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第1回 産業医大まるはだか!〜結局産業医大ってなんなん?編〜

この記事の読了時間は約5分です。
主に受験生、産業医科大学についてほぼ知らない方に向けての記事となります。


1. はじめに

こんにちは。記事を開いてくださりありがとうございます!産業医科大学医学科で学生をしております、産業医のたまごと申します!よろしくお願いします。

本記事の目的は知名度全医学部の中で最低、謎に包まれた産業医科大学について学生目線から数回にわたってお伝えします。

この記事ではよく持たれる疑問に対して短めに回答し、次回以降の記事で各々をより詳しく説明します。
受験生の参考になるように、ホームページより突っ込んだ内容を心がけます。

この記事は産業医のたまごの独自の解釈を多分に含みます。産業医科大学公式の見解と異なることもございますのでご了承ください。

面接対策には心許ないですよね。このホームページ。大学の主な概要は上記のホームページやWikipediaに載っているのでここではあまり語りません。

ホームページを読みたくない方は、産業医大は産業医を育成するための大学で、そのための教育・臨床・研究を行なっている機関くらいの感覚で大丈夫です。


2. みんながめっちゃ気になること3選

2-1. 産業医にしかなれないの?

そんなことありません。卒後の進路で産業医を専門とする、専門産業医コースⅠ(通称コース1)と臨床医を専門とする専門産業医コースⅡ(通称コース2)が分かれています。
もし臨床医になる人がいなくなってしまったら、大学病院が潰れてしまいます!
ただし義務年限を終えるためには専属産業医を2年行うことが義務の一つとなっています。

2-2. 産業医科大学入学のメリットってなんなの?

制度面

  • 卒業と同時に産業医の資格が得られること。(他にもさまざまな入手ルートが存在します)

  • ガチ強固な産業医ネットワークが得られる。

  • 労働衛生コンサルタントの筆記試験免除

  • 大学が就職先を斡旋してくれる。(卒業生専用の就職サイトがあり、普通のサイトより好案件が多い)

教育

  • 教育によって自然と予防医学の視点が身につく

  • 他の大学にはないカリキュラム。普通の医学に加えて産業医学を6年間かけて学べます。5年次の産業医学現場実習(通称:現場実習)はめっちゃ楽しい!

  • 得意な部分に特化した尖った大学なので、大学併設の産業生態科学研究所での産業医学関連の研究も盛ん。

  • コース1(産業医メインのコース)は産業医のさらに深い専門領域を業界トップランナーから指導を受けられる。(騒音、熱中症、粉塵、健康経営、人間工学など)

  • 公衆衛生分野がかっこいい。最先端のビッグデータ解析を行なっていて、アツいです。

  • 教授が独自のセミナーを開催していたり、産業医と熱く語るなどのイベントが開催されており、意欲があれば産業医に関してより多角的に学べます。

生活

  • 福岡県北九州市に立地しており、ご飯がとにかく美味しい。

  • 新しい趣味が色々見つかる環境(私は関東の都市部出身ですが、インドア・アウトドア新しい趣味がたくさんできました)

進路

  • 社会医学系専門医や産業衛生専門医を取得可能

  • 大企業でホワイトな勤務ができる

  • 臨床後の先生も産業医に転向する人が多い

以下、私が大学で尊敬する先生による、産業医になるにあたってぶつかる障壁の記事になります。産業医に興味がある方はこちらも是非ご覧ください。

2-3. 産業医科大学入学のデメリットは?

制度面

  • 縛りがあること。

  • 学費が高めなこと(修学資金制度を使って1100万円くらい。その他奨学金も充実しています。修学資金制度加入はほぼ義務なので、よく書いてある3000万円は間違えといって差し支えないです)

  • 修学資金制度で借りたお金を返した場合、専門医が取れなくなる可能性がある。(不同意離脱問題)

教育

  • 産業医学の実習や厚労省による度重なるカリキュラム改定で、4年次以降の夏休みや春休みが少ないです。時間割→https://www.uoeh-u.ac.jp/Student/medicine/jikanwari.html

  • 進級がやや厳しい?

  • 進路を選ぶ(入局先を決める)のが早い(上記縛りの関連)

生活

  • 車がないとちょっとだけ不便。(でも友達に乗せてもらったり、バスも特急もあるので移動には困らない。普段の生活は徒歩5分圏内にお店がいっぱいあるので困りません!コストコも近いです!)

進路面

  • 臨床医を目指す場合は産業医科大学の医局に入局することになるので、他の大学や市中病院の医局に義務年限後でないと行けない。(例外あり)

3. よくある質問・注意点

Q.縛りって実際きついの?

A.進路による
今後の記事で詳しく解説します。
概要を言えば、上記のコース1に行けば縛りはないに等しい。コース2だと基本的には産業医科大学の医局に所属することになり、医局人事の中で動くことになります。人によっては結構きついです。

ただし、これには大学も公式には教えてくれない例外が色々あるので、普通の地域枠とは異なる部分がかなりあります。

大学としては臨床医には北九州周辺にいて欲しそうな目で学生を見ています。

Q.結局私立なの?国立なの?

A.私立です。
ただし設置者が厚生労働省であり、運営費用は企業が納めている労災保険料から支出されています。そのため私学助成金は受け取っておらず、公的な大学とは言えそうです。
(学生の立場から言えば私学助成金を受け取って学費を昔の国立並みの学費に戻して欲しい)

Q.マッチング(初期研修の内定)に不利って本当?

A.一部そういう病院もあるが、意外とそうでもない。
現在の制度では産業医大の卒業生は初期研修病院は自由に選べますが、医者3年目には本学に帰ってくることになるため、初期研修の後の後期研修にその病院に残らないことになります。

そのため産業医大の卒業生は医者3年目以降、せっかく育てたのに自院で戦力にならないのでマッチングで敬遠される、という話題です。

これは近年解消されつつあります。なぜなら全体的な流れとして初期研修と後期研修を別々の場所でやることが増えてきているからです。確かに絶対に採用してくれない病院もありますが、それはもう学校側もデータをとってある程度把握しており、そんなことをするような病院には行かないほうがいい💢というスタンスで進路指導されます。笑

Q.進級きついって聞いたけど。

A.ストレート卒業率から見ればやや厳しいかもしれない

あえて数字は出さず肌感で書かせてもらいますが、意外とそんなに厳しくない。学生間で過去問を共有するツールなどは完備されており、先生も救ってくれようとします。

少数かわいそうな形での留年(病欠やどうしても一つの科目試験との相性が合わなかった)もありますが、大多数は出席日数や再試験で舐めプしたなど落ちるべくして落ちており、この人ならしゃーないなとなることが多いです。

4. まとめ

最初の記事のため概要しか書けず、言葉足らずや読みにくい部分があったかと思います。産業医大進学は進路を狭めるとの意見もありますが、個人的には中身を知ったらそうは言えないだろうと考えています。

今後は制度面、教育面、学校生活、進路などについて最新の情報をお伝えしたいと思いますのでぜひご覧ください。

疑問に思ったことがあればXにて是非教えてください。
謎の学校とはもう言わせない!今後の投稿にもご期待ください。


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