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メタルとは何か?【等力】
明日の叙景のギター、等力です。
先日、公開されましたがAlcestの日本ツアーに明日の叙景がスペシャルゲストとして帯同します!8cmCDをプレゼントする3.12の東京Club Quattroでのワンマンと併せてチェックをお願いします。
今日はメタルとは何かについて、考えていきたいと思います。
終わらせよう(?)
メタルの歴史的な流れについては多くの解説がありますので、今回は帰納的に考えていきます。専門的な語彙も登場しますが、各自調べてください。
西洋音楽の三要素
西洋音楽の三要素は「リズム」「メロディ」「ハーモニー」と言われています。一見、十分な気がしますがメタルに当てはめて考えてみましょう。
MetallicaのJames Hetfieldがエレキギターの音を歪ませず、クリーントーンでBatteryのリフを演奏したとしたら、ガッカリ、全然メタルじゃないですよね。
このエレキギターの音色については、「リズム」「メロディ」「ハーモニー」のどの項目でも十分に議論できないじゃないか!ということで今回はこの西洋音楽の三要素は捨てます。
現代の音楽の三要素
ここで、議論しやすいように、現代の音楽の三要素を「ストラクチャ」「テクスチャ」「コンテキスト」と置いてみます。それぞれについて、解説していきます。
「ストラクチャ」=「構造」
・メロディやリズムなどMIDIデータとして表現できるもの
・楽曲構造
「テクスチャ」=「質感」
・ギターやシンセの音色などオーディオデータとして表現できるもの
・レコーディングやミックスなどサウンドプロダクションの領域
「コンテキスト」=「文脈」
・ジャンルやスタイルの歴史
・演奏者のパーソナリティなどの情報
もっと砕けて説明すると、ブロックの置き方 = 「ストラクチャ」、ブロックの色や質感「テクスチャ」、この2つで説明できないルールなど=「コンテキスト」という感じです。LEGOでピラミッドを作るか、高層ビルを作るか、という状況を考えてみると捉えやすいと思います。
<参考>
この考え方は下記お二人のアイディアをベースにしております。
Yoshino Yoshikawa
https://x.com/yosshibox
Yoshino Yoshikawaさんがこの3つを三要素として紹介していた記憶があるのですが、該当ポストが発見できませんでした。代わりにXのアカウントを紹介します。
in the blue shirt
https://speakerdeck.com/arimuri
in the blue shirt こと有村さんがDAW以降の音楽のあり方として全てが「テクスチャ」=「オーディオ」として扱える、のようなことを言っていた記憶があるのですが、こちらも該当ポストが発見できませんでした。代わりに有村さんの過去のスライドリストを貼っておきます。(勉強になる。)
メタルとは?
この三要素を使ってメタルを考えてみると、以下のように考えられると思います。
メタル
ストラクチャ:なんでもOK
テクスチャ:ハイゲインギターが必須
コンテキスト:なんでもOK
つまりテクスチャとしてハイゲインギターが入っていればメタル
ややこしい言い方をすれば、メタルとはハイゲインギターというテクスチャを定数、ストラクチャとコンテキストを変数とした関数ではないか、という感じです。
例として有名なアーティストについて、この三要素で考えてみましょう。
BABYMETAL
ストラクチャ:メロディアス、早めのBPMなど
テクスチャ:ハイゲインギター
コンテキスト:アイドル文化
Death
ストラクチャ:テクニカル、テンポチェンジなど
テクスチャ:ハイゲインギター
コンテキスト:デスメタルの進化
自分の好きなアーティストや、メタル以外のジャンルでもこれに当てはめてみてください。割と納得できると思います。
メタルに切り込んだ作品
今回のこの定義でメタルを捉えてみると、メタルに切り込むこととは、「ハイゲインギター」というテクスチャに切り込むことと理解できます。
そういう意味だと、あえて劣悪な録音で制作されたDartkthrone 『A Blaze In the Northern Sky 』はメタルに切り込んだ作品と言えるでしょう。
(逆説的にこの作品がメタルのテクスチャにハイゲインギターが必須であることを強化している気もする。)
ハードロックはメタルなのか?(つっこみ)
「ハイゲインギター」といえばPeavey社の5150というアンプが有名です。このアンプはEddie Van Halenのシグネチャモデルですが、Van Halenはハードロックバンドとして有名です。
今回の定義で言うと、「ハイゲインギター」をテクスチャとするハードロックもメタルに含まれてしまう!
これについては歴史的正しさや、自分の認識はさておき、「ハードロック」「ヘヴィメタル」として定義されていたものは全て「メタル」と認識され得るという意味で正しいと思います。
つまり「メタル」が「ハードロック」「ヘヴィメタル」より大きな括りになって、包括する言葉になっていくという推測です。
まとめ
今回は帰納的にメタルとは何かについて考えてみました。
現代の音楽の三要素を「ストラクチャ」「テクスチャ」「コンテキスト」としたとき、テクスチャとしてハイゲインギターが入っていればメタルと考えます。
メタルが苦手と話す友人が2人いるのですが、2人とも歪んだギターの音を苦手だと語っていたことも思い出しました。
おまけ
「STAY METAL」という単語がここ10年くらい定着しつつあります。既にメタル好きがメタル好きであることを確認することより、誰もがメタル好きになれることを強調して「BE METAL」の方がいいだろと思っていました。
ただ、この世に存在している人間は潜在的にみなメタル好きであると勝手に仮定する強引さと解釈して、最近は「STAY METAL」も好きです。
おわり
ライブ情報(来てね)
2025.02.16(日)下北沢CLUB251
A Ray of Hope vol.08 ”THANK YOU SOLD OUT!!”
with heaven in her arms / Vampillia
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2025.03.12(水)渋谷CLUB QUATTRO
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※学割チケット有り
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2025.04.27(日)渋谷WWWX / CYCLONE / GARRET
SHIBUYA METAL KAI FEST 2025
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2025/7/16(水)東京CLUB QUATTRO
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チケットぴあ:
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2025/7/18(金)大阪BananaHall
イープラス:
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チケットぴあ:
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