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好きはつながる!オタフクソースとデーツの親密な関係

友人とエジプト料理を食べに行った日のこと。
彼女がその店を選んだ理由は、あるゲームにハマった推しキャラの好きなご飯がエジプト料理だったからだそうだ。

なんとも微笑ましいきっかけで、私はそんな友人と一緒に未知の味覚への冒険に胸を躍らせていた。

料理が出てくるまでの間、お店側の心遣いで提供されたのが、ドライフルーツの“デーツ”だった。

“デーツ”。

もちろん、初対面。
友人も同じようで、恐る恐る一粒を手に取った。

口に入れてみた瞬間、思わず驚きの声が漏れた。

“甘い!これ、なんてうまいのか!”

デーツは、プルーンに似た柔らかな甘みと、黒糖のような深いコクがある。乾燥フルーツ好きの私にはドンピシャの味だった。

最初は遠慮がちに食べていたが、次第にその魅力に取り憑かれ、気づけば友人の分まで食べ尽くしてしまった。

その後に続いたエジプト料理の数々も美味しかったはずなのに、デーツの衝撃が大きすぎてほとんど覚えていない。
とにかくその日から私はデーツに夢中になった。

帰宅後、最寄りのスーパーを巡りデーツを探し回る日々が始まった。
そして見つけたときの感動と言ったら!
“あった!これこれ!”と、思わず5袋をまとめ買いしてしまった。

デーツにハマった私は、それがどんな食材なのかを調べていくうちに、驚きの事実を知ることになる。


なんと、お好み焼きに欠かせない“オタフクソース”が、1975年からデーツを使い続けているというではないか!

オタフクソースは、私にとってもはやお好み焼きそのものといっても過言ではない。
あの甘み、あのコク深さがなければ、お好み焼きを食べた気がしないほど愛用している。

そのソースの奥深い甘みの正体がデーツだと知った瞬間、私の中で“好き”が一つにつながった。

エジプト料理から始まったデーツへの愛、そしてお好み焼きソースへの愛。

それまで無関係だと思っていた二つの“好き”が、見えない糸で結ばれていたことに気づいたとき、なんとも言えない嬉しさが込み上げてきた。

好きなものがつながっていると知ること。

それは、心の中に小さな灯がともるような感覚だ。
これまでそれぞれに感じていた喜びが、一本の線になり、もっと大きな幸せになる。


どうしてこんなにも嬉しいのだろう?

おそらく、それは私たちが好きなものに込めた思いや記憶が、世界のどこかで交差しているのを発見したときに、広がる安心感と喜びにあるのかもしれない。

そのつながりを知ることで、世界が少しだけ広がった気がする。
次のお好み焼きは、いつも以上に美味しく感じる予感がする。

さて、またおやつにデーツを食べながら、夕飯にお好み焼きのことを考える。


こんな経験はないだろうか?

ふとした瞬間に、全く別々だと思っていた好きなものや出来事が不意につながる感覚。

それを見つけたときの、あの特別な喜びを。

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飛鳥井はる
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