知ってた?渋谷の矢印アートの先には避難所があった。【渋谷アロープロジェクト】
こんにちは、@ARTです。
皆さんは災害時の避難場所ご存じですか?いざという時にどこに行っていいのかわからない、という方もいるのではないでしょうか。
今回ご紹介する渋谷アロープロジェクトは、そんな知られていない避難場所をアートで解決しようというプロジェクトです。もしかしたら、渋谷に行ったことのある方は、目にしたことがあるかもしれませんね。
渋谷アロープロジェクトとは
渋谷は多くの在勤、在学者、外国人など観光客が訪れる街。JR渋谷駅の1日の乗車人数だけで24万8,000人(2021年度)という数値が出ています。
災害が発生した際の避難所として小学校や公園がありますが、これらは「一時避難所」となっており、一時的に様子を見る場所となっています。そのため、住民と来街者が利用するにはスペースが足りません。
そこで、渋谷区では、災害時の渋谷駅周辺の混乱を防止するために、来街者を中心とした帰宅困難者を「一時退避場所」へ誘導する「対比誘導計画」が策定されました。
ただ誘導といっても、多くのサインが乱立する渋谷の街ではわかりにくい。そこで「一時退避場所」を様々な来街者に認知してもらうため、「矢印サイン」をアーティストが制作し、渋谷の街に設置するプロジェクトが始まりました。
設置場所
現在は、JR線の高架下壁面を中心に展開されています。
渋谷清掃事務所壁面
渋谷キャスト前
JR東日本高架下(宮下公園)
JR東日本高架下(渋谷宇田川架道橋下)
JR山手線渋谷・原宿間の壁面
渋谷マークシティ神宮上空通路橋脚柱
主な一時避難場所は、青山学院大学と代々木公園となっています。
参加アーティスト
2023年1月現在、以下の14名のアーティストが参加されています。渋谷らしい若手のグラフィック系のアーティスト、デザイナーが多いですね。
ヒロ杉山(エンライトメント)
東恩納祐一
森本千絵
ミック・イタヤ
しりあがり寿
伊藤桂司
小町渉
河村庸輔
植田工
Hugo Yoshikawa
伊藤陽一郎
大竹彩子
NABSF
Hanna Lucatelli
それでは、実際に作品の一部を紹介します。
渋谷マークシティ神宮上空通路橋脚柱
Hanna Lucatelli
ブラジル独立200周年を記念してブラジル大使館とシブヤ・アロープロジェクトがコラボしたもの。プロジェクト初の外国人アーティストとして、Hanna Lucatelli氏が手掛けました。
いろんな向きで6人の女性を描くことで、女性が持つ多面性を表現したといいます。矢印は代々木公園の方向を指しています。
渋谷清掃事務所
ヒロ杉山(エンライトメント)
グラフィックデザイン、広告など幅広いジャンルで活動するグラフィックアートユニット,エンライトメント代表、ヒロ杉山さん。入り組んだチューブ状の形で矢印を表現、ポップな色が目を引きます。
渋谷キャスト前
東恩納祐一 ARROW TREE
渋谷アロープロジェクトのなかで唯一の立体作品です。たくさんの矢印が枝のようについた木となっています。この矢印の示す方向は青山学院大学です。
渋谷宇田川架道橋下
森本千絵
テレビドラマのタイトルワークやCDジャケット、広告を手掛けてきたアートディレクターの森本千絵さんの作品。大きな矢印が大胆にハートを射抜いて迫力のある作品です。
渋谷宇田川架道橋下
ミック・イタヤ
アーティストでありデザイナーで幅広い分野で活動するミック・イタヤさんの作品。ユニコーンの頭が矢印になっています。
しりあがり寿
ご存じ漫画家のしりあがり寿さんによる壁画。たくさんの人型のキャラクターが矢印を持っています。
植田工
科学者・茂木健一郎氏に師事しアーティストとしての活動を始めたという、異色のアーティスト。かわいらしいキャラクターが方向を示しています。
JR東日本高架下(渋谷宇田川架道橋下)
NABSF
凹版印刷の一種、エングレービングのような画風を主軸に活動されているアーティストさんです。シンプルな青の背景に、黄色の手で避難所を指し示しています。
伊藤陽一郎
個人名義のほか、Natural Essence, AKAKAGE等の名義での音楽活動を行うミュージシャン。2018年より絵画活動を展開されています。
大竹彩子
ロンドン芸術大学卒業、ドローイング、ペインティング、写真、コラージュなど、様々な技法で製作するアーティスト、大竹彩子さんの作品です。大胆な色の中に矢印が埋め込まれています。
JR山手線渋谷・原宿間の壁面
Hugo Yoshikawa
JR山手線渋谷~原宿間の間にある壁画です。ポップな色で描かれた植物とテーブルのなかに矢印が描かれています。ここまでくると、避難所の代々木公園まであと少しです!
一時退避所の代々木公園に到着
たくさんの矢印を辿っていくと、避難所の代々木公園にたどり着きました!なかなか作品の矢印だけでは、方向しか分からずたどり着けないと思いますので、専用アプリを使うとARで詳しい方向を示してくれます。
いかがでしょうか。防災の観点とアートを組み合わせたこのプロジェクト。少しだけ気に留めておくだけでも、もしもの時に頼りになると思います。地震など災害が多い日本ですので、皆さんも身近な避難場所を調べてみてください。
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