2019年8月28日 「Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live~」
プログラム15thの次のユニゾンのライブが、このトリビュートライブ。行き慣れた新木場STUDIO COASTだが、こんな特別なライブが続くなんて大丈夫だろうかと思いつつ、当たった時は本当に嬉しかった。
8月なのに雨風強くて(主に風)、物販の時が1番辛かった。開場前には止んでくれて本当に良かった。風はずっと強かったけども。
整番も遅めの番号だったので、ゆっくり会場へ向かい、中に入ったのだがフロアにはまだ少し余裕があった。ステージを見ると、いつもより機材が沢山ある。ドラムセットも2台ある。まず心配したのは、田淵が動き回れるのかということ。人数の多いスカパラの時は、動けないんじゃないかと、余計な心配をしてしまった。
定刻2、3分過ぎた頃暗転。パスピエの成田ハネダさんが1人で登場(最初ステージ全然見えなくて、誰か現れた!誰?という感じだった)。そして1人でのピアノソロから、まさかの絵の具。後のMCで語られるがこのハネダさん1人で登場のくだりについては、田淵が考案したとのこと。
ゲスト1番手はパスピエ。ユニゾンの3人も登場し、続けてharmonized finaleのイントロが奏でられると、舞洲で聴いたことを思い出し鳥肌が立った。
最初は斎藤くんが歌い始める。約1ヶ月振りの生ユニゾンに興奮。しかも箱で観るのはかなり久しぶりだ。その後、大胡田なつきさんも登場し、歌う。トリビュート以外のユニゾンの曲も演ってくれるとは思わず。1曲目から意外過ぎる展開に、このライブ、この後どうなってしまうのかと考えてしまった。harmonized finaleが終わると、ギターの三澤勝洸さんも登場。そしてトリビュートの場違いハミングバードが披露される。この曲はトリビュートの中でもかなり上位で好きなアレンジだった。会場も、一気に盛り上がる。場違いハミングバードはまだライブで聴いたことがなかったのだが、何となくいつもとちょっと違うフロアのノリを感じて楽しかった。
そして最後にパスピエの曲まで!S.Sという曲らしい。なんと斎藤くんがハンドマイクで歌っていた。新鮮。こんなレアな体験まで出来るなんて思わず。目の前で(って言う程でもないが)ハンドマイクの斎藤くんを観れただけでも相当の価値があるライブだったように思う。3曲だけだったが、最初から内容の濃過ぎるライブに圧倒された。パスピエは凄かった。そしてステージ上のなつきさんの煽りが綺麗で美しくて見惚れたのは言うまでもない。
前のゲストが捌けた後、次のゲストがコールされるまでの時間もユニゾン3人によるゆるいセッションがあり、間をうまく繋いでいた。こういう所も素晴らしい。
ゲスト2番手、a flood of circle佐々木亮介が登場。まずフラッドの持ち曲、シーガルから。ユニゾンにはない曲調の歌を斎藤くんが歌うのが新鮮だ。ゲスト曲はちょっとだが斎藤くんも歌うらしい。
続いて佐々木がやりたいと言ったというWINDOW開ける。これがまたロック全開で佐々木にぴったりだった。斎藤くんはひたすらギターに徹していた。ギターソロなど、掻き鳴らす姿がひたすらカッコ良くて目が離せなかった。
ゲストは斎藤くんとのお喋りタイムもあった(あまり覚えていないけど、小学校が一緒、とは言っていた)。そして佐々木によるユニゾンメンバー紹介を織り交ぜながら(田淵のことはTBCと言っていた)、最後はフルカラープログラム。ラスサビの“涙キラキラ〜”はマイクをフロアに向け、オーディエンスに歌わせる。普段のユニゾンのライブでは見られない光景だ。“完全無欠のロックンロールを”は佐々木自ら歌う。佐々木は途中客席に降りていた。客の上で、ふらふらと不安定だったが。ちょっと定かではないけど歌詞を新木場に変えていた部分があったような気がする。歌い終わった後に「やっぱり良い曲だな〜」と言っていた。カッコ良かったし、佐々木はいいやつだと改めて思った。
