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スティーブン・キング短編シリーズ8つの悪夢Ⅲ
先日アップしたⅠ、Ⅱに引き続き。
7、解剖室#4
ゴルフ場でヘビに噛まれた男が、仮死状態になっているにもかかわらず、解剖されそうになり…
これは笑えるストーリー(*^ω^*)。
意識はハッキリしているのに動けない。解剖医は、彼が死んでいると思って好き放題彼の目の前で所見を述べ、雑談し、愛を語り😅
いつ自分の身体にメスが入り切り刻まれるかという恐怖! ギリギリのところで何かしら邪魔?が入り中断し、命長らえる😰
もし自分がこんな状態に陥ったら、と思うとぞっとする(-。-;
8、ロックンロール・ヘブン
車で旅行中の夫妻が道に迷って見知らぬ町に辿り着く。オレゴン州の“ロックンロール・ヘブン”という名の町。すでに亡くなったはずのロック・スターたちや、無名のバンドもいて、おかしいと気づき逃げ出そうとするが…。
劇中のヒロインが言う通り、まさにトワイライト・ゾーン。
紛れ込んだロックンロール・ヘブンという街は、妙に小綺麗でカラフルな街並み。作り物そのままな感じなのだ。
だが歩いているひとたちは、訪れた彼らを凝視し、妙に表情が暗い。危険な雰囲気のロックバンド風の男達に見覚えがある、とヒロイン。
ダイナーに入ると、そこには死んだはずのシンガーやロックスターが!!
面白いのは、死んだ人間と共に間違って紛れ込んだ生きている人間が共存している、ということ。
だが この街では時間の流れが狂っているらしいから、既にこの街にいることで生きていた人も死者同然になってしまったのだろう。
「あの世」の境を越えてしまったのかもしれない。ロックンロール・ヘブンとはそういう街だから。
こんなことになったのも、この夫婦の夫が脇道ばかり選び、決して人に道を訊かず奥さんの言うことに耳を貸さない自信過剰な性格だからなのだが、私はもう、ロックンロール・ヘブンに辿り着く前から夫婦のやりとりにイラつき不安を感じていた。
スティーブンキングは、ごく普通の家庭にありがちなこんな問題をよく解っていて、それをきっかけとして使っている。ぞっとするほど的確に。
そう。恐怖は我々のすぐそばにあるんだよ、と。
気を抜くと、そこから容赦なく魔は忍び込んでくるんだと。
スティーブン・キング。さすがである!