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2020年8月22日 USG 2020“LIVE (in the) HOUSE 2”

UNISON SQUARE GARDENの2回目の生配信ライブは、前回のライブの時に行ったファン投票のランキング、31位〜70位までの中の楽曲からセットリストを決めるというものだった。

今回は前回とは違いランキングが発表されず、田淵のブログでヒントが出されたり、ぴあのインタビューでネタバレがあったりしてもしかしたらあの曲をやるかもしれない?という新しいワクワクがあった。

前回とはきっと違う配信ライブになるだろう。そしてセットリストも今までに聴いたことのないようなライブになる予感がしていたし、とにかく楽しみにしていた。そんな2020年8月22日(土)のライブの感想を、今回はちゃんと書いておきたいと思う。


当日。
ライブの1時間前に入場を済ませ、前回同様20時までのカウントダウンを見ながら開演を待つ。


20:00。
SEの絵の具が流れ、“LIVE (in the) HOUSE 2”のロゴと家のイラストが映し出される。
前回とは違いバックヤードの様子は流れない。斎藤くんが足元のスイッチを押し始まったのは、マスターボリュームであった。
そう、私が投票した今1番聴きたい曲からライブが始まったのだ。
大興奮だった。興奮し過ぎて気付くのが少し遅れたがこの映し方とメンバーの立ち位置に既視感を覚えた。そう、マスターボリュームのMVである。ずっと1つのカメラでメンバーを追っている様子はMVそのものであった。そのことに気付いてからは更に鳥肌が立つ。これは配信だから出来ることだ。1曲目からそんな魅せ方、さすがUNISON SQUARE GARDENである。そしてめちゃくちゃ、カッコいい。
マスターボリュームは彼らのラジオ「機材車ラジオ」内の人気コーナー、「オーディオコメンタリー」で珍しく2回MVが流れた曲である。久しぶりにMVを見てもしかしたら何か閃いていたのかもしれない、なんて想像もしてしまう。

そして2曲目、MIDNIGHT JUNGLEへ続く。少しカメラが離れると向かい合った彼らの立ち位置がかなり近いことがわかる。イントロが少し長めで、斎藤くんが“JUNGLE"と叫ぶ姿は、やはりカッコいい。万全の状態では無さそうだが、高い声も出ている。

3曲目、fake town baby。カッコ良いナンバーが続く。田淵も少しずつ動き始める。まるでCDを再生しているかのように完璧な演奏と歌。この曲のラスト、“さあ勝算万全、お待たせ”からの
「UNISON SQUARE GARDENです!」
これには痺れた。

斎藤くんが「今日もMCなし!」と言い放った後、少しギターに触れてから始まったのはフライデイノベルスだった。私たちがライブを待っている時間は辛くない、そんな気持ちを代弁しているような曲。そしてブレイクの間に少しメンバー間の距離が離れたようだ。この曲もかなりキーが高い部分があるが、斎藤くんの高い声はとても綺麗に出ていた。田淵と貴雄のコーラスもとても綺麗に響いていて、この2人のコーラスはやはり良いなと改めて思ったり。

続いてライトフライト。照明が爽やか。そして3人の表情はとても楽しそうだ。インディーズ時代の曲を何となく懐かしみながら、お互いの顔を向き合わせて演奏しているように見えた。とても穏やかで柔らかい表情を見せる彼らから目が離せない。

そこから間髪入れずサンポサキマイライフへ。この繋ぎが最高だ。ハイ!と部屋で叫んでしまう。とても楽しくてカッコいい曲。いつもの立ち位置だと見えない、向き合ってることで見えてくるものがあるのは観ている私たちだけでなくメンバーも一緒なんだな、と思う。斎藤くんのこめかみ付近の髪が風で外側にはねているように揺れている。田淵はいつだって自由気ままに動き回る。貴雄はまた髪を切ったのだろうか。個人的に長めが好きだが、今の髪型もさっぱりしていてカッコいい。

「Lady's and gentleman! Boys and girls!
Get ready? In the house! Like coffee!!」
このコールをいつか生で、ライブで聴きたい。そんなことを思ったlike coffeeのおまじない。田淵のカメラ目線が見れたり、斎藤くんへ近付いていってまるで笑わせにいっているよう。この立ち位置だと斎藤くんも田淵をついつい目で追ってしまうようだ。ギターソロでは少し田淵の方へ動いたりしていたが、その時には田淵は興味を示さず。そんな2人の様子が、面白い。

そのまま23:25へ。映し出された時計も23:25。実際は違うが粋な計らいである。照明も真っ直ぐ落ちていたり、また爽やかな水色が曲にとても合っている。斎藤くんはギターソロでカメラの前へ。去り際にふと見せた笑顔がとても良かった。そして特に“現実なんてこんなもんか!”と強く歌う姿が印象的だった。最後は田淵が斎藤くんに近付いていき、斎藤くんは後退りして最終的に貴雄の前に集まる。最後は貴雄も立ち上がりドラムを叩く。その3人の姿を見てぐっときた。23:25、この曲も長くライブで肝の部分を担ってきたと思う。それが証明されたような瞬間だった。

