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傍若のカリスマとブルーロック、and going!


結成20周年にして20枚目のシングル「傍若のカリスマ」を発売したUNISON SQUARE GARDEN。

ブルーロック第2期「ブルーロック VS. U-20 JAPAN」のオープニングテーマである。

ユニゾンと言えば、ブルーロック1期前半のオープニングテーマ「カオスが極まる」、そして第2クールエンディングテーマ「Numbness like a ginger」でアニメのブルーロックを音楽から盛り上げてきた。

2023年1月22日、第15話のエンディングで「Numbness like a ginger」が予告もなく突然流れ驚いたのが懐かしい。
※ちなみに第2クールは14話からでオープニングテーマがこの回で変わっているがエンディングテーマは流れていない。第15話エンディングで突然の「Numbness like a ginger」初披露、そしてその直後9thアルバム「Ninth Peel」発売の発表があった。アニメを巻き込んでのサプライズな発表。幕張で行われていた「LIVE HOLIC ROCK BAND DREAM」から帰宅してのことだった。今振り返っても凄いドラマチックだ。

個人的にあまりにもカオスが極まるが好きなので、それを超えてくる主題歌になるとはまず思えなかった。

ラジオで初OAされた時もワクワクしながら聴いたものの、すぐに良い!とはならずそれ以上聴かなかった。

ちょうど発売日の前日から宇都宮へ行っていたのでフラゲは出来ず、発売日にサブスクで聴いた。
仙台に向かう車内で、ずっと流していた。

一聴で良い!とはならなかったのに、聴いているうちに湧き上がってくる、この曲好きだ!と言う気持ち。
気付けば自然と脳内に流れるほど、大好きになっていた。やはりユニゾンの曲は遺伝子レベルで好きなのだ。


そして迎えたブルーロック2期の放送日。
傍若のカリスマがどのようにオープニングに使われているのか。ドキドキしながらその時を待った。

カッコいい。
凄く、カッコいい。

そして改めて傍若のカリスマとブルーロックの関係性について少し考えてみたくなった。
ユニゾンはこれまでも色々なアニメの主題歌を提供しているが、アニメまでハマったことは数少ない。その中でもブルーロックはかなりハマった方だ。

それでも漫画は読んでいないし、私が見ているのはアニメ(と映画)だけ。ガチなファンではないけれど、ブルーロックは面白い。
そんなブルーロックにわかファンの私がこんなことを語るのは少しおこがましい気もするが、傍若のカリスマを聴くたびになぜか書きたい気持ちが溢れてくるので書いてみることにした。
(本当ににわかが書いているので多少違う部分はお許し下さい)


まず、ブルーロックの第1期を振り返る。
オープニングテーマに「カオスが極まる」が使われると言うことで何もストーリーを知らないままアニメを見た。サッカー漫画であることしか知らない状態。
オープニングはアニメの映像とカオスが極まるがめちゃくちゃに合っている。
そして、肝心のアニメについて。

カオスだ…。
ストーリーがカオス過ぎる。
第1話からカオスが極まる内容だったけれど、その先もアニメを見続けて気付く、納得のカオスが極まるという曲との相性。サッカーアニメに相応しい疾走感溢れつつ不穏な空気も取り込んだロックチューン。そこに歌詞とアニメのストーリーが上手くリンクしている感じ。
まさに、「超、気持ちいい」
そして、「やばすぎんだろ」
さすが田淵智也である。
この曲以上にブルーロックをなぞった楽曲はない、断言する。


そして第2クールエンディングテーマの「Numbness like a ginger」。ミドルテンポの優しい曲調に登場人物の心情にリンクしているような歌詞。
アニメも中盤に差し掛かり、二次セレクションで選ぶか選ばれるか、残るか落とされるか、というようなゲームの中で悩む登場人物の気持ちに寄り添うようなそんな曲だった。


そしてブルーロック2期のスタート、第25話。傍若のカリスマがアニメのオープニングをどのように彩っているのか。ドキドキしながらリアルタイムで見た。

その前に、「傍若のカリスマ」とは誰なのかずっと気になっていた。最初はブルーロックの中で現段階で最も強い、糸師凛のことなのかと思った。
でもまだわからない。やはり主人公の潔世一なのかもしれない。
アニメ25話を見て、こいつが傍若のカリスマなのでは?と思われるキャラクターが何人も出てきた。

ちなみに傍若とは、普通は単体では使われない。四字熟語、傍若無人の一部。
傍若無人•••人前をはばからず、勝手に振る舞うさま。他人を無視して、勝手で無遠慮な言動をする様子。(goo辞書より)

傍若無人の意味から、潔は傍若のカリスマではないと思っていた。潔はここまで割と仲間思いな部分を見せることが多く、仲間をリスペクトしその武器を更に引き出してどちらかと言えば協力してゴールに繋げていくそんな存在だと思っていたからだ。

そんなオープニング、1期は疾走感のある絵がよりヤバさを感じさせるカオスが極まると合っていた気がするけれど、2期の傍若のカリスマの映像もとても良い。曲と映像の合わせ方が本当に上手いし綺麗。
1期の頃より成長したキャラクターの心情がそのまま曲や歌詞にも表れている。それがメロディアスな曲調とサビの伸びやかな斎藤くんの歌声からも感じる。
1番丸々使ってくれるところが最高。


