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【乳がん 治療の記録】#05 しこりの自覚からラジオ波選択まで その2

マンモには映らず、エコーだけに映ったがん

手術する病院は、乳腺外科のウェブサイトがしっかりしていることと、通いやすさの点から横浜の総合病院に決めました。
転院最初の担当医は、小柄でショートヘアの40代くらいの女医さん。
見た目が自分と似てて、他人と思えず、もうそれだけでこの病院にしてよかったと思ってしまった(笑)

前のクリニックで撮影したマンモグラフィーとエコーの画像を見せてくれたのだけれど、私の腫瘍はマンモグラフィーには映っていませんでした。
患部とは反対の右乳房の石灰化ははっきり映っているのに、左の腫瘍が映らないなんて。
一方エコーでは黒い影となっているのがシロウトにもわかりました。
乳がん検査はマンモとエコー両方やる必要がありますね!

細胞検査の結果、サブタイプ(がんの性質)は「ルミナールA」。
乳房部分切除の手術をした後、放射線治療とホルモン治療を行う、という基本の説明を大変わかりやすくしてくれたのだけど、このときはまだラジオ波のラの字も出てこず、私も腫瘍は「摘出」するものとしか思っていませんでした。

その後、MRI、CT、採血(6本!)と検査が続き、検査で具合が悪くなりましたが、幸い他への転移がないことがわかり、いよいよ手術の具体的な話へ。
とここで主治医が交替することに。
彼女は外来のみ担当なので、執刀は自分の大先輩に引き継ぐとのこと。
いい先生だったのに残念・・・。

保険適用されたばかりの「珍しい」手術

MRI(※)の結果、9mmと言われていた腫瘍は正確には14mmと判明しました。

※MRIはがんの広がりを正確に見るための検査。うつ伏せになって乳房を器具の中に入れ、造影剤を静脈注射して撮影します(この状態で轟音の洞窟の中で20分以上耐える!)。そうすることで、仰向けになって検査するエコーより腫瘍の状態がより詳しく見えるのです。結果、がんは後ろの方にも筋状に伸びていて、エコーの診断時より大きいことがわかりました。

引き継がれた現主治医から説明を受けた手術方法は、まず乳房温存か全摘かの2択。

「部分切除でいけますが、一回で取りきれず、二回手術することになる可能性が5%あります。二回手術を受けるのがいや、放射線治療も受けたくないということであれば全摘になります。」

とのこと。いやいや、部分でお願いします。

「部分の手術をする場合ですが、ほんとに腫瘍が小さい人は..」

と最後につけ加えるように説明してくれたのが、ラジオ波焼灼療法でした。

熱が出る針を腫瘍にさして、切らずに「焼いて」直す方法。
腫瘍が15mm以下の人に限るので、14mmの私にはできる。

欠点は、
・70〜90度の熱で焼くので、皮膚に近いところに腫瘍がある私はやけどをする可能性が高い。
・やけどの治療のための手術が必要になる場合がある。
・患部は、肉を焼くのと同じように硬くなる。
・焼き残しがないか、放射線治療後に針生検をする(焼き残しがあれば切除手術)。
・乳がんは本来は10年のスパンで見なくてはいけない病気だが、新しい治療なので、臨床試験の成績が術後5年までしかない。

「切ればこのくらい(7cmくらい)の傷がつくけど、傷がつかないというのがこの治療のメリットです。」

メリットはその一点か。
切らないで済む、この大きなメリットよりも、なんだかデメリットの方が大きく感じられました。

「そんな珍しい治療やりたくない、ということであれば、普通に部分切除でいいんですが。」

切除でいいです!と言いたいところでしたが、前にも書いたように、ラジオ波は私にとって「珍しい治療」ではありませんでした。

「義理の母がラジオ波でがんの手術を受けたことがあって・・・」
「ああ、肝臓がんでしょ?肝臓がんでは保険が通ってたんですよ。乳がんでは今回新しく保険が通ったんです。」

後でわかったのだけど、乳がんでラジオ波が保険適用されたのは2023年12月。
この時点でまだ1年だっていませんでした。
ラジオ波でやるなら、ラジオ波に慣れてる医師にサポートで入ってもらうとのことで、主治医も未経験の手術!

ちょっと怖いけど、夫はもしかしたらラジオ波を推すかもしれない。
自分の母親を救った手術だから。
その場では結論を出さず、次の外来までに決めることにして診察室を後にしました。

来週は夫も同伴で手術の説明を受けることに。


★ラジオ波を受けられる条件はこちらで詳しく書いてます。
ラジオ波焼灼療法で乳がん手術をしました

★ラジオ波のデメリットはこちらで詳しく書いてます。
【乳がん 治療の記録】#02 ラジオ波焼灼療法のデメリット