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DTM参戦のキャシディ、レッドブルとの強力コラボに興奮も「まずはフォーミュラEに集中」

 2021年のモータースポーツ界における大きなサプライズのひとつが、レッドブルのDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)参入だ。彼らはAFコルセと手を組み、アレクサンダー・アルボン、ニック・キャシディ、リアム・ローソンの3人を起用。2台のフェラーリ488 GT3 EVOを走らせることとなった

昨年まで日本のスーパーフォーミュラとスーパーGTで活躍していたキャシディは、今季から活動の拠点をヨーロッパに移し、ヴァージンからフォーミュラEにフル参戦する傍ら、DTMでアルボンと“アルファタウリカラー”のフェラーリをシェアする予定となっている。キャシディは3年前から“レッドブルアスリート”として活動し、レッドブルと関係を築いてきたが、それが今回のDTM参戦に繋がったという。彼は次のように語った。

「僕はレッドブルアスリートとして3年前からレッドブルと仕事をしていて、とても良い関係を築いていた。彼らは僕がヨーロッパに来ることを知っていたし、(DTMの)いくつかのレースでシートが空いている状況だったから、話し合いは自然な流れで始まったんだ」

2021年シーズンのDTMは6月にモンツァで開幕し、全8ラウンドが開催される予定。その内3ラウンドはF1の週末と被っており、そこではリザーブドライバーとしてレッドブルF1チームに帯同するアルボンに代わってキャシディがドライブする可能性が考えられるが、それは全てのレースがカレンダー通りに開催された前提の話。コロナ禍が続く現在、状況は非常に流動的であるため、キャシディはDTMでのレース計画について多くを語ることはできないとして、まずは自身初のフル参戦となるフォーミュラEに照準を当てていきたいと語った。

 今季どのくらいの頻度でDTMに参戦することになると予想しているか? と尋ねられたキャシディはこう返した。

「今年1年がどうなっていくか分からないから何とも言えない」

「今はいろんなことが流動的なのは知っての通りだし、8月のことはおろか2週間後のことも予測が難しい。どうなるか見てみるしかないね」

「もちろん僕はエンビジョン・ヴァージン・レーシングで走るフォーミュラEに全力を注ぐ。フォーミュラEのカレンダーは非常にコンパクトで短期集中になっているので、その間他のレースに参加することは簡単ではない。ただ、僕はレーシングドライバーだからたくさんレースに出られることは嬉しいし、レッドブルとの関係を続けていけることも最高だと思っている」

「(DTMは)とにかく楽しいものになるだろうし、もっと素晴らしい選手権になる可能性がある。そのためにも、多くのドライバーやメーカーに参加してもらいたいね」

 またキャシディは、レッドブルが起用する3人のDTMドライバーの中でただひとりフェラーリ488 GT3での経験がある。2019年にはIGTC(インターコンチネンタル・GTチャレンジ)のスパ24時間と鈴鹿10Hにエントリーし、このマシンを走らせている。ただ本人はその時の経験があまり当てにならないと考えているようだ。

「ああ、確かに乗ったことがあるけど、あまりコメントできることはないんだ。数年前にスパで乗ったことがあるけど、レースは走れていないし、鈴鹿でもあまり多くの時間走っていない。(DTMは)スプリントレースだから、レースフォーマットも違っているしね」

「それらのレースでのパフォーマンスは良かったと思うし、フィーリングも良かった。ただこのマシンでの経験が豊富にあると言えるほどではない。だから勉強する必要があるのは間違いない。全く新しいものに感じるだろうね」

 キャシディが参戦する2020-2021シーズンのフォーミュラEは、中東のサウジアラビアで開幕予定。第1戦・第2戦のダブルヘッダーが2月26日、27日に行なわれる。

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