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[備忘録]「荒らし」が来た時リスナー側はどうすればいいのか

どうも。田舎の文化人類ASTRAYです。

先日、Radiotalkでライブ配信を聞いていたらコメント欄で結構語気強めな方がいらっしゃったんです。ここでは割愛しますが、公共の場で発するには適さない言葉かつ丁寧な言葉遣いでもなく、配信者を煽るようなコメントをしていました。配信者の方も最初はコメントを読み、自身の考えを述べるなどしていましたが、コメントの中に中傷にあたる文言が出たことでブロックしてコメントを制限する措置をとっていました。

この時、配信者側もそうですがリスナー側もどうすればよいのでしょうか。情報化時代を生き、多種多様な配信者と関わるようになった我々が恐らくずっと直面していたであろう問題でもありますが、それについて考えたことについて書いてみます。

※1配信者かつ1リスナーとしての見解です。予めご了承ください。
※結構長いです。多分そのうちRadiotalkの方でも語るのでよろしければそちらでもどうぞ。かなり長いです。 

2020/10/30追記:これに関するトーク録ったので長い!という方はこちらからどうぞ。

そもそも「荒らし」とは

コメントがある程度自由にできる電子掲示板(BBS)や何かしらの配信メディアのコメント欄で、その場に適さない趣旨のコメントや個人への誹謗中傷、意味のなさないコメントなどが一般的な「荒らし」に該当すると思います。今回書く内容についてもこれにあたります。

もっと詳しく知りたい方のためにリンクを貼っておきます。その歴史や分類について語る記事は数多くありますが、一先ず wikipedia とニコニコ大百科をあげておきます。

通常、これらは元となる文献としては適さないのですが、正直上記の2つもよく荒らされているイメージがあるので、参考になると思いますw

「荒らし」には無視が一番?

恐らくインターネットを介した配信を楽しんでいる多くの方は、荒らし行為には無視がいいと考えている人が多いのではないでしょうか。上記のリンクにもありますが、インターネット黎明期から言われているので、ある程度精通があった人は多分知っているし、実践している方も多いと思います。

無視をする理由は単純で『「荒らし」は反応を見て楽しんでるから反応しなければよい』というものです。その効果は未だに論争されている点ではありますが、配信者側の方でも荒らしを無視するようなお願いをしている人もいれば、サービス提供側(ニコニコ動画や Radiotalk 等)の方でも特定のワード、ユーザーをブロックできるシステムや攻撃的なコメントが出来ないようにするシステムを導入したりしています(システム的なことに関しては無視するという選択以前の話な気もしますが)。そのため、今のところ最も有効な手立てとしてこれまで用いられてきたものと考えられます。

かく言う僕もその考え方の一人です。特にアンチや話が通じない or 話そうとしていない人には自ら関わらないというのを心に決めています。というか関わることで疲れるくらいなら、完全に遮断してしまった方が心の安寧にもなりますので。

ただこの時、サンドバックにされるがままを見てるわけではありません。配信者が荒らしの文章を読まなくてもいいように(もしくは反応する時間が長くならないように)荒らしに触れないでかつ意味のあるコメントを送るということをします。少なくともその配信者を否定することだったり「荒らし」を刺激するコメントなどはしないように心がけています。

しかし、これは根本的な解決になりえませんし「荒らし」をどうするかは結局のところ配信者に委ねられています。もちろん、配信者側にリスナー側が「荒らし」の排除や無視をすることをお願いすることもできますが、僕は配信者が持っているスタンスを重んじたいのでそういうことはしません。

「荒らし」に無視は良くない説

その一方で「荒らし」に対する手段として無視は良くないという意見のもあります。その意見の一つに「無視するのではなくその存在を承認すること」をした方がよいというものがあります。そしてそれをするために「相手の人格をそうだと決めつける前にどういう人なのかを知るために段階を踏もう」というものです。

この意見の詳細についてはここでも軽くまとめますが、詳しく知りたい人や原文を読みたいという人のために以下にその意見を唱えていたソフトウェア開発者(意訳)の shlomifish さんの 2011年のブログ(英語)とそのブログを GIGAZINE (日本語)がまとめていた 2018年の記事のリンクを貼ります。

