自販機ロマン
高校生時代の夏。
ジュースを買おうと思い、1人校内の自販機へ。
僕には夢があった。
いつだったか友達から教えてもらったこと。
「自販機で買うとき、飲み物のボタンを連打したら2本出てくることがあるらしい」
僕は毎回のルーティンのように、ボタンを連打していた。
この日も同じように、お金が吸い込まれると、人目を忍んでボタンを連打。
ピッピッピッ、、、
ゴトンッ、ゴトンッ
「えっ?えっ? 2本落ちたよね?」
取り出し口には2本の炭酸飲料。
興奮を隠せない僕。
汗が額を滑る。
蝉が泣き出す。
「700円」のおつり表示。
それ以来僕は自販機を連打したことがない。
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