2020年10月3日 USG 2020”LIVE (on the) SEAT” 新潟テルサ



ロックバンドの生存確認のライブ。
ロックバンドは座っても観られる。
ロックバンドはやっぱりかっこいい。
ロックバンドが楽しそうに大きな音を鳴らしている姿は、やはり最高。


8ヶ月振りにUNISON SQUARE GARDENが大勢の人の前でライブをする、それを目撃してきた。

ありがとう。本当にありがとう。
私の地元、新潟での初日開催。

ライブが終わった今、すぐに気持ちを書き残しておく。

ここから先はネタバレがある。
見たい人は見て。今回どうしても行けなくて涙を流した人へ、もし良かったら見て欲しい。
久しぶりのライブで、私自身ここまで記憶が残らないとは思わなかったが今から振り絞って書くから。













決められた集合時間。私は17:15。
COCOAのダウンロードの確認。
ソーシャルディスタンスを保ちながら並ぶ。
チケットの画面を見せて、自分でもぎる。
手を消毒する。
隣がひとつ空いた席。
みんながマスクをしている。
黒い幕で見えないステージ。
今日は座ったままのライブ。
声は出さないように、のアナウンス。
私の席は、前方田淵側のいちばん端っこ。

いつもと違う、ホールでのライブが始まる。

アナウンスが入り、ライブが始まることが告げられるとすぐに客電が落ちる。

SEの絵の具は流れず、斎藤くんがアカペラで歌う「クローバー」から始まった。
生音。近くのスピーカーから大きく斎藤くんの声が聴こえる。とても綺麗な歌声。
メンバーが見えない中、1サビが終わり、間奏で黒い幕が上がっていった時は涙が溢れた。

確かにUNISON SQUARE GARDENはそこにいた。

黒地に白黒ボーダー、白い襟のシャツの斎藤くん。髪切ってる。
7と8が書いてあるTシャツの田淵。髪が短くなってる。
ネイビーの羽織りに、白いTシャツ(グッズではなさそう)の貴雄。その髪型好き。

目の前で歌って、演奏している。
今年観ることは叶わないと思っていた姿。
1曲目から完全に泣かせに来て、ずるい。
“君がここに居ないことであなたがここに居ないことで
回ってしまう地球なら別にいらないんだけどな”
そんな歌を目の前で歌われたら泣いてしまう。そして、緑色の照明で優しく照らされた3人の姿。

“「好きだよ」って言ったフローリア”
歌い終わりすぐ、間髪入れずに始まったのは「フルカラープログラム」だった。
貴雄のドラムに、小さく「ギャー!」と声が漏れてしまった。ごめんなさい。
だって、ずっとライブで聴きたいと願っていた曲だったから。
田淵も動き始めるし、椅子に座っていても身体は勝手に動き出すし、音が身体全体に染み渡ってライブの感覚を思い出し始める。
椅子に座ってるとか、マスクをしてるとか声を出しちゃいけないとか、そんなのは本当にちっぽけな心配で、彼らの奏でる音を全身に浴びるだけで幸せなんだな。

寧ろ椅子に座っていて、隣も空いていたらある意味めちゃ自由。こういうライブの楽しみ方、有り有りの有り。

早速、ギターソロで前に出て来て楽しそうにギターを弾いてる斎藤くんの姿。そのドヤ顔に近い笑顔がずっと見たかった。斎藤くんのアカペラはもちろんなかったけれど力強い“完全無欠のロックンロールを“聴けて良かった。
“ふざけろ!「いつか終わる、悲しみは」
どうか忘れないでよ”
歌詞が胸に響く。
ステージ奥の壁には、黒地にバンド名とUのロゴが大きく書かれたバックドロップが掲げられていた。


そして軽くセッションを挟む。田淵のベースがカッコいい。斎藤くんが水を飲んでからギターを弾き始める。このドラムとギター、絶対にあの曲だ。
「フィクションフリーククライシス」
嬉しい。聴けると思っていなかった。
“迷子ー!”精一杯見えない口パクで応える。“当然手ぶらじゃ〜”で手を広げる田淵。めちゃ笑顔で楽しそう。
“結局世界は僕が救うしかない 手こずります”
今ここに救われた人間が1人。どうか世界を音楽で救って欲しい。サビでの黄色い照明が綺麗だったな。

ここで斎藤くん「UNISON SQUARE GARDENです!」
何か喋っていたような記憶もあるけど本当に覚えてない。

「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」実はずっとずっとライブで聴きたかった曲だ。田淵が笑顔で客席を見る時間が増える。斎藤くんも、そして貴雄もいつもより客席一人一人に目を向けているように見える。
特に斎藤くんは、田淵側のこちらまで目を向けてくれることがよくあった。
“不安もあるけど希望もある 君さえよければ ねえ”
この歌には希望しかない。

