会社Visionを社員に伝達する重要さ
今回は、会社のビジョンについてお伝えします。
1会社とは
会社とは、お金を稼ぎだしていくことを目的とした、人とものの集合体です。ビジョンとは、会社の将来のありたい姿です。会社に所属する社員が、共通の目標に向かって、お金を稼ぎだしていくためには、経営者から従業員に対して、会社がどの方向に向かって、歩んでいくのかを示すことが大切です。
会社は、企業価値を最大に高めることを究極的な目標としています。企業価値とは、市況の時価総額です。時価総額を決定する大きな要因は、経済価値と社会及び環境価値です。経済価値は、売上高やROICなど、社会及び環境価値は、CO2削減幅や社会インフラへの貢献度などで、評価が得られると考えられます。
2会社のビジョン
社会及び環境価値を高める活動には、国連加盟国によって採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる17の持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が大きく絡んでいることが、大切です。17の持続可能な開発目標とは以下のとおりです。
①貧困の撲滅:End poverty in all its forms everywhere
②飢餓の撲滅、食料安全保障と栄養改善の達成、持続可能な農業の推進:End hunger, achieve food security and improved nutrition and promote sustainable agriculture
③人々の健康的な生活の確保と幸福の促進:Ensure healthy lives and promote well-being for all at all ages
④包括的で公平な質の高い教育の確保と学習の機会の促進:Ensure inclusive and equitable quality education and promote lifelong learning opportunities for all
⑤男女共同参画の実現:Achieve gender equality and empower all women and girls
⑥すべての人への衛生的な水の確保:Ensure availability and sustainable management of water and sanitation for all
⑦持続可能なエネルギ―の確保:Ensure access to affordable, reliable, sustainable and modern energy for all
⑧持続的・包括的・持続可能な経済成長:Promote sustained, inclusive and sustainable economic growth, full and productive employment and decent work for all
⑨産業と技術革新の基盤の構築:Build resilient infrastructure, promote inclusive and sustainable industrialization and foster innovation
⑩国内および海外での不平等の解消:Reduce inequality within and among countries
⑪安全な都市と居住地の確保:Make cities and human settlements inclusive, safe, resilient and sustainable
⑫持続可能な消費と生産システムの構築:Ensure sustainable consumption and production patterns
⑬気候変動への早急な手当:Take urgent action to combat climate change and its impacts
⑭海、海洋資源の持続的な利用:Conserve and sustainably use the oceans, seas and marine resources for sustainable development
⑮森林の持続可能な管理、砂漠化対策、および土地の劣化の阻止と回復、生物多様性の損失の阻止:Protect, restore and promote sustainable use of terrestrial ecosystems, sustainably manage forests, combat desertification, and halt and reverse land degradation and halt biodiversity loss
⑯すべての人への司法制度の提供:Promote peaceful and inclusive societies for sustainable development, provide access to justice for all and build effective, accountable and inclusive institutions at all levels
⑰グローバル・パートナーシップの再活性化:Strengthen the means of implementation and revitalize the global partnership for sustainable development
3SDGsと会社のビジョン
上記17項目のSDGsを、会社のビジョンにどのようにつなげていくかについて、例えば、(1)持続可能な社会づくりへの貢献、(2)進化する豊かな生活づくりへの貢献、(3)環境マネジメントの徹底、(4)人材の活躍促進、(5)ガバナンスの更なる革新のような形で、整理できるかもしれません。これらを会社の事業や部門に落とし込んで目標値を掲げて、活動していきます。そして、会社の一人ひとりの従業員のコミットメントが必要になります。
(1)の持続可能な社会づくりへの貢献は、SDGsの目標1「貧困の撲滅」、目標6「すべての人への衛生的な水の確保」、目標7「持続可能なエネルギ―の確保」、目標9「産業と技術革新の基盤の構築」、目標11「安全な都市と居住地の確保」、目標12「持続可能な消費と生産システムの構築」、目標13「気候変動への早急な手当」につながります。
(2)進化する豊かな生活づくりへの貢献は、SDGsの目標1「貧困の撲滅」と、目標9「産業と技術革新の基盤の構築」につながります。このような形で、会社のビジョンをSDGsの目標と連動させていくことで、ぶれない目標で社会貢献していくことができます。
(3)環境マネジメントの徹底は、SDGsの目標7「持続可能なエネルギ―の確保」、SDGsの目標12「持続可能な消費と生産システムの構築」、SDGsの目標6「すべての人への衛生的な水の確保」、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤の構築」につながります。持続可能なエネルギー環境を作り出すためには、地球環境への負荷を削減することが不可欠であるため、会社の調達先のサプライヤーとともに、廃棄物の削減や再資源化、有害な物質の使用抑制や排出抑制を進めることが大切です。
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