この意見では「荒らし」に対してやってはいけないこととやるべきことに分けていて、やってはいけないこととして『「荒らし」の意見を真っ向から否定すること』『無視すること』『コミュニティから追い出すこと』『「荒らしをするな!」と伝えること』『コミュニティを閉鎖すること』があげられています。代わりに「荒らし」に対して『何故、そう思うのかと問う』『考えに共感する(全てではなくある程度でも)』をした上で『お互いの共通点を探していく』ことをやるべきとしています。

なぜがそこまでする必要があるのか。それは「荒らし」が必ずしもそのコミュニティとって悪になるとは限らないからとしています。寧ろコミュニティの成長を停滞させるきっかけや悪い空気になるともしています。適切かは微妙ですが「ドラゴンボールZで言うベジータとかピッコロ(マジュニア)的な存在になる可能性もあるのではないか」ということです(両人(?)とも地球破壊未遂犯から地球を守るZ戦士になったので)。もっとも、上記したブログでは技術的なコミュニティ(オープンソースのソフトウェア開発やシステムに関する集まり)で発生した「荒らし」の例を出していますので配信活動においても当てはまるかはわかりませんが。

ちなみにこの意見で用いられる手法は、精神科医であるデビッド・D・バーンズ先生が書かれた認知療法に関する著書「Feeling Good: The New Mood Therapy(日本語版のタイトルは「嫌な気分よさようなら(野村総一郎他訳)」)」での手法を参考とし「荒らし」対策に応用したものとなっています。僕も全部は読んでいないので詳しくは書けませんが、この本の「第6章:Verbal Judo: learn to talk back when you're under the fire of criticism(邦題は言葉の柔道:批判を言い返すことを学ぶ)」を元に考えられているそうです(この本でも応用として「やじ」への対処にも使えるとしています)。

しかし、この方法はかなり難しい(参考にしている本でも何度かロールプレイによる実習が必要としています)ので一朝一夕でできるものではありませんし、上述した意味のなさないコメントを書くタイプの「荒らし」には到底通用するものとは思えません。記事の中では「荒らし」とのコミュニケーションを取る際に注意すべきポイントが示されていますが、それでもある程度経験が必要になります。また「なんで好きにやってる活動にまで心身削らなアカンねん」って気持ちもなくはないのと時としてひどい言葉を投げてくる「荒らし」の相手をする余裕が配信者とリスナーに求められてきます。

ただ、個人的には面白そうなので、何かのタイミングでこの本を読んだ後にこれについてもう少し詳しく書けたらと思います(この本も読んでみたい)。一応以下に和訳された書籍のリンクを貼っておきます。かなり分厚いですが、コンパクト版と audible 版(英語のみ?)もあるそうなのでご興味のある方はお好みのものをどうぞ。だいぶ昔の本なので、お近くの図書館でもあるかもしれません。

「荒らし」が来た時、リスナーはどうすればいいのか

ここまで「荒らし」の対処法に関する2つの意見を書いてきましたが、ようやくタイトルに触れます。結局リスナーはどうすればいいのか。個人的に一番いいのは、配信者のスタンスにあわせることです。配信自体、配信者がいないと成り立たないものですし、ライブ配信に行くのもその配信者の語りが聴きたいからというのが主だからです。

しかし、Radiotalk のライブ配信という場は他のサービスとは違います。コメント欄がなく、 配信者とはもちろん他のリスナーとの交流が限られているサービスで唯一といっても過言ではない交流の場です(もちろんtwitterでも出来たりしますがサービス内という意味で)。そう考えると他のサービスよりも大事な場になります。そんな大事な場で共に楽しめない者という意味での「荒らし」は、排除しなくてはいけないと考えることも理解できます。

そこで僕は上記した2つの意見を組み合わせて考えてみたいと思います。それは「無視」を「荒らし」を過度に刺激しないための手段とし「共感」や「共通点探し」は自分のできる範囲で、かつ「配信者」と「荒らし」との中立をとるようにすることです(ある種今やってることの発展系)。これがうまくいくかも僕にできるかもわかりませんし、方法や技術もこれから考えていく必要があります。しかし、ただ無視するということ、「荒らし」と断定して始めから排外的に対処することよりもいいと思います。確かに配信者にもその場を作る責任はありますが、1リスナーとして楽しむためにその場作りに協力する責任はあります。何より「荒らし」が入ってこないコミュニティがいいですが「荒らし」以外も入ってこない(もしくは入りにくい)コミュニティにならないように1リスナーとして楽しみたいと考えています。

長くなりましたが、今後も配信活動をしながら1リスナーとして楽しんでまいりますので何卒よろしくお願いします。

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