ここでもイントロ前にちょっとだけセッションを挟んでいた気がするが、始まった「セレナーデが止まらない」もうとにかくかっこいい。イントロからものすごくかっこいい。斎藤くんの「あ〜〜〜〜あ!!」という唸りも。斎藤くん、ギターを弾かない時間は積極的に手を動かすようになったと思う。セレナーデの時だろうか、ギターソロで斎藤くんの隣に田淵が行ったけどずっと無視されていたのは。

イントロで会場の空気がざわつくのがわかる。「世界はファンシー」やはり最新曲が聴けるのはとても嬉しい。田淵が先日のfun time HOLIDAY ONLINEで見せたイントロでの謎のポーズ(ずれた招き猫のような)も再び。貴雄の頭コツコツもあり、斎藤くんの“My fantastic guitar!”からのギター掻き鳴らしもあり、やはり楽しい曲だ。
もちろん、ダブルピースで“HAPPY”やってしまった。ギターを弾かない時の斎藤くんの手の動き、どんどん激しくなっていく。


貴雄がヘッドホンを付ける。始まったのは「君はともだち」だ。
“何も知らないやつに君の事傷付けられてたまるか
見えないところで強く生きてる 気づいてる”
ユニゾンの曲の中でも1番と言っていいほど優しい歌をここで歌ってくれること。そして斎藤くんの歌がとても優しく会場を包み込んだこと。
ここに来るまでにみんな今までのライブとは違う不安を抱えて来たと思う。そんな気持ちを温かく包み込むような歌声だった。


斎藤くんのMC。大勢の人の前で8ヶ月振りに演奏する喜び、そして喋るのも久しぶり、でも皆さん反応出来なくて辛いですよね、出来るだけ目を細ーくして下さい、というような内容。客の拍手のタイミングがわからず斎藤くんも苦笑い。後ろから貴雄がドラムをドコドコ鳴らしていると、
「うるせーなぁ!」
「久しぶりに後ろから音の圧を感じてます」
なんてことを言ってたような。
あとは、
「久しぶりのライブエモーい!」
いつも通り話してくれる斎藤くんを見て、8ヶ月振りのユニゾンのライブを1番最初に目撃出来ているなんて本当に嬉しいし幸せだなと思った。
新しいアルバムが出て、このツアーはアルバムツアーではなくてバンドの生存証明のライブだけど、新曲をやります、と斎藤くんから話があり、披露されたのが「夏影テールライト」だ。
サビではMVの提灯のような、ステージを彩るカラフルで優しい照明がとても綺麗。そして田淵と貴雄のコーラスが本当に素晴らしい。まるでCDをそのまま聴いているような、心地良い時間。貴雄のドラムがとても良い。3人の音全てを、もっと感じたくなる。
“君が目に映す景色の中 いついつでも踊っていたい”
本当にそう願ってしまう、素敵な曲。

“幻に消えたなら ジョークってことにしといて。”
アルバムの曲順の通り演奏された「Phantom Joke」。やはりカッコいい。序盤から田淵が上手側に走っていきしゃがんでベースを弾いていたのを覚えている。ここまで斎藤くんの歌声に不安はほぼ無かったが、やはりPhantom Jokeは辛そうな瞬間があった。でも最後まで歌い切っていたし、配信ライブで見た時よりずっと完璧だった。

ここでも繋ぎがあった気がする。そして次に来る曲は何だろうと思っていたら「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」。貴雄が吠えた。実にプログラム15th振りに聴いた大好きな曲。メンバーも楽しそうだし、田淵が足を上げるのに合わせて手を上げたりして楽しかった。
“存在で10点満点!!!”いや足りない、100点、100000000…点!!!!

そして斎藤くんが「Ladies and Gentlemen!Ride on time!」と言って始まった「ライドオンタイム」はもうメンバーも客席も最高潮。田淵はサビでずっと開放弦でベースを弾かずに客席を向いて笑顔で楽しんでいるし、斎藤くんも自由な田淵を見て笑顔で歌っているし、貴雄もドラムの音を弱めたり速めたりして遊んだり、とにかく楽しかった。こんなに楽しそうな3人を、久しぶりに見た。やはり彼らもずっと何だかんだ、目の前に大勢の人がいる中でライブをやりたかったんだろう。決して口で語られなくても、彼らを見ていればわかる。

続いて「harmonized finale」のピアノのイントロが始まると、再び涙がこみ上げてくる。貴雄が優しい表情で客席を見ている。田淵も優しい表情でコーラスをしている。斎藤くんのアカペラも凄く綺麗に響き渡っていた。先程までとはちょっと違った表情を3人が見せる。
“ずっと続けばいいな けど 終わりが近づいてるのもわかるよ”
こちらの気持ちをまさに代弁しているような歌。

