第九話 魔王SHREDDERと魔物
第九話は、魔王のことをTTがお伝えする。魔王には魔王なりの論理があるのである。そして、さまざまな魔物が大陸を闊歩している。
魔王の思惑
手帳大陸には、「魔王SHREDDER」がいる。魔王の目的は、不要になった手帳を切り刻むことによって、紙を再生し、大陸で重要な役割をしている木々を守ることなのである。実は、魔王の目的はとてもSDGsなのである。しかし、大陸に住む錬金術師たちは、この魔王の本当の目的を知ることなく、手帳を作り続けているため、魔王を敵視しはじめたのが「魔王」と呼ばれる始まりなのである。一部の手帳大陸の住民は魔王のことをMS(マジ寒い)と呼んでいる。
なお、魔王の出現の謎はいまだ解かれていない。
また、同時に、魔王の手先として手帳を実際に切り刻む「魔物SCISSORS」は錬金術師に敵対的態度を取られたため、逆上してしまい、対立することになった。このため、SHREDDERの配下に入って手を組んで、再生に取り組もうとしているものが多い。
魔物SCISSORS
魔王の配下であるSCISSORSの中には、かなりの巨体を持つものから非常にコンパクトなものまでいる。また、サガワンと戦った---実際には、聖剣が勝手に動いたのだが---ザリガニのお化けのようなものから、まさに生きた鋼でできていて普段はひっそりしているのだが、いざ紙が近づいてくると大きく口を広げ「ざくっ」という音とともに紙を切り裂く妖怪的なものもいる。これらをまとめて、手帳大陸の住民はSCISSORSと呼んでいる。黒っぽいものも居れば、銀色に光るものも居る。また、最近は進化形の「ベルヌー」というタイプも居て、切れ味が非常に鋭いと言われている。
これらのSCISSORSは、元々、手帳大陸の中央部にある山岳地帯で産出される鉄が豹変したものである。この山岳地帯には、ファイヤーズと呼ばれる人間たちが住んでおり、彼らが鉄を鋼に変えていた。しかし、ファイヤーズはその職人技を一子相伝で伝えようとしていたため途中で破綻して没落し、残された鋼に魂が宿り、SCISSORSとなったと言われている。
その他の魔物
物語が進めば、いずれ魔王SHREDDERや魔物SCISSORS以外の魔物も出てくるが、あらかじめいくつか紹介しておこう。
オラファー:腕が薄い鉄でできており、紙を切り刻む。切れ味が鈍ると自身の腕の先端を折って、新しい刃を出す。
ジェームズ:指から白っぽい液体を出し、手帳が開かないように接着してしまう魔物。進化形にアロンもおり、1秒で接着してしまう。
チャッカー:最もたちの悪い魔物で、手帳を焼き払ってしまう。出現確率は非常に低いが、出会うとやっかいである。
他にも、ケシゴンやホワイター、テープラーやうらぬけん(この2つは魔物というよりはいたずらをする妖怪的存在)なども居て、手帳大陸にはたくさんのリスクが潜んでいるのである。
これらの魔物たちの中にはSHREDDERの言うことを聞かない輩もたくさんおり、これもSHREDDERを悩ませているのは事実である。
続き 第十話 周の国での寄り合い
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