ゲスト3番手、THE BACK HORNからまず山田将司。始まったのが、まさかのBUSTER DICE MISERY。意外な選曲に驚いたが、これがめちゃくちゃカッコ良かった。将司の声が合っている。そして何より楽しかった。
曲が終わりギターの菅波栄純も呼ばれ、少し斎藤くんのMC。「僕ら、高校1年生の時にバンドを結成して、その時バクホンをカバーしてたんですよ〜」と言ったような話も聞けた。そして(次にやる)この曲が出た時のBACK HORNのイベントで、タワレコ地下の会場の最前でユニゾン3人でライブを見ていた、という話から、バクホンの涙がこぼれたら。とても良い曲。斎藤くんももちろん途中歌っていたのだが、やはり貴雄が何だか嬉しそうで、凄くイキイキとした顔をしてドラムを叩いてたのが印象的だった。
そしてラストはシャンデリア・ワルツ。ギターソロでは栄純が前に出てきて斎藤くんも一緒に前に出てきてギターを弾き、とても楽しそうな場面も。ちなみに栄純はグッズのネイビーのTシャツを着ていた。MCではそのTシャツの話もあった気がする。バクホンが先輩バンドだからか、ちゃんと2人の紹介をする時に“さん付け”をする斎藤くんに育ちの良さを感じた。
ゲスト4番手、the pillowsから山中さわおさん。佐々木に酒を飲まされたとかなんとか言いながら登場。斎藤くんに向かって「相変わらずかわいいな!」と声を掛け、斎藤くんニコニコ。まずはpillowsの名曲、RUNNERS HIGH。本家を聴けるとは思ってもみなかった。フロアの盛り上がりも凄い。そして続くユニゾンの曲は…。
さわおさん曰く、田淵からもう1曲提案されたのはミドルテンポの曲だったらしく、理由を田淵に聞くと、「さわおさん、速い曲苦手かと思って…」と言われたようで、会場は爆笑。さわおさん「俺はおじさんだけどまだおじいさんじゃない!」と言って中野のビッグエコーで練習したという曲を次に披露。ちなみに、カラオケの履歴はユニゾンだらけになったらしい。その曲がまさかのCheap Cheap Endroll!さわおさん、凄い!と思った。さわおさんの盛り上げ方、ステージ上の存在感、全てがフロアの興奮に繋がっていたと思う。
ラストはシューゲイザースピーカー。この曲のアレンジもとても好きだ。しかしさわおさん、Cheap Cheapで頑張りすぎたのか、ちょっと後半バテていたようにも感じられた。それでもさわおさんが歌う姿はとてもカッコ良かったし、さわおさんが田淵の話をしている時の田淵の何とも言えない表情が見れたのがとても良かった。
ゲスト5番手、東京スカパラダイスオーケストラ。ステージ上には貴雄が残り、スカパラの欣ちゃんが登場し、2人でのドラムソロから。貴雄↔︎欣ちゃんでドラムを叩いているのだが、途中リズムに合わせて「欣ちゃん!欣ちゃん!」「貴雄!貴雄!」とお互い言い合っていて、この掛け合いは一生見てられると思うくらい多幸感に溢れていた。そしてメンバーがステージ上に揃い、スカパラのParadise Has No Border!この曲の時、スカパラのメンバーは上手〜下手と移動するのだが、もれなく斎藤くんと田淵も一緒に移動し、スカパラのメンバーと一緒に決めていたのが凄く良かった。そして田淵のベースソロもしっかりと組み込まれていたのが粋だった。そして最後斎藤くんと田淵がセンターに来た時、まさかの貴雄がスネアを持って前に出て来て2人の間に入り、スネアを手で叩いていた。欣ちゃんがいるからこそ出来たことだ。3人が揃って前に出て来て演奏をしている、こんな贅沢なシーンは二度と見れないかもしれない、と思った。貴雄が凄く楽しそうで嬉しかった。
続いてスカパラの曲でユニゾンがカバーした曲、愛があるかい?。これは嬉しい選曲。更に白と黒のモントゥーノを曲中にサラッと差し込んでくるのも最高だった。スカパラの粋な計らいが随所に感じられて、素晴らしかった。さすが、スカパラ全員がこのライブのために揃うだけあるなと。
ラストの桜のあとも多幸感たっぷりで、ユニゾン、スカパラ、それぞれが笑顔で向かい合い、楽しそうに音を鳴らしてる姿が見ていてとても幸せだった。
