町のダークサイド(というほどすごい話では、ない(^_^;))
毎日暑いし、西と南に台風( ;´Д`)
身辺・心身とも穏やかでない夏。
高校野球をぼんやり見ながら、心は焦る。
早く、早く進めなければならないのに
無闇に進めると傷つける人がいることを考えると、がつがつ動けない。
…そんなこと思いながら、高校野球に話は立ち返る。
高校野球を見ていて思い出すことがある。
私の実家がある県の出場高校は、毎年だいたい同じである。まぁどこもそうだろうが、私が住んでいた地域からかなり近いとこの高校がよく、甲子園に出場していた。
高校生時代、自分の通う高校が、甲子園に行かないかと夢見るのは普通ではないだろうか。
私も夢見た。
だから近くの高校が度々甲子園に行くのを羨ましく思っていた。
「今年も◯◯学園だ。いいなー。私も町の人総出で、一緒に甲子園に応援に行ってみたいなー」
それを聞いていた母が、ぼそりと言った。
「◯町の商店街の人たちって大変なんだと。
毎年出場することになると、やれ部員だ応援団だの旅費や泊まり賃のためにがっぽり寄付取られるから、一回戦でさっさと負けて帰ってきてほしい、って言ってるってよ」
、、、えっっ( ̄O ̄;)
甲子園行くって、自費じゃないの??
まさか、関係ない人が出さなきゃならないの??
それって大変じゃん‼️
いや、これはものすごく昔の、母が言ってたことだから😅 果たして本当なのかわからないが、しかしあの口ぶりには真実味があった。
普通に考えても、全国から甲子園に毎年大量の人が招集されるのだ。タダってわけにはいかないんだから、それを誰かが負担してるわけで。
勝ち残れば残っただけ、滞在費がかかる。
みんなどうやって工面してるのだろう??
裕福な家ばかりではないはずだ、、、
甲子園を夢見ることは美しい。
が、その裏でそれを実現させるため、お金を出してる人がいることを思い知った夏だった。
また、小さな町の選挙。(メインは、こっちの話題かも)
これは簡単にダークサイドを垣間見ることができる、ある意味ブラックな祭りだ。
昔、選挙となると、実家の前の道は絶え間なく選挙カーがねり歩き、けたたましいうぐいす嬢の掛け声が飛び交った。
またそのうぐいす嬢が、向かいのセブンを経営してるとこの奥さんだとか、知人がめちゃ絡んでいる。
うちの家の隣の◯◯建設の広い前庭は、恰好の演説場で、部屋に居ながら選挙人の演説がガンガン聞こえた。
それでも、うちの親や祖父などは顔を出さないわけにはいかず、最前列で聞いてたものだ。
私など小さい頃、党の違いも全然知らず、選挙カーの前で手を振ったりくるりと回ってみせたりしてた。
「そこの小さいお嬢さん!ありがとうございます!◯◯京子、頑張ります!!」
家に帰って、「シタダ◯子ってヒトに挨拶した。
ハッピャクイタってひとも通った」と親に報告すると、
「下田◯◯は◯産党だ。あれはヤオイタって読むんだ」
と言われた。私は選挙で漢字を覚え、ワケわからないまま賑やかさを楽しんでいた。
だんだん成長してゆくと、更に選挙の陰の面白さを知る。
母が婦人会で、立候補に立った人の世話人?みたいのを任されてからだ。
選挙前になると、町の一角に立候補者の拠点?が構えられ、そこで町を巡ってきた候補者や諸々の人が休む。それをお世話するのである。
日中、2名くらい婦人会のメンバーが入れ替わりながらそこに詰めてお茶や軽い菓子、またちょっとした弁当や料理を作ったりして労う。
当然、そういった経費も候補者の留守中婦人会メンバーが任されることになる。
昔は今より選挙にかけるお金がおおらかだったので、ええっ!と思うかもしれないが、どうかあまり厳しく構えず読んでほしい。
一度、親戚の叔母と母が詰所にいた時、腹が減ったのでスパゲティを近所の店から出前を取ろうと叔母が言ったそうだ。経費で落としてしまえばいい、と。
ところがちょうど候補者が帰って来たところにスパゲティをがっついている母達が目撃されてしまったとか(-。-;
またいつぞやは、近所のAさんが候補者をやけに甲斐甲斐しく応援し、せっせと詰所に通っているとか、労いに酒2本持って来たとか、母が不審そうに話していた。
そして後に私に耳打ちしてきて、
「Aさん、娘のMちゃんの就職、Tさん(立候補者)に頼んだらしいよ」
えええええ〜( ̄◇ ̄;)⁉️
そ、そこまで厚かましいことするとは‼️(・・;)
まるで寄生中みたいだな、、、。
しかし候補者は一票と信頼のため、無下にできないらしい。
数日後、母と何かの用事で候補者に会うことがあった時、忙しそうに動き回りなからTさんはAさんに、
「そうそう!えーとMさん!Mさんのこと!◯◯に頼んでおきましたから!」
とでかい声で事務的に言うのを聞いた。
なんだこれ。公然の秘密なのか??
母に連れられて私はちゃんと挨拶した。
T氏は私を見て、よいお嬢さんをお持ちだ、とにこやかに言った。
また、伯母が中心になって世話役をやった時は、肝心の投票日に途中まで開票速報を見て、
「あ、こりゃダメだな」
落選だと思い見切りをつけて伯母は帰ってしまった。
ところが夜も更けた頃、開票が終わると当選していた!
母は慌てて伯母に電話をかけ、「Miちゃん、Tさん当選したよ!!」伯母はビール飲んでとっくに寝ていたらしい(-。-;
また、どの候補者の時かわからないが、母が世話役の時こんなことがあった。
ちょうどいい筍があるので、筍ご飯を作って弁当を人数ぶん作ろう、ということになった。
詰所では料理できないので、うちの実家の台所で作ることになった。
それはそれは美味しく出来上がったそうだが、後からもっと人数が多いことがわかり、どうしよう!!ということになった。
母は、追加でもっと筍ご飯を作ろう、と言った。
しかしその日の相方のご婦人は、
「白ご飯あっから混ぜっぺ」
と言ったそうだ。
母は反対した。そんなことをしたら不味くなる。
だが結局、数を揃えるほうを優先したらしく、相方の意見に従った。
母はとても不満そうだった。
遅れてもいいから、皆に美味しいものを食べてもらいたかったんだろう。
詰所では何度もいろんな料理を振る舞ったらしいが、母の料理は評判良かった。
一度候補者の応援演説に来た上の議員が、余っていた料理を母が勧めたら
「あら!いいんですかあ??
美味しい😆‼️」
と、バクバク食っていたらしい。
選挙がおわった暁に、母は候補者から名指しで素晴らしい花束を貰ったそうだ。
なんだかんだで、選挙は面白い。
大変だけど面白い。
いろんなことあるし、人のオモテウラが見えるから、と母は楽しんでいた(^ ^)。
よくもあんな、疲れる役引き受けるなーと私は思っていたけれど、母は大変ながら楽しんでいた。
こうして私がダークな記事ネタにできるくらい。
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