Juicy's バーガー
※画像はイメージです。シンプルなバーガーの画像がなかったのでお借りしました
バーガー記事を書いてると次々思い出す。
私がアメリカのテキサス州東部、T市に住んでいた間のこと。
チェーン店のバーガー屋は勿論だが、町には一軒、独自に店を構えるバーガー屋があった。
チャーチに通う人に「ねえ、美味しいバーガー屋ある?」と尋ねると、みんな口を揃えて「ジューシーズ!」と言ってたのを思い出す。
Juicy's
それが店の名前だったと思う。間にeが入ったかもしれないが、とにかくそういう名前だった。
店はダウンタウンから少し東に行ったところにある。店の前を通ったことがあるので場所はわかっていた。
行ってみると、店内に入るとまず、広いフロアの奥にカウンター。
人々はカウンターにずらりと並び、そこで注文する。右手奥がテーブル席。
店内は横長の長方形、左手前から入ってまず注文し、ざっくり仕切られた右のテーブル席で出来上がりを順番に呼ばれるのを待つ。
「welcome to Juicy's!!」
店員さんの元気な声が響く。
メニューは単純で、肉はビーフ100パー、それにフレンチフライ、飲み物(ソーダ)。サイズを選ぶくらいだった気がする。
厨房のコックは、注文を受けてから肉を焼く。
15分くらい待ったろうか、番号を呼ばれて取りに行く。
覚えている限りバンズには焼かれたオニオンとそしてビーフ。それしか挟まってなかった気がする。客は店の隅に置いてあるケチャップやマスタードを好きなだけ載せる。
ビーフには油が滴っていた。
ポテトも、量産品でない企画外の荒削り感がある。
全て自家製、って感じだ。
こんな油ギトギト?と思ったが、食べてみるとそうでもない😳これは肉汁か?
まず肉がアツアツで、ほんとに作りたて!って感じ。
変に味付けしてないとこがそっけなくて旨い。
粗くミンチにした肉が、ざっくりした食感。
なんとも言えない…ジューシーさ。
そうか、だからジューシーズバーガーなんだな。
それと。なんと言っても特筆すべきは、入ってすぐ店の左手に置いてある大きな鍋だ。
鍋の中身は、温めてあるビーンズスープ。
「ご自由にどうぞ」と、横には小さなプラスチックカップとスプーンが。
客たちは、注文したあとそれを各々取って食べながら待つ。
これが、、、すんごく旨かった( ;´Д`)
大量に作って店頭に保温しておくのだろうが、煮込まれた豆がとろりとして、スープの色も短時間で出せる色ではない。
あまりに美味しくて、私は二度目に行った折には3杯もおかわりした(~_~;)
ビーンズスープ!
これはアメリカに置いて欠かせない食文化だと思う。
自分はチリコンカンをよく作るが、それに限らず豆料理はソウルフードに違いない。
昔のアメリカ人は豆で食を繋いでいた。
スティーブンキングの小説「IT」で、不良少年が近所のおばさんがビーンズスープを大量に作って持って来たから、食ってけ!と言って半ば強制的に仲間に食べさせるくだりがある(笑)(その後彼らは奇妙な実験をするのだが、それは言わないでおこう(-。-;)。
とにかく、ジューシーズのビーンズスープは、そのへんじゃ絶対食べられないような美味しさだったのである。辛さはまったくなくて、とにかく優しい味。豆以外の具材はあまり感じられず、とろとろだった。
思い返すと、ジューシーズバーガーは
素朴で旨いアメリカ食を提供していたのだ、と思う。
できるならもう一度味わいたい。
T市のあそこに、きっとまだジューシーズはあるはずだ。
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