そして28日のゲスト、ラストはLiSA!まさかのオトノバ中間試験からで驚く。最初から楽し過ぎ、最高だった。何よりもLiSAちゃんの煽り、客席の盛り上げ方が本当に上手い。こちらも自然と楽しくなる。“斎藤に任せといて”の所は“ユニゾンに任せといて!”と替えていた。流石過ぎる。MCでは田淵の話に…。
斎藤くんがMCで「このライブでやる曲の中で1曲凄く難しい曲があると思ったら、作詞作曲田淵智也で」という話をしていたのたが、LiSAちゃんが「田淵先輩の作る曲は息継ぎが出来ない、難しい」とちょっと愚痴っぽく言いながら斎藤くんの方に寄っていく。すると「斎ちゃんあんまり文句言わないもんね」と斎藤くん。自ら斎ちゃんと。それを聞いた田淵、よっしゃ!とガッツポーズをしていた。
LiSAちゃんが「これが聴きたかったよね?」と言い、始まったのが持ち曲のRising Hope。初めて聴いたのだがとてもカッコ良い曲だった。斎藤くんも歌っていたのだが、サラリと高いキーを出してしまう所は本当に凄い。
本編ラストに当たる曲、オリオンをなぞるはひたすら感動した。この曲をカバーするいきさつを聞いていたので、余計にグッときてしまう。LiSAちゃんは田淵に近付いていく時もあったが、この曲では斎藤くんに近寄り、マイクを斎藤くんの口元に向け、2人で1つのマイクで歌おうとしたがマイクを向けられた瞬間、一瞬怯む斎藤くんがいた。そして、ちょっと距離を保ちつつ2人で歌っていた。ガツガツいかない所が、斎藤くんらしい。
舞洲では無かったアンコール。このライブではあるのか、と思ったがメンバー再び登場。斎藤くんが、アンコールで呼ばれたら出てこなくちゃ…と。MCでは(次の曲)間違っちゃうかも?などと言っていた。そして1曲だけ最後に披露されたのが、プログラムcontinued(15th style)。15周年の曲をここでやることが凄く嬉しかったし、最後に3人が演奏する姿を観れて良かった。
斎藤くんが最後捌ける前に「ユニゾンスクエアガーデンやってきて良かったと今日だけで8兆回思いました!今日がお誕生日のユニゾンスクエアガーデンでした!」と言い、捌けていった。
今までに観たことがない、贅沢なトリビュートライブは、ユニゾンらしさが全開に出たライブだった。
カバーしてもらった曲の演奏を敢えて自分達で行い、ゲストに歌ってもらうなどかつて他のバンドがやったことがあるだろうか。
2日間のライブのためだけにそれをやってのけてしまうなんて本当に、すげぇバンドだなぁ。
2019.08.28 新木場 STUDIO COAST
セットリスト
ピアノソロ〜絵の具(Piano:成田ハネダ/パスピエ)
1.harmonized finale
2.場違いハミングバード
3.S.S(パスピエ)
ゲスト:成田ハネダ(1.2.3)、大胡田なつき(1.2.3)、三澤勝洸(2.3)/パスピエ
4.シーガル(a flood of circle)
5.WINDOW開ける
6.フルカラープログラム
ゲスト:佐々木亮介/a flood of circle
7.BUSTER DICE MISERY
8.涙がこぼれたら(THE BACK HORN)
9.シャンデリア・ワルツ
ゲスト:山田将司(7.8.9)、菅波栄純(8.9)/THE BACK HORN
10.RUNNERS HIGH(the pillows)
11.Cheap Cheap Endroll
12.シューゲイザースピーカー
ゲスト:山中さわお/the pillows
ドラムソロ(w.茂木欣一/東京スカパラダイスオーケストラ)
13.Paradise Has No Border(東京スカパラダイスオーケストラ)
14.愛があるかい?(東京スカパラダイスオーケストラ)
15.桜のあと(all quartets lead to the?)
ゲスト:東京スカパラダイスオーケストラ
16.オトノバ中間試験
17.Rising Hope(LiSA)
18.オリオンをなぞる
ゲスト:LiSA
En.
19.プログラムcontinued(15th style)