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第十五話 月の国に入国

連載第十五話は、私、こひなたんがお届けします。うまい具合に月の国のギルドの情報を得られたのは良かったけど、真偽の程はわからない。だから、慎重に行きたいと私は思っています。

入国審査

待合室に残っていた家族連れの後、私達は最後に呼ばれました。もう、日も暮れています。これから何時間も質問攻めに合うのかもしれないと思ったら、海の底に居る気分になります。でも、怪しまれずに入国するためには仕方ありません。

月の国は女王セーラーがなかなか厳しい戒律を敷いているので、入国審査も厳しいです。特に、他国の手帳を持ち込む際にはかなり厳しい質問がなされると聞いています。今回は、サガワンがじゃばらんだを持っていますから、ひどいことにあうのではないかと戦々恐々です。

「手形を持っているのか?見せてみろ」
審査官はなかなかふてぶてしい態度です。サガワンは素直に手形を出します。
「これです。本物ですよ」
「それはお前が判断することじゃない。どれどれ、ほほう、周の国の手帳ギルドに属しているのか」
「ええ、月の国のギルドに話がありまして。ダイさんと話したいんですよ」
「何?ダイだと。手帳ギルドのダイは俺の弟だぞ。どういうことだ?」
(しまったか?)とサガワンは思う。ここは私が助け舟を出したほうが良さそうだ。
「エルフである私にダイさんが用事があるらしいのです。ダイさんは以前からエルフと交流があるでしょう?」
「おお、よく知っているな。あいつの生み出す手帳はエルフたちにも好評だからな」
「ええ、そうなの。それで、その御礼と今後の数量について話し合いに行くのよ」
「そうか、それで周の国のギルドのメンバーを連れてきたのか?」
「さすが、飲み込みが早い。ダイのお兄さんだけあるわ」
「おだてても何も出んぞ!まあ、いい。この国のためにもなりそうな話だから、良いだろう。で、いつ、ダイと会うんだ?」
(まずい、募穴を掘った!約束なんてしてない。一か八かだ!)
「それが連絡が取れなくなってしまって、困っているのよ。一度、日程を変えたので。」
「そういうことなら、今から連絡してやろうか。と言っても結局、2日はかかるがな、ガハハハ。お前らが行ったほうが早いだろ。よし、入国を認めよう」
「助かったわ。ありがとう」
(意外とちょろいわね)

ブロックLeafへ

さっきのダイの兄弟から聞いた話だと、ダイは月の国内のLeafというブロックに住んでいるらしい。一番大きなブロックだったはず。ただ、この入国ゲートからは歩いて2日掛かるとの話だった。とにかく向かうしかなさそうです。

Leafというブロックは基本的に暑く、雨も多いと聞きます。途中、GlassやFlowerなどのブロックを経由することになりますが、ありがたいことにこの2つについては非常に気候も良く、歩きやすい平坦な道が続くと予想されます。助かる。

「さあ、行こう」とサガワンが言う。

サガワンが履いている靴は丈夫でしっかりしたもののようです。これなら2日間、歩き通せるでしょう。課題は、各ブロックでの尋問。手帳に関する尋問に答えられないと、回り道をしなければならなくなるので、1~2日、多く歩くことになるだろうと思われるから。

過去、私の友人のエルフが、この尋問に引っかかり、大きく回り道することになったことがありました。その回り道によって、Iceというブロックを通ることになり、かなり寒い思いをしたと聞いています。サガワンが着るこのくたびれたシャツでは、ブロックIceを通るのは難しいのではないかと思ったりするので、なんとか尋問には答えていかないといけないです。

そんな心配はよそに、まずはブロックGlassに向かって行くサガワン。大丈夫でしょうか。。。

続き 第十六話 ブロックGlassでの尋問

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