ミミズコンポスト始め

 20年くらい前、那須に越してくる前に買った「英国式田舎の作り方」という本で初めて知ったミミズコンポスト。それは、底が網になっている四角い木製の箱に、下にネコ(一輪車)を入れられる高さの足が付いているものだった。中はもちろん土とミミズ、底の網の上に外側から動かせるスクレーパーが付いていて、ネコをコンポスト箱の下におき、スクレーパーを動かすとミミズ堆肥が網から落ちてネコに積まれ、生ゴミは箱の上から足して行くのでミミズは餌を求めて上に上がって行き、ミミズは傷ついたり堆肥と一緒に落ちたりはしないという。

 生ゴミは、本来土に還すべきもので、遠い外国から莫大な費用をかけて運んで来た石油を使って燃やすなんて馬鹿らしいと言う気持ちがあって、コンポストは長年いろいろやっている。枠だけ作り、生ゴミと落葉を積んで行く簡単なもの、電気乾燥式のもの、電気で保温した容器にピートモスを基材にして生ゴミを入れて毎日撹拌し、ゆっくり発酵させるものなど。枠だけのものは、冬には凍ってしまったり、ネズミが入り込み、私ではないが友人がその堆肥をフォークで撹拌していたら野ネズミ母さんをフォークで刺し殺してしまったという話を聞いてびびり、愛せなくなってしまった。後者2つは今でも自宅と工房で使っていて便利だが、電気を使用する所がどうしても気に入らないのだった。しかしミミズという生き物を使ったコンポストはそれらとは違う、楽しそうで、電気も使わない。長い間の憧れであった。この度、工房の隣地を畑にする事となり、ダンナの友だちからのアドバイスもあり、今まで畑仕事やミミズコンポストに興味の無かったダンナもその友だちの畑仕事への熱に感化され、20年越しのチャンス到来。

 2021年6月17日(木)シマミミズ500匹が到着。ミミズたちはどれだけ数がいるのかわからないグジャ〜とした団子状で、生まれ育ったウッドチップ堆肥と共に発泡スチロールの容器に入れられてやって来た。容器には四角い空気穴が空けられ、その穴は生ゴミの水切り袋を二重にした不織布とガムテープで塞がれていた。あらかじめ用意して置いた発泡スチロール製の手作りのお家にミミズ団子投入。床は、ココピートというヤシの繊維がいいと読んだが近所になかったのでピートモスでも良かろうと、薫炭を一握り、ピートモスは酸性なのでph 調整のため牡蠣灰をパラパラ、細くちぎった段ボール紙も足して、水分を調整してよく混ぜて、上に乗せる新聞紙も細くカットして準備オッケー👌数日前から用意してミミズの到着を待っていました。

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 いろいろいろいろネットで読み漁ったところによると、居心地が悪いとミミズちゃんたちが脱走するらしい。500匹のミミズが脱走😱考えただけでも恐ろしいし、環境がもっと悪化するとミミズが全滅するとの事。私の用意した家を気に入ってくれるだろうか?3段重ねで1番下の段は液肥受け、2段目に用意した床土とミミズちゃんを投入。もう1段床土を重ね3階建てのミミズちゃんのお家です。3段目がミミズちゃんのふんでいっぱいになったらもう1段増やして、それがいっぱいになる頃には、1番下の床土が栄養満点のミミズちゃん堆肥になっているそうです。温度変化が少ない方がいいかと断熱性の高い発泡スチロールのトロ箱に直径2mmの空気穴をたくさん開けて上2段は底を抜き、ミミズちゃんが上下に移動できるようにプラのメッシュを挟んでいます。

 ミミズをネットで買うなんて、、近所で捕まえればいいじゃん。と思っていましたが、この辺のような森林にはシマミミズはいないようです。腐葉土を掻き分けて探しても、フトミミズはいくらでもいますが、シマミミズはいない。誘き寄せようと野菜屑を地面に埋めて見ましたが、全く来てくれない。牛舎などにはいるかもですが、酪農家のところへ行って牛糞の山からシマミミズを探させてくださいとお願いしに行く勇気もなく、近所の釣具屋で釣り餌のミミズを買って来ようかとも思いましたが、調べると釣り餌のミミズはシマミミズと外国産のアカミミズを人工交配したものらしく、人工交配させた繁殖力の強いミミズを私の不注意で自然界に放つ可能性があるのはちょっと考えもの。結局日本産のシマミミズをネットで購入しました。

