第三話 ジェットストリーマーコージ
いつもお世話様ですm(_ _)m
今回は営業的挨拶から(笑)
さて、今回のさかがみ文具店。ちょっと、正直、こういうのに疎い私が書くのがためらわれる話です。
ジェットストリーマー
さかがみ文具店の常連さん、といっても実際にはその人が勤める会社が常連さんでお金を払っています。ま、それはいいとしてコージさんという人がいます。彼が勤める会社は、外構工事を下請けでやっています。なかなか忙しい会社のようで、コージさんはいつも日に焼けて、冬でも顔が真っ黒です(笑)。
で、なんでこのコージさんが「ジェットストリーマー」と呼ばれているかというと、ジェットストリームが発売された際、三菱鉛筆さんが張ったキャンペーンで、さかがみ文具店でもサンプルをいくらか配布していました。これをこのコージさんも手にしたのです。
「ボールペンは結構使うからありがたいな」
とコージさんは普通にもらったそうですが、それを事務所に戻って使うなり、「なんじゃ、こりゃ!」と松田優作ばりの声を上げてしまったそうです。
それがきっかけで、ジェットストリーム信者になったコージさん。社長からはあまりやりすぎるなと言われているのですが、仕事に行く先々でジェットストリームをわざと忘れたりして、普及活動しています(笑)。
行った先で、「忘れてるわよ」と声をかけられても無視して帰ったりしているようで、三菱鉛筆さんからなんかもらっているんじゃないかと店長はいぶかしげに思ったことがあるようです(笑)。
シャイなコージさん
でも、実はとてもシャイなおじさん、いやお兄さん?なのです。
来年35になるらしいのですが、結婚はしていないそうです。実家は東北の方らしいのですが、東京に出てきているお姉さんの子ども、つまり、甥や姪に好かれる優しい人柄なんです。けど、シャイで口数が少ないので、恋愛などには奥手らしいですよ。私も人のことは言えませんけど。。。
店長の話によると、先日、コージさんがお姉さんとお店に来たらしいです。そのときのお姉さんの話では、本人も結婚願望がないわけではないし、自分の血を分けた子どもがいたらなとも思うってコージさんが話していたそうです。良い人が居るといいんですがねえ、とお姉さんも苦笑いしていたそうですよ。
でも、外構工事を日々やっているだけでは、施工主にも女性っけはそれほどないし、工事する場所にいる女性も既婚者ばかりで出会いはないようです。
事件です、店長!
ところが、昨年の年末に「事件が起きたんですよ、さかがみ店長!」って走り込んできたのは、三軒先にある中華料理屋の出戻り娘であるあっちゃん。
今さっき、あの奥手のコージさんが女性と街を歩いていたのを見たと言うんです。店はこの話でしばらく持ちきりだったらしいです。
と言っていたら、コージさんが勤めている会社の事務をするパートさんが店に来て、コージさんの話をしていきました。
そのコージさんが一緒に歩いていた女性とのきっかけはなんとジェットストリームらしいって言うんですよ。にわかに信じられません。そのパートさんの話によると、、、
昨年の12月、コージさんが勤める、商店街のはずれの外構工事屋さんは忘年会を催したそうです。社長は飲むのが好きですからねぇ。で、選んだ店が、1ヶ月程前に開店した小さな居酒屋さんだったらしいです。商店街の範囲ではないですが、少し先に居酒屋、確かにできてました。店主は若い板前さんだそうで、その方が千葉から来て始めた店なんだとか。
小上がりを含む、テーブルが4つほどとカウンターが4席ほどの小さな店ですが、コージさんが勤める会社には、5人ほどしか社員は居ませんので、十分です。で、その店のフロアにはその店主のお姉さんであるサキさんが出ており、器量よしってことで--けして絶世の美女では残念ながら無いが、とても気のつく飲食店のフロア向けの人--、店はのっけから繁盛していたそうです。
で、あらためてですけど、コージさんが勤める会社は小世帯で、社長、従業員合わせて5人です。コージさん以外は所帯持ちです。他の従業員さんたちも、コージさんに早く身を固めさせたいという、昔ながらのお節介が集まった会社です。今どきじゃないですねえ。
その忘年会のとき、オーダーを取りに来たサキさんがボールペンをコージさんの前にあやまって落としてしまったようです。そのボールペンは、海外製の安いプラスティックのボールペンだったので、ジェットストリーマーコージの心に火がついてしまいました(笑)。すぐさま、ジェットストリームを差し出し、ボールペンを交換しました。その交換の素早さはこれまでのコージさんのスピードを遥かに凌駕するものだったと、コージさんの会社の従業員さんたちは証言します(が、あとからつけた話でしょう(笑)。
それを受け取ってオーダーを取ったサキさんは、そのボールペンの書味に驚いた様子で、コージさんに礼を言って厨房の方に戻っていったそうです。
それから、街でお互いに顔を見れば、話す仲になったそうで、コージさんも時々、居酒屋に出向くようになったみたいです。本来は、外構工事の仕事が主なのに、店の内装で壊れた所があれば、直してやったりするようにもなったらしいですね。
この先は、私が首を突っ込むところではないので、皆さんのご想像にお任せします。
でも、店長、ジェットストリームのそのPOPはやめましょうよ。
「良い書味で、縁も紡ぎます」
みんな、意味わからないよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?