斎藤くんがアコギを持つ。斎藤くんと田淵も椅子に座り、ここからアコースティックセットになるようだ。田淵の持つベースはいつもの赤のSagoではなく以前使用していたFenderのベースのようだ。次の曲へ繋げるセッションは、斎藤くんがアコギをコツコツと鳴らしたり、ベースの音がとにかく優しい。貴雄もスティックを変えている。
沢山のキャンドルに囲まれた、幻想的な空間でまず披露されたのはぼくたちのしっぱいだった。なんて素敵なんだろう。とても優しい言葉が並ぶこの曲を贅沢にもアコースティックで聴けるなんて。

さらに驚いたのが次に演奏された、チャイルドフッド・スーパーノヴァだ。この曲がアコースティック?と思ったが、ギターがアコギに変わることでポップさが増してかわいらしい雰囲気になっていた。貴雄はまるで職人のように丁寧にドラムを叩いている。斎藤くんが歌やアコギで色々と遊んでいるのが見ていて楽しい。私が1票を入れるか最後まで悩んだ曲の1つだが、まさか聴けるとは思わなかったのでとても嬉しかった。斎藤くんはギターソロからホイッスルを咥え、そして吹く姿を見れて良かった。

斎藤くんがギターを持ち替え始まったのが未完成デイジーだった。機材車ラジオのエンディング曲としてお馴染みだが、ネタバレのお陰で必ず聴けることがわかってしまった曲のひとつだ。そして斎藤くんが持ったギター、初めて見るギターだった。ギブソンのセミアコ、ES-335に似ているが私はギターはそこまで詳しくないので実際のところ謎である。このギターの音がまた良い。とても優しいこの曲によく合っている。最後のサビの部分、3人で歌うシーンがとても良かった。

ここで、ひとつ残っていたロウソクを吹き消す斎藤くん。この演出、素晴らしい。
そしてそれを合図にしたようにすぐ始まる貴雄のドラムソロ。気付けば周りを囲っていた黒い幕が無くなっている。貴雄の後ろにはステージがあり、メンバーはライブハウスのフロア側で演奏していたようだ。
貴雄のドラムソロはいつもより短いようだったが、アコースティックから次の曲へ繋がるように優しい雰囲気からどんどん激しくなっていく。そしてセッションへ繋がるのだが、このセッションが最高にカッコ良かった。特にベースのメロディーが好きだった。これは間違いなく歴史に残るカッコ良いセッションのひとつになるだろうし、どこかで是非また聴きたい。

セッションから繋がった曲がマイノリティ・リポート(darling,I love you)で思わず叫んでしまった。この曲も1票を入れるか最後まで悩んだ曲だったからだ。そしてぴあのインタビューで田淵が語っていた「すごくかっこいい曲」は何となくマイノリティではないか、と思っていた。セッションから繋がる1番良い位置に置かれ、珍しくサビで斎藤くんが歌詞を間違え田淵とのコーラスがずれるハプニングもあったが、それを含めても最高にカッコ良かった。とにかく聴けて嬉しかった。

続けて何かが変わりそう。田淵が動き出す。改めて聴くと歌詞がとても響く、良い曲だ。アルバム「Catcher In The Spy」からは1曲セットリストに組み込んだと田淵がブログに書いていたのだが、その1曲が何かが変わりそうだった。私は演るなら天国と地獄だろうか、と思っていた。やはり予想を裏切ってくる所が大好きだ。
“何かが変わりそうな夜だ”
“「一人だけど 独りじゃない」”
そう、前回のライブでもそうだったのだがどうしても選ばれた曲の歌詞が今とても心に響く。セトリおじさん、田淵智也は本当に凄い。

貴雄の1.2!コールから始まった10% roll, 10% romance。くるくる回る照明、この曲らしくて大好きだ。Aメロが始まった辺りで歌いながら笑ってしまう斎藤くん。笑顔が本当に可愛いのだが、どうやら田淵に何かあったようだ。そして珍しく田淵がカメラに向かってサービスするシーンも。こういうの、配信ではもっとやって欲しい。

一気にブルー系の爽やかな照明に変わり始まったCatch up, latencyでは、イントロのギターを少しミスってしまい、やっちまったと苦い顔をする斎藤くんの姿が見れた。“応答せよ”で田淵がちょこっと指差ししている姿が映る。この曲も早口でキーが高く、斎藤くんの声がちょっと辛そうだな、と思ったが田淵がしゃがんでベースを弾いていたり、めちゃくちゃ笑顔を見せてくれたり、不安な気持ちをすぐに吹き飛ばしてくれた。