1日目 大脱走 心を込めて居心地の良いミミズちゃんの住処を作ったつもりでしたし、昼間は全然脱走しなかったので大丈夫かな?と安心していたが甘かった。夜になると発泡スチロールの真っ白な箱の表面に何か黒いニョロ線がいっぱい!😱ぎょえー!あれってミミズ⁈ほとんど隙間なんてないはずなのにどっから?2〜30匹くらいは居たかな?パニクって呆然としていたらダンナが手で捕まえ始めたのを見て我に返りました。ううう〜、やっぱり初日はダメか。しっかし1mmもないような隙間から出ちゃうんだ…ミミズの能力に驚きです。ミミズスゲい。この能力で土の中を耕すのか、と感心しきり。いやいや何とかせねば。外が明るいと光を嫌うミミズは脱走しないと読んでいたので、家の中に入れて一晩中電気をつけっぱなしにするか…しかし電気をつけていてもなお脱走されたら、朝お店中に蠢くミミちゃんたち…ダメ、無理。隙間という隙間をテープで塞ぎ、3段重ねの発泡スチロールのお家を丸ごと大きな段ボール箱に入れて外に出して置きました。これが毎日続いたら、、、

2日目 昨夜の有り様が浮かび、ドキドキでそっと段ボール箱の蓋を開けてみると、お?予想していたほど脱走していない。10匹くらいかな。脱走したミミズたちは、段ボールに水分を吸いとられ瀕死の状態です。一応動いていたので急いで竹箸でつまみ上げ、お家に戻しましたが助かったのかどうかはわかりません。段ボールの上は、水分が吸い取られミミズは長くは歩けないことがわかったし、二重に断熱してミミズたちには良いだろうとこのまま段ボール箱に入れて飼うことにしました。

3日目 そっと蓋を開けてみる朝はドキドキです。今朝はグーンと減って脱走者は2匹。だいぶ落ち着いてくれたのかな。

4日目 脱走者ゼロ。少しずつ餌をあげてみることにしました。甘いものが好きらしいのでバナナの皮を刻んで入れてみました。ほーらミミコたち♡ここは、美味しいものがあって良いところですよ〜。

5日目 脱走者ゼロ。キャベツも少量入れてみた。バナナの皮を食べている様子はない。

6日目 脱走者ゼロ。まだ餌を食べている様子はない。卵のからも握りつぶして入れてみた。

7日目 脱走者ゼロ。餌を食べていないようなので餌やりはせず。脱走しなくなったようなので、ベタベタに貼ったテープを取って、1番下の液体受けの様子を見てみた。液体は溜まっておらず、ミミズも落ちていなかった。

6/24(木) 8日目 昨日までは、餌を入れた1番上の層にはミミズがいなかったが、今日は何匹か上がって来ていた。餌を食べ始めたのだろうか。

6/25(金) バナナの皮の下と、ちぎって入れた段ボール紙の下にミミズがいた。竹箸でそっとめくるように土をどかすと、素早く潜る。

6/26(土) 昨日とさほど様子は変わらない。餌も目に見えて減ってはいないが、卵の殻の下にミミコが居た。霧吹きで水分を足した。

6/27(日)1番上の段にいるミミズの数が少しずつ増えているようだ。

6/28(月)今日から数日留守にする。ミミズもだいぶ落ち着いたようなので、突如脱走したりしない事を願う。好物だというバナナの皮でも多めに入れておこうかとも思ったが、帰ったらコバエが大発生していたら怖いのでやめた。

7/1(木)数日の留守にも特に変わった様子もなく安堵。ミミズたちが最上階へ登って来る数がじわじわと増えている。1週間前には、ミミズはいないかとあちこちほじってやっと3〜4匹見かける程度だったのが、どこをほじってもミミズを見かけるようになった。何しろ500匹もいるはずなのだから、それでも断然少ないのだが。。。2階でミミズ団子になったままなのだろうか?

7/2(金)昨日と変わらず

7/3(土)見かけるミミズは皆元気そうにピュッと素早く動く。これで正しい状態なのかいまいちわからないが、元気なのを見かけるとホッとする。2階部分を開けてどんな状態なのか見てみたいが、ミミズを不要にびっくりさせないかと憂う。

7/4(日)夕方、蓋を開けるとミミズが2匹土から出て、巣箱の壁面を這っていた。脱走の予兆?餌を求めて冒険?ダンボール紙や新聞紙もまだあるし、