するまでやりきったんだから。

とにかく思うことは。何で親は止めなかったのだろうと。

もしかしたら親が一番の観客だったのかもしれない。

親の心子知らず。

またいつか『真夏の夜の夢』でも披露したい。

あたい

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