“ありがとう ありがとう ここからまた始まってく”
今日から始まったユニゾンのツアー。地方に来てくれて本当にありがとう。ありがとう。

“今日が今日で続いていきますように”
どうか、ツアーが無事に完走しますように。

少し暗くなったステージからは、田淵と貴雄が袖へと捌けていき、スポットライトに照らされた斎藤くんだけが残る。ユニゾンのロゴのバックドロップが静かに切り替わる。最後のパートを歌い終わり、斎藤くんも会釈をして、捌けていく。

バックドロップがスポットで照らされる。
バンド名とロゴの上には
“SEE YOU NEXT LIVE”と赤く描かれていた。
ここで、ライブが完全に終わったことを知る。

全てが詰まったこの曲がラストだった。
本当によく考えられた素晴らしいセットリスト。1時間、とても短い時間だったけどその中身はとても充実していたし、終わった今とても満たされた気持ちでいっぱいだ。

いつものように田淵と貴雄が向き合って貴雄のドラムが激しくなったり、田淵が斎藤くんにちょっかいを出しに行ったり、斎藤くんが田淵を見てクスッと笑ってしまうシーンは今までより多かったし、貴雄が立ち上がる曲ももちろんあった。
私自身も、椅子に座ってはいたけれど身体はずっと揺れていたし、席で声を出さず思いっきり暴れることが出来た。誰かにぶつかる心配もないし、背が小さい私でも見やすい。着席のライブもとても楽しかった。出来ればまたやって欲しいくらいだ。
そう、LIVE (on the) SEATは、いつもの楽しいUNISON SQUARE GARDENのライブに変わりはなかった。

気付けば1時間ぴったり、時間が経過していた。

規制退場で、列ごとに呼ばれて近くの扉から会場を後にした。

終わった瞬間、もう何も思い出せないくらい完全燃焼してボーッとしてしまったのだが、今少しずつ思い出してようやくここまで書くことができた。

このツアーに対して、私も決してポジティブな気持ちで捉えていたわけではない。実際、私の妹は行く決断をしなかったしTwitterのフォロワーで何人も諦めていた人がいるのを知っていたし、自分自身の不安もあった。
ユニゾンが全国を動く以上、必ず伴って動くファンがいる。それがとても怖かった。同じ空間にいることになるかと思うと、不安だった。
それは地方民ならではの考え方かもしれないが、実際職場でも色々な規制があるし、田舎の目は都会の人が思っている以上に怖い。実際、私がこのツアーが発表された時に書いたnoteはかなりネガティブなものだ。いつもツアーはあちこちに遠征していたが、今回は今日の1公演だけ。

それでも実際に行ってみて、色々な対策が完璧に成された空間で観るライブは決して危険ではなかった。それだけはわかって欲しい。実際、会場内に入ったら不安はどこかへ行ってしまった。きっとユニゾンはこのツアーを完走して、成功させる。このツアーを決断してくれたユニゾンに、心から感謝したい。
(でも今日から2週間は気をつけて生活する)


次のツアーは、誰もが普通に行けるようになっているといいな。


それにしても斎藤くんも田淵も貴雄も、とにかく楽しそうだった!その姿を目撃出来たことに感謝。そして、大きな生音、最高!

私の好きなロックバンドは、今日もただ最高にカッコ良かった。



2020.10.3 新潟テルサ
セットリスト

1.クローバー
2.フルカラープログラム
3.フィクションフリーククライシス
4.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
5.セレナーデが止まらない
6.世界はファンシー
7.君はともだち
-MC-
8.夏影テールライト
9.Phantom Joke
10.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
11.ライドオンタイム
12.harmonized finale

SE 絵の具






















【ファンシーな世界のあとがき】

“そのからくりで時を止めた まやかしじゃないその世界は
未来のパズルに続いてる”
(クローバー)

“ちょっとだけ世界と仲良くなったあなたは”
(フルカラープログラム)

“結局世界は僕が救うしかない 手こずります"
(フィクションフリーククライシス)

“世界が壊せそうな 気がするから叫んでみる”
(セレナーデが止まらない)

“こんな世界が楽しすぎちゃって愛しすぎちゃって…ハッピー!”
(世界はファンシー)

“気まぐれや同情と思わないでね 君の様に僕も
おんなじだからさ 世界が嫌いでちょっと好き”
(君はともだち)

“だめだ そんな悲しいこと言うな まだ世界は生きてる”
(Phantom Joke)

“ほら、世界は絶対に どうしようもないはずの僕と君を
スタートラインで待っている”
(ライドオンタイム)

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