2024.06.25〜06.30 中国ツアー(深圳&広州編)Report【布】
明日の叙景、ボーカルの布です。
今回は約6年ぶりとなった中国ツアーについて書いていきます。
1日目 深圳 B10
入国
今回、僕は所用により他のメンバーに遅れての出発となりました。
深圳を満喫する先発組をSNSで確認しつつ、空港でサラダボウル(海外ツアーは新鮮な野菜を食べられる機会が少ないですからね)を食べ、いざ中国へ。
まずは飛行機で香港へと行き、そこからタクシーで深圳へと移動します。
深圳行きよりも香港行きの方が便が多いらしいです。
確か前回のツアーは最終日が深圳でしたが、その時も帰りは香港から乗りました。
香港から深圳に入る際にはパスポートとビザの提示に加えてプロモーターが所属する会社名と住所を書類に書く必要があります。
ただ手続き自体はシンプルで、すんなり終わるので助かりました。
6年ぶりの深圳に到着した時にはもう辺りは真っ暗でしたが、街並みには見覚えがありました。
大陸最南端に位置するだけあって、とにかく高温多湿で会場がある街がリゾート地のようなのも相変わらず。
ライブレポート
到着がギリギリだったため、深圳に着いたら即会場入りしてリハ無しで本番です。
今回一緒に回るSpectral Woundが完全にメイク済ませており、威圧感が半端ない……。頑張って挨拶したらフレンドリーに返していただけて感謝。
先日は日本国内でpaleと、そして台湾でkokeshiと共演していましたね。
ボーカルの声にツアーの疲れが一切感じられないのがすごいし、邪悪でかっこいい。ドラムもエクストリーム。
会場である深圳B10には以前のツアーでお世話になったスタッフがいたので再会を期待していたのですが、すでに辞めてしまっており残念。
一期一会って言葉が身に沁みます。
湾岸MIDNIGHTに「いつかは あんがいと こないんだよナ」って台詞がありますが、別れ際は笑顔で……それが難しければせめて誠実でありたいと心の底から思いますね。
あとは少しでも多くの人と再会できるように、歩みを止めないことも大切だと思います!
と言っても後悔の数を数えてしまうこともときにはありますが……。
脱線したので戻ります。
今回のツアーは全公演70分セトリで4公演ということに戦慄しつつも気合が入ります。
-Setlist-
A Flower Is Not A Flower
見つめていたい
土踏まず
臨界
歌姫とそこにあれ
青い果実
忘却過ぎし
幕間SE from 月の恥じらい
たえて桜のなかりせば
影法師の夢
Bass Solo ~ 甘き渦の微笑
Session ~ 子守唄は潮騒
遠雷と君
キメラ
これまでいろんな国でライブしてきましたが、圧倒的に掲げられるスマホの台数が多かったです。
ステージから見えたスマホだけで80台近くはあったんじゃ無いでしょうか?
無機質なスマホの視線がスコールのように降り注いでくるのは、なんだか痛快ですね。
ライブ中のスマホ問題についてはお客さん側からも演者側からもネガティブな意見がありますし、好意的に受け入れられない人がいるのも分かります。
個人的には、今の段階ではそこまでナーバスにならず、フラットにこれが観衆の今のスタイルなのだと捉えています。
ツアーの難しさといえば照明ですね。
これまでも照明スタッフが曲の切れ目が分からず、段々要望とズレてくるなんてことはよくありました。「歌姫とそこにあれ」で照明真っ赤っか+ストロボ満載なんて悲劇も以前ありましたし。
事前に音源と要望書を提出していても、確認せずにぶっつけ本番で要望書見ながら、というのが現実だと思います。仕方ない部分ではありますね。
ただ今回はPAが明日の叙景専属だったため、現地照明スタッフが「今、何曲目?」と焦った様子で何度も質問してきても、その都度教えてあげることができたそうです(笑)
PA・照明ブースに一人でもセットリストの全容を把握してくれている人がいるだけで、他のスタッフをフォローしてもらえるので本当にありがたいです。
でも、たまにプロな仕事をしてくれる照明スタッフもいて、特に韓国公演とオランダ公演の方は曲を聴き込んできてくれたのかと思うほど仕上げてくれましたね。
ちなみにSEは和製英語のため、海外用の資料にはOvertureと記載するようにしております。
ですが今回「英語じゃ伝わらない可能性もあるんじゃない?」との疑念が新たに浮上しました。
今後は英語圏以外の国ではBGMと表記した方が吉か?ということになったので次回以降確認ですね。
いつだってコミュニケーション。
今回のツアーで正直なところ集客的には深圳が一番少なかったかな?と思うのですが、ファンからのプレゼントは一番多かったです。
パンダのぬいぐるみにラババン、そして手紙。
本当に胸がいっぱいになります。
後述しますが、今回ファンの方からのメッセージや思いを受け取り、改めて自分たち一人ひとりが歴史に参加すること、そして、国家や社会について考えていく必要性を感じました。
ツアー中の日課
ライブを終え、夕食を取った後はツアーで一番楽しいと言ったら過言な洗濯タイムです!