そんな傍若のカリスマのイントロ。
アニメのオープニングに相応しく短めの耳に残りやすいギターのフレーズが印象的だし、好き。そのギターの音がちょっとノスタルジックな感じなのもいい。

ここからは歌詞(太字)を少し交えていく。

1番。
カオスが極まると同じで英語から始まるのが何だか良いな、と思うポイントのひとつ。

Hey guys, what's up?
まるでブルーロック総指揮の絵心甚八が「やあやあ」とまず声をかけるような始まり。

一触即発を一蹴即発のエクスタシーと言い換えるセンス。さすがサッカーアニメの主題歌。

そうかじゃあもう命は終わりか?(1番)
デスバレーさながら命を賭し(デスバレー=死の谷)(2番)
どうして無駄な血が流れる?(2番)

この辺りの歌詞を見るとどんなアニメだよ…と思ってしまうが、ブルーロックのキャラクター達はサッカーに命を懸けている。この試合に負けたらもう自分のサッカー人生は終わってしまうのだ。
それくらい厳しい戦いの中にいて、彼らは選手生命を懸けているということ。

もういいよって道化が嗤い出す
そうかじゃあもう命は終わりか?
この裏のギターが最高に好き。これ1番でしか聴けない。もったいない。

そしてこの曲の中で1番ブルーロック味があるワード。

…and going!
=エゴい。
そう聴こえるけれど直接エゴいという言葉を使わない田淵のテクニック。初めて歌詞を見ずに聴いた時、エゴいと聴こえるように歌っているけれどちょっと違う。何という言葉なんだろうと思ったけれどまさかのand going!こういう仕掛けを入れてくるのが田淵らしい。

今ちょうどいいとこなんだから
邪魔すんじゃねえよ
この部分の前に来る歌詞が物語っている。

心眼に満ちた独断で ダルい偏見はもう塵と化す(1番)
遠慮を促す抑圧が この世界を更にダメにする(2番)
間違いなく、ちょうどいい所で邪魔してくる誰かがいる。多分目の前の敵ではない誰か。これが後の歌詞にも繋がってくる。

ブルーロックオープニングの「ちょうどいいとこ」で映像に傍若のカリスマのクレジットがどーんと大きく出るのが最高。考えた人天才。


そしてサビ。
激しく鳴ってる 心臓に沿っていく

あてのないルートを 選び出しながら
心臓に沿う、と言うワードセンスの強さ。高鳴る方へ、ということだろうか。
ブルーロックの中では潔の高い空間認識能力からどうやってゴールを決めるか、と一瞬の間に選択をする光景がよくある。その絵がぱっと思い浮かんだ。

誰かが見落していたドラマの穴 鮮やかに
そしてこの歌詞に繋がるのがとても美しい。個人的に1番好きな部分。「鮮やかに」の歌声の鮮やかさ、大好き。
潔が一瞬のうちに探し出すパズルのピースがその穴に当て嵌まる瞬間のような高揚感がある。

どこまでものめり込め お前が挑んだゲームだ
炎が猛るような 眼差しがチケットだ
登場人物の気持ちを更に勢い付けるような歌詞にハッとする。ブルーロックの登場人物はスイッチが入った瞬間から目に炎を宿らせる。その眼差しこそが挑んだゲームのチケット、と表現する田淵の歌詞…凄すぎる。

生ぬるくて安い同情にはもう飽き飽きしてんだ
この歌詞は完全に登場人物の気持ちに沿っている。この部分のメロディーがとても好き。後ろで鳴っているギターとベースラインも最高にときめくポイント。

常識のその向こうまで 傍若のカリスマ
何て言うかブルーロックがもう常識外れなんだけど、多分この先も常識外れな展開が待っているのだと思う。「傍若のカリスマ」と名指しで歌詞に入ることで期待されているような空気が良い。
この「カリスマ」でのロングトーンは突き抜けていく感じ。

1サビが終わって「フンッ!」と吐き捨てるような斎藤くんの声。こういうのが物好きとしては堪らないところ。

イントロもそうだけれど間奏でもギターの音色を使い分けている。

2番。
カオスを極める敵はどこだ?陸海空?

それとも自分の中か?
2番の初めからカオスが極まるを思い出させる歌詞が入るので物好きは嬉しい。そしてこの傍若のカリスマの帯の言葉「敵はどこだ?」に繋がるのも熱い。
その敵が陸海空(自分の周り)だけでなく自分の中か?と問い掛けるところ。敵は自分の中にいるかもしれないというのが、この曲の中でも重要な部分になっていると思う。
そうでなければ、帯の言葉にはしないはずだ。

1番と2番で君子と孫子が出てくるのが興味深い。
君子危うきに近寄らず(=自分から危ない場所には近づかず、行動に気をつけるという意味らしい)という古代中国のことわざがあるが、それに近い。
君子危うくて接近戦(1番)
君子とはつまり徳のある人物、その人物が危ういので逆に接近して戦うということなのか?面白い。

孫子は中国春秋時代の兵法書。
孫子崩れ去る現代戦(2番)
現代では孫子に書かれている兵法は通用しない、その兵法がどんなものかは知らないけどこれまでのサッカー界にはないプロジェクト、ブルーロックというチームの新たな戦い方でこれまでのサッカーの常識を崩そうとしているのはわかる。
このような対になりそうでならないワードを散りばめてくるのが凄い。

残ったやつを希望と呼べ
これはもう思い出すのがパンドラの箱。箱を開けたことで不幸や災いが飛び出し、残ったものが希望だったと言うギリシャ神話。
残る人物は誰になるのか、気になるところだ。
※カオスが極まるでも「アリアドネの糸」と言うギリシャ神話に出てくるワードが出てくるので、田淵が意図したかどうかはわからないけれど非常に興味深い部分ではある。

2番Bメロのどうしてで急にマーメイドスキャンダラス(ユニゾン8thアルバムPatrick Vegeeに収録)がよぎる。何回聴いても思い出してしまう。


再びサビ。
青に染まってく答えをずっと待ってる

世界を変えるのさ これが最終定理だ
もうこれは登場人物が更にブルーロックに染まっているということで間違いないと思う。ブルーロックVS. U-20 JAPANとの戦いの先に答えが見えるのだろうか。
世界と戦っている日本代表とブルーロックが戦うことでこれまでの世界を変えようとしている。

わかんないならいっそ弾いてくれ わかんないままでいいさ
弾いてくれ?!弾いてくれという言葉が出てくるのが単純に凄い。なかなかに強い言葉だけれど、このフレーズがなんだかグサッと刺さるのは私だけだろうか。

局所的正義で悪いかよ 反逆を続けろ
局所的正義とはつまりブルーロック。ブルーロックで育ったストライカー達はここに来なければ見えてこなかった自分の武器やエゴがあるはずだ。彼らはその正義を信じて世界に対して反逆を続ける。
「続けろ」のロングトーンも徐々に上がっていく感じが美しい。

息が詰まるほど連なる選択よ、美しくあれ
この歌詞も潔が一瞬の内に選択している絵が浮かぶ。ここで田淵と貴雄2人だけの歌が入るのが熱い。

描けたなら証になるだろうイメージしろ
誰も追いつけはしない
美しい選択が証になる…。どうゴールを決めるか脳内でいつもイメージしている潔がやはり傍若のカリスマなのだろうか。
この部分は田淵と貴雄の歌に被さるように斎藤くんの歌が入るのが最高。更に熱い展開。

そこからベースソロ。その途中からドラムが歌い叫ぶように強くなる。更にギターソロはキレの良い音で、カッコいい。
そしてユニゾンが得意とするドラムを中心としたキメが続く間奏のカッコよさ。堪らない。
貴雄が言っていたがドラムの手数の多さがあちこちで凄いことになっている。特に後半、ストリングスの裏のドラムはかなり激しいことになっていそう。
でもこの曲は全体的にベースがめちゃくちゃカッコいい。気付けばベースを耳で追ってしまう。

そしてラスサビの「鮮やかに」の後開けたように入るストリングス。まるで成長を続ける主人公を鼓舞するように曲に乗ってくるのが鳥肌。
何て言うか、この曲は聴けば聴くほど美しい。

アウトロは最後まで駆け抜けるよう。
ストリングスが最後まで迫ってくる感じがゴールの直前のようでドキドキする。

ちなみに邪魔すんじゃねえよは、1番は斎藤くんだけ、2番では田淵のコーラスが入り、最後はリズムとピッチが変わる。

あぁ、良い曲だ。今日までにもう50回は余裕で超えるくらいずっと聴き続けている。


田淵はまず、アニメの内容を十分に把握している上で曲を作っているはずだ。2期がどんな内容で展開していくのかはわからないけれど、この歌詞の中にヒントがあるのかもしれない。それに気付いていくのも楽しい。

傍若のカリスマとは誰のことなのか。もしかしたら潔がこれからどんどん己のエゴを出していって、傍若無人振りを見せるようになるのかもしれない。
もしかしたらブルーロックの誰しもが傍若のカリスマになり得るのかもしれないけれど。やはりカリスマと呼ばれる存在は唯一無二、誰か1人のことを指すのだと思う。

傍若無人だけど、カリスマなのだ。
只の「傍若無人」でないところがキーになってくる。

それが誰なのか。
アニメの続きが楽しみだ。

いや、もはや傍若のカリスマとはUNISON SQUARE GARDENそのものかも。ユニゾンのことを歌っていてもおかしくはない歌詞。

ただのロックバンドの最新曲として純粋にカッコいいし、日々何かと戦って過ごしている現代人にはとても響く曲になっているはずだ。


ちなみにCDでしか聴けないB面の「憂鬱はプリンセス」もなかなか興味深い歌詞に、ユニゾンらしい訳わからない感じが堪らなく最高で好き。
これも語り出したら止まらないので、ここまで。


※こういう記事は苦手なのであんまり書きたくないですが、反応は気になるところです。

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塩パン
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