貴雄の1.2.3.4!から始まったcrazy birthday。メンバーも楽しそうなのがこちらにも伝わってくる。“よくなくなくない?”の歌い方が何とも可愛らしい。そしてせーの、で叫ぶ“バカ!”が気持ち良い。ギターソロでは気付けば斎藤くんの足元に田淵。そして何故かおもむろに斎藤くんのマイク位置を動かし始め、ギターに夢中になっていた斎藤くんがそれに気付き一瞬驚く姿も。そして、斎藤くんと向かい合わせで立つ田淵。もう既にカオスな状態だが“ノーモアhappy birthday”と斎藤くんが歌い始めると、田淵も走って自分の定位置へ。マイクを口で動かしたり、頭をぶつけまくったり。どこかで見たようなシーンだが、田淵はまた寝そべってベースを弾いて、コーラスを始める。その姿に笑ってしまい歌えなくなる斎藤くん。笑わないで、頑張って!斎藤くん!と応援しつつ、私自身も笑いが止まらなかった。最後の“全然笑えるぞ!”ではお互いを見て、田淵は斎藤くんを指差す。

田淵が斎藤くんのマイクを動かし、いつもの立ち位置に戻ったUNISON SQUARE GARDEN。ラストの曲が、オーケストラを観にいこうだった。MODE MOOD MODEのツアーと同じ、あのオーケストラのイントロから始まった。
さっきまでのカオスな雰囲気とはガラッと変わり、3人がこちらを向いているその姿にいつものライブを思い出し、涙腺が緩む。田淵はとても優しい笑顔でコーラスをしているし、斎藤くんも柔らかい表情でカメラ目線で歌っていたり。貴雄は気付いたときには上着を脱いでいて、ミミガヒーTシャツ(白)の姿になっている。3人それぞれがやり切ったというとても幸せそうな顔をしていて、見ていて心がじんわり温かくなるラストだった。

最後、画面が暗くなりそこで「fun time HOLIDAY ONLINE」が9月19日(土)に行われることが発表された。また来月も楽しいことがある。本当に、次の楽しみをすぐに提示してくれるUNISON SQUARE GARDEN、大好きだ。

おまけ!と斎藤くんが言い、始まったのはPhantom Jokeだった。おまけ!と言った時の斎藤くんの顔がとても真剣だった。もしかしたら、前回のリベンジ、という想いも込められているのかもしれないが真相はわからない。
だがライブで披露した回数も少なく、まだ歌い慣れていないのかもしれない。高い声が出しづらそうなのはすぐにわかる。Phantom Jokeと同じくらいキーが高く早口の曲は他にも沢山あるのだが、ライブでこなしている数が格段に違う。ましてやライブの後半も後半、ラストである。そして、単純に難し過ぎる、この曲。それでもやる!と決めたのだろう。その心意気が、素晴らしい。

もしかしたら、今回もリベンジは果たせなかったかもしれない。でも斎藤宏介なら、また必ずやってくれると信じている。
曲が終わり、本当にMC無しでスパっと2回目の生配信ライブは終わった。時計は21:30。

今回の会場は代官山UNITだったらしい。


私はUNISON SQUARE GARDENを15周年から見てきて、彼らがバッチバチに仲が悪いバンドだということも知っている。
バッチバチに仲が悪いのに、彼らのライブは本当に最高だ。
3人で向かい合って楽しそうにしている姿はもちろん、ひたすらカッコいい所を沢山見せてくれたり、昔からやってる曲を懐かしそうに演奏したり、まずは自分たちが何よりもライブを楽しんでいるのを見せてくれて、最後は3人が画面…その先にいる私たちの方を向いて最高の笑顔を見せてくれた。

思い返せば、今回のライブも私たちを飽きさせない演出がたくさんあった。


本編最後に演奏された、オーケストラを観にいこうの歌詞。
“ああ 気持ちは膨れるばかりさ そんな今日は、一体第何楽章?”

ああ、ユニゾンへの気持ちは膨れるばかりさ。ノンストップでクレッシェンドで、なんてね。

2020.08.22
「USG 2020 “LIVE (in the) HOUSE 2”」
セットリスト

SE.絵の具
1.マスターボリューム [1st/sg]
2.MIDNIGHT JUNGLE [7th]
3.fake town baby [7th/sg]
4.フライデイノベルス [6th]
5.ライトフライト [Indies 1st]
6.サンポサキマイライフ [1st]
7.like coffeeのおまじない [4th]
8.23:25 [2nd]

-Acoustic-
9.ぼくたちのしっぱい [c/w]
10.チャイルドフッド・スーパーノヴァ [2nd]
11.未完成デイジー [3rd]

12.ドラムソロ〜セッション
13.マイノリティ・リポート(darling, I love you) [6th]
14.何かが変わりそう [5th]
15.10% roll, 10% romance [7th/sg]
16.Catch up, latency [sg]
17.crazy birthday [4th]
18.オーケストラを観にいこう [7th]

おまけ
19.Phantom Joke [sg]

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塩パン
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