荷物を増やさぬよう衣服は少なくなりがちなので、とにかく暇さえあればシャワー室で洗濯するのがツアースタイル。手軽にお湯で洗えるから楽。
また、深圳のユースホステルは旅人向けの作りだからかベランダがあるので助かります。
2日目 広州 SD LIVE HOUSE
広州の思い出
翌朝、洗濯物の乾き具合を確認しつつベランダでゆったり。
街路樹が多く、草いきれの香りがとても心地よいです。
深圳からツアーバスで3時間ほど移動して2日目は広州。
広州にはSD LIVE HOUSEという中国で一番好きなライブハウスがあるので本当に楽しみ。
キャパは300ほどと一般的なライブハウスの規模感でサイクロンとアンチノックを足して2で割ったような「まさにロックやメタルをやるアンダーグラウンドなライブハウス」という雰囲気の会場でした。
実は以前のツアーでの印象深いエピソードがこの会場にはあります。
最後の曲である「石榴」の中盤でケーブルが断線して声が出なくなったため、語りパートではマイクを手放してノーマイクで表現しました。
(音が出なくなったマイクを持って歌うのをかっこいいと思わない派のため)
何も持たずただステージ上で語り始めたときは(これは最後までノーマイクかも……)なんて思ったのですが、スタッフが速攻で駆けつけ、ケーブルを交換してくれました。そして語りパートがそろそろ終わりに差し掛かったとき、2階PA席のエンジニアがこちらへとサムズアップ。しっかりと最後はシャウトを聴かせることができました。
いやはや、ドラマチックな展開ですね。
スタッフの皆さんの判断の速さと手際の良さ、そして配慮に感服しました。
で、今回も思い出の地にカムバックできるかと思いきや……移転してました。
しかもキャバ600〜700くらいのデカ箱にリニューアル。出世したね。
ただ、当時踏んだお立ち台が移設されていてちょっと感激。
ライブレポート
ダイバーが続出し、中にはステージ上でこちらにハグしてくる人も……。
最もお客さんとの距離が近いライブだったと思います。
熱気に当てられて人生初のスマホジャックもしてしまいましたしね。
スマホの持ち主さんはiwdrikoさん。
これで僕もInflamesのアンダース・フリーデンだ!
サイン会ではお馴染みのバンTやエヴァTを着た人が並ぶ中、今回印象的だったのがチェンソーマンのTシャツを着た人が多かったことですね。特にマキマさんのTシャツが。
しかし、写真に関してもまた他の国とは異なる傾向がありまして、とにかくボーカルを狙い撃ちしてくるんです。
カメラマンから送られてくる写真がボーカルのみで楽器隊の写真がないこともあり、ちょっと動揺しましたね。
事前に「全員をバランスよく撮ってくれ」ってお願いしておいた方が海外ツアーのときはよいかもしれません。
ただ、みんな写真を撮るのがとにかく上手い!
ツアーマネージャーが依頼してくれた人だけじゃなく、お客さんが撮ってくれた写真もかっこいいのはすごいですね。撮り慣れている人が多いのでしょうか?
Drs.齊藤 補足コメント:中国メーカーXiaomi社による超高性能カメラ搭載のスマートフォン「Xiaomi 14 Ultra」を持っている方がちらほらいらっしゃいました。
未知との遭遇
ライブが終わったのが遅くレストランはどこも閉店してしまっており、デリバリーを頼むことに。
ツアーマネージャー曰く、部屋に届けてくれるとのことだったので待っていると部屋の電話が鳴りました。そして玄関へ出るとそこには……。
ロボットがおりました。
そしてボタンを押すと中にはホカホカのご飯。
どうやらデリバリーした食事をスタッフがロボットに入れて、ロボットが部屋まで届けてくれるシステムらしいですね。
海外のホテルはルームキーがないとエレベーターが動かないので効率的ですね。
このロボ、日本のホテルにもあるのかな?
歴史に参加を
深圳と広州でサイン会を行い、ファンの方々と直接お話しすることができました。
ライブと楽曲について賞賛してくれる人が多い中、国の違いと断絶に関する思いを、ときには口で、ときには手紙で伝えてくれた方がいました。
「中国には残念なことに日本が嫌いな人もいる。でも音楽は人をつなぐ」「音楽は自由であり、異なる国籍であっても、人と人のつながりを簡単に断ち切ることはありません」
このようなデリケートなことを言葉にするのは、とても勇気のいることだと思います。
僕たちは自分の人生のために音楽をやっています。
ただ、こうして海外でライブしたり、何かを表現することで少しでも個人の範囲にとどまらない意味が生まれることを知り、自分の行動に責任を持たなくてはいけないとも思いますし、小さなつながりを得られた喜びも感じます。
なにも教科書に残るようなことをしているわけではありませんが、僕たちがこうしてツアーをして、不慣れな英語でコミュニケーションを取ることには意味があり、歴史に参加していると信じたいです。
あとがきにかえて
広州のホテルの朝食とてもおいしかったです。
お粥、オレンジ、ミニトマト、スイカ、豆乳、点心(あんまんが特に良い)でしっかりとエネルギー補給できました。
ありがたいことに食には困りませんね。
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ライブ情報
2024.7.6(土) 新代田 FEVER
くゆる pre.「SHIV」
https://t.livepocket.jp/e/kuyuru_shiv
2024.8.18(日) 渋谷CLUB QUATTRO
RAY presents「Destroy the Wall」
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=J6120008
2024.9.29 (日) Veats Shibuya
2024.10.6 (日) 大阪バナナホール
Imperial Circus Dead Decadence×明日の叙景 2MAN SHOW
『神産む嵌合体と詩葬の彼岸』
イープラス
https://eplus.jp/sf/word/0000116379