中国の新法、「反外国制裁法」がヤバい件について
中国は米国など欧米諸国による対中制裁に対抗するために、6月10日から、「中华人民共和国反外国制裁法」(「反外国制裁法」)が施行されました。
対中政策に対する対抗処置なのですが、具体的にどのような範囲に、どのような罰則があるのかをかんたんに説明します。
概要
たとえば、米国が中国に対して一方的な制裁を発表した場合、中国国務院はその制裁が国際法に抵触していないか、中国の利益を侵害していないかなどを検討し、関係する外国の個人や組織に制裁を行うことができます。
具体的な制裁は、入国拒否や中国国内の資産の押収・凍結、中国の個人および企業などとの取引や協力の禁止はもちろん、必要な場合は「その他の措置」も可能としています。
また、この法律は「いかなる組織や個人も外国がわが国(中国)国民、組織に対して行った差別的な制限措置を執行、あるいは協力してはならない」とも定めており、例として、中国に進出した日本の大手企業が米国による対中制裁に協力し、中国企業に特定の物品を提供しないとした場合、この法律に基づいて処罰される可能性があります。被害を受けた中国企業は中国の裁判所に日本企業を訴え、損害賠償訴訟を起こすことも可能です。さらに「差別的な制限」を中国が恣意的に適用する可能性も考えられる。
ヤバい点
大きな問題は、制裁の範囲を「その他の措置」としているところ、そして「差別的な制限」という非常にあいまいな表現にしているところです。
その他の措置ということは、言ってしまえば何でできるということです。
中国に単身赴任している会社員を拘束し、禁錮刑にすることもら可能です。
理由なんてものはいくらでもかんがえられますからね。
それと同じで、差別的な制限というのも、中国共産党が差別だと思えば差別になるので、気に食わない企業や人に制裁を加えることが可能になったわけです。
そんな法律がもうすでに、施行されてしまってます。
あまりニュースで報じられていませんが、非常に危険な法律なんです。
今の中国がどれほど危険なのかもっと危機感を持っていただきたいとおもいます。
反外国制裁法翻訳
文
中华人民共和国反外国制裁法
第一条 この法律は、国家の主権、安全及び発展の利益を保護し、我が国市民及び組織の正当な権利及び利益を保護するため、憲法に従って制定される。
第2条中華人民共和国は、独立した平和外交政策を堅持し、主権と領土の一体性、非侵略、内政における非干渉、平等と相互利益、平和的共存の5つの原則を堅持し、国連を中核とする国際システム及び国際法に基づく国際秩序を維持し、世界の国々との友好協力を発展させ、人類の運命共同体の構築を促進する。
第三条 中華人民共和国覇権主義と権力政治に反対し、いかなる口実やいかなる方法でも中国の内政に干渉するいかなる国にも反対する。
外国国家が国際法及び国際関係の基本的規範に違反して、我が国を抑制または抑圧し、我が国市民または組織に対して差別的制限措置を採用し、我が国の内政に干渉する者は、我が国に対して適切な措置をとる権利を有する。
第四条 国務院の関連部門は、この法律第3条に規定する差別的制限措置の策定、決定又は実施に直接的または間接的に関与する個人及び組織を、反措置のリストに含めることを決定することができる。
第五条 国務院の関連部門は、この法律第4条に規定する反動リストに含まれる個人及び組織に加えて、以下の個人及び組織に対して反撃措置を講じるものとする。
(1) 反リストに載っている個人の配偶者および近親者。
(ii) 反リスト組織に含まれる上級管理職または実際の管理者。
(iii) 上級管理職として、反リストに載っている個人によって組織される組織。
(4) カウンターリストに含まれる個人および組織によって実際に制御または参加される組織。
第六条 国務院の関連部門は、それぞれの職務及び職務の分業に従い、この法律第4条及び第5条に規定する個人又は組織に対し、実情に応じて、以下の措置の1つ又は複数を講じるものとする。
(1) ビザを発行しない、入国の拒否、ビザの取り消し、強制送還。
(ii) 領土内の移動用、不動、その他我が国財産を押収、押収、凍結すること。
(3) 関連する取引、協力我が国活動を行う組織または個人を禁止または制限すること。
(4) その他必要な措置
第七条 国務院の関連部門が、この法律第4条から第6条の規定に従って下した決定は、最終決定である。
第八条 国務院の関連部門は、対策措置が講じられる状況が変化した場合、関連する対策を中断、変更、または廃止することができる。
第九条 反撃リスト及び対策の決定、停止、変更又はキャンセルは、外務省又は国務院のその他の関連部門が発行し、公表する命令をしなければならない。
第十条 国は、外国に対する制裁に関する調整メカニズムを確立し、関連する作業の調整及び調整を担当する。
国務院の関連部門は、相乗効果と情報共有を強化し、それぞれの責任とタスクに応じて、関連する対策を特定し、実施しなければならない。
第十一条 国務院の我が国の関連部門が講じた対策を実施するよう、国内に居住する組織及び個人を含むものとする。
国務院の関連部門は、前項の規定に違反した組織及び個人に対し、法律に従って処理し、関連する活動を行う者を制限又は禁止しなければならない。
第12条 いかなる組織または個人も、我が国市民または組織に対する外国国による差別的制限の実施を執行または支援してはならない。
組織または個人が前項の規定に違反して我が国市民または組織の正当な権利と利益を侵害した場合、我が国市民または組織は、法律に従って人民裁判所に訴訟を起こし、侵害の停止または損失の補償を求めることができる。
第十三条 この法律に規定する場合を除き、関連する法律、行政規則及び部門規則は、我が国の主権、安全及び開発の利益を害する行為に関して、その他の必要な措置を講じることができる。
第十四条 いかなる組織または個人も、その対策を実施または調整しない場合、法律に従って法的責任を追及されるものとする。
第十五条 外国国、組織又は個人が、我が国の主権、安全及び開発の利益を害する行為を行い、支援し、支援し、必要な対策を講じる必要がある場合には、この法律の関連規定に従って実施しなければならない。
第十六条 この法律は、公布の日から施行する。