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新規事業を考えるときに使うマクロトレンドを集めました

事業機会を探索するうえで毎度調べるマクロトレンド。汎用的に使える情報ソースを複数の観点でまとめました。

新規事業にせよ経営計画にせよ、初期に必要となるのが外部環境調査です。毎回マクロトレンドをリスト化するの、かなり大変ですよね?

マクロトレンドの情報は、企業や事業が変わっても活用できるもは多いはずです。

このあたりの苦労を減らすために、一般に使えそうなものをツールボックス的に集めてみました。ご活用ください。


汎用的に使えるマクロトレンドの情報ソース

官公庁系

デルファイ調査
技術の社会実装時期予想がわかる。技術習熟度レベルの概念を頭に入れながら議論必要。Excelでダウンロードして、自社が目指す事業実現時期に、社会実装がちょうどされるような技術を選定していく。

社会課題キーワード一覧(日本総研)https://www.jst.go.jp/ristex/internal_research/files/unit_tamenteki_2022.pdf

「東工大未来年表(科学技術の未来シナリオ)」
東京工業大学未来社会DESIGN機構

SDGs 17のゴールと169のターゲット
ゴールやターゲットをそのまま使ってもよいが、一方でそれ起点で発想しにくい。指標まで卸すと比較的はっきりしてくるが、ビジネスにするにはまだ解像度が低いのが難点。

なお、プライム上場企業であれば基本的にはマテリアリティが設定されているため、IR資料の統合報告書を確認する。(価値創造プロセスまで確認しておけると、戦略整合性の観点で、よりドメインが絞りやすくなる。)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/index.html

業界団体が特に注力しているゴール、指標ある場合がある。
「自動車業界団体 SDGs 目標 」などで検索。

なければ、日本政府が2020年12月、今後の10 年を2030年の目標達成に向けた「行動の10年」とするための目標設定も確認。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_Action_Plan_2020.pdf


シンクタンク/広告代理店系

未来年表(博報堂)
基本は各種メディア等が発表の予想

ガートナー ハイプ・サイクル
テーマごとに1~2年置きに発表。主に技術トレンド。テーマや技術が決まっていれば探して使う。

業界地図(当年版)「総ざらい国内業界規模ランキング(業界規模兆円、上昇下降トレンド)」
業界ごとの市場規模(TAM相当)、上昇下降トレンド、主要プレイヤーなどが掲載。直接これではないですがイメージ↓


VC系

INITIAL(SPEEDAスタートアップリサーチ)から注目スタートアップ一覧化して技術要素だけを拾う(事業をローンチさせたい時期によってシリーズを変える)



自社用にカスタマイズが必要なマクロトレンドの情報ソース

特許検索

ドメイン選定後にキーワードで検索。
オープンクローズ戦略に注意。特許がないからといって先行企業がいない、競合が手を出していない、ということを意味するわけではない。
https://www.jpo.go.jp/


類似企業の投資先を見る

国内ならINITIAL(SPEEDAスタートアップリサーチ)などを使う。
パターン①:ドメインやテーマが決まっていればスタートアップを調査
パターン②:競合企業が株主となっているスタートアップを調査

成功・失敗事例を調査

ChatGPTなどに、当該ドメインやコンセプトについて、成功事例・失敗事例、及びその主要要因を尋ねる。
主要な観点はこちらの書籍を参照↓

また、マッキンゼーの新規事業メソトロジーとして「近接領域事業の分析」があげられる。国内外の競合はもちろんだが、大きな業界カテゴリ、例えば「社会インフラ」「金融」「情報通信」などでくくった似た特性を持つ業界の企業が、どのように近接領域に進出しているか調査します。


事例から逆算してマクロトレンドを抽出する(エマージングトレンド)

ジャフコさんのVC動向から事例/ドメインを見つけてくる

ジャフコさんの米国TopTierVCの投資動向を見る。毎日更新されているようで、本当に頭が下がります。

こちらから、1件ずつ見ていくのもよいです。

パターン①:面白い事例を見つける
自社が実現させたい時期によって投資ラウンドを変える。(シードやシリーズAは不確実性多め。大企業ならシリーズB,C以降から見始める?)
また、調達金額の大きい順にみてもいいかもしれません。
なお、最後の調達から3年ほど経過している企業は活動が鈍化しているか停止しているので弾くのがよさそうです。

パターン②:あくまでドメインを見つける
投資ラウンド、調達日付など、自社の与件に合わせてフィルタリングしたうえで、「カテゴリ」で集計します。(なお、大変恐縮ながら名寄せが必要なのでうまくデータクレンジングしてください。)
調達額順や件数順で、投資が活発になっているカテゴリを特定します。

他にも細々したソースから地味に拾う

他にもCrunchbaseから
Crunchbaseでは、特定業界、資金調達額100M以上(直近3年以内)などで絞り、資金調達額で並べたりします。

カオスマップなどから調査
国内のカオスマップはもちろん見ましょう。そのうえで、海外のカオスマップも役立ちます。特定業界+Landscapeで検索して、1個1個見ます。

ほか、先達のポスト(投資の流れを読む)

『これ儲かるな』って新規事業を見つけるためのリサーチ戦略
日頃からやる↓
・クラウドソーシングの新規募集から流行りを調査
・国内M&Aサイト(ラッコ、バトンズ、TRANBIとか)で高値(5000万〜1億以上)で売却されてる事業をみる
・Xでスモビジや儲かる事業発信してる人をフォローしておく
・いい事業あれば都度同領域のIRみたり、市場規模や業界の調査してみる

海外M&AサイトやASPも参考になる↓
・Flippa: 個人や中小規模のアフィサイト、アプリ、ドメインなど多め。
・Empire Flipper: 収益化済みのウェブサイトやコンテンツビジネス多め。Flippaより高額案件多い
・Motion Invest: 小規模な収益化済みウェブサイト多め。アフィとか。
・CLICK BANK: 日本でいうASPみたいなサイト

物販、D2C、独占販売総代理なら↓
・国内クラファン(マクアケとか)
・海外クラファン(韓国のWadiz、英語圏だとKickstarterかindiegogo)SaaS、WEBサービス、アプリなら↓
・Product Huntみる
・CrunchBase、あたりで海外シード調達情報みる
・「Seed funding rounds 2024」とかで調べる(feloで調べるのおすすめ)

ある程度領域決まったら↓
・汗かく系のことはやらない人が多いのでやる(実際にやってる人に話聞くとか現地行くとか関係構築とか)
・ビザスクでもたまにすごい人見つかるのでお金払ってスポットコンサル受けてもいい
・コスト最小でLPだけつくって反応見てダメなら再度リサーチ
・リストとれたらN1にインタビューするのもあり
・参入時点で誰よりも詳しくなる気概でやる

ふんばりさん(@funbari_dog) 9:53 午前 on 土, 12月 14, 2024 ポスト

中国・韓国からの輸入もありうる

DeepLを使って下記を見てみたりする。ただし、中国は規制の問題であまりわからない&役に立たないパターンが多い。韓国中心になりがち。

韓国はこちら:

中国はこれ:


またしても、ふんばりさん(@funbari_dog)さんのXより

【M&Aサイト】
・anchor deal: YouTubeチャンネル、スマートストア、ウェブサービス、アプリなど売買プラットフォーム
・sellerbridge: ブログ、SaaS、アプリ、Amazon FBAあたりの案件が多め。
・sauphada: 公認会計士が事業価値を算出してくれるM&Aサイト

【クラファン】
・Wadiz: 韓国最大級のクラファン。韓国はペット系プロダクトが豊富なのでペットD2Cとか考えてる人は常にチェックするといいかも。
・tumblbug: クリエイティブ色つよめのクラファン

【モール】
・coupang: 韓国版Amazonともいわれる最大級モール
・Gmarket: 総合ECモール。越境にも注力している。
・11STREET: Gmarketに次ぐECモール。

【フォローすべきXアカウント】
韓国物販情報は藤田さんが参考になります。
@fujit_ecbassman
中国は規制の関係でアクセスできるサイトも限られるため、吉川さんの中国情報が参考になります。
@mako_63

ふんばりさん(@funbari_dog)さんのX

新規事業はもちろん、経営計画や未来デザインをする方は、さんざん同じ作業をしていると思います。さまざまな方がまとめてらっしゃいますが、私自身も実務で活用したものに絞って都度更新して参ります。

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