野良から野生への想い
都市と野良動物たち
日本の都市部の街中では野良犬や野良猫を見かけることはほとんど無くなりました。
サルヴァドールの公道はそれに比べるとワンニャン溢れかえっていると言っても過言ではないでしょう。特に郊外地やファヴェーラの周辺は放し飼いも多く、半野良もたくさんいる模様。
都会の野良動物たちの過酷な宿命と言えば、ただでさえ交通事故が多いサルヴァドールの道端で轢かれてしまった子たちも何度見たことか。
ボロボロになってしまっていた老プードルっぽい子が家に迷い込んで来て穴蔵に隠れてしまい、私が穴に押し込んだごはんも水もほとんと採らずそのまま虹の橋を渡ってしまった時は、やるせない気持ちでバナナの葉っぱに包んで埋葬しました。
大量の野良猫たちがうろついている歩道と、その子たちにご飯を与え続けている近所のおばあさんの動画が今朝も大学のグループチャットに送られてきていました。
ボランティアさんたちの手によってその猫たちの大半は避妊手術、ノミダニ駆除、狂犬病予防接種(猫もやるんですね!?)もされているが、毎日のように捨てていく人があとを絶たないので動画とメッセージを拡散してくれとのお願いでした。
小学生時代の野望が現実化
私のいるキロンボでもできる範囲でですが飼育放棄されたり捨てられたワンたちの世話をしています。
飼育栽培委員会として動植物の世話が好きだった小学生の頃、夢はムツゴロウ動物王国就職。オカンに頼んで入れさせてもらったムツゴロウファンクラブの会報やバッジ、会員証が宝物でした。
紆余曲折のあと、40年越しの夢がいつのまにか叶い、日本の反対側の地サルヴァドールゆかいなキロンボ動物王国で動植物に囲まれまくっているとは。
動物たちはそれぞれの生をまっとうしているだけで、その子たちに感情移入したりするのは人間の勝手なエゴでもあるのです。
しかし私自身、捨てられた動物たちを「かわいそう」とか思ってしまう勝手なエゴのせいで、気づいたらそんな子たちを集めて動物王国を作ってしまいました。
野生への想い
人間の勝手な都合で都会の真ん中に捨てられてしまう子たちはゴミを漁りながら、車に轢かれる危険を犯しながら、過酷な環境でもたくましく生きていっています。
そして日本でもよくいる地域猫たちのように、コミュニティの人たちによってごはんや水をもらっている子たちもたくさんおり、駅や市場に住んでいる子たちの中には丸々と太っている子もいます。
都市部に住み野生と切り離された生活をするようになっても、人間というものは生活の中に野生との接点が欲しくなる。犬や猫というのはその接点のひとつでもあるのだという話もあります。
しかしもともと君達と我々は草や木に囲まれながら同じ動物として共存していたのだから、みんな野生のままでいたら捨てた捨てられただの関係無く、生きて死んで行っただけなのでしょう。
そんな勝手な思いもあってキロンボではなるべく動物たちに自由に生きてもらっています。そしてそんなわけでやむを得ずみんなお行儀が悪いのはご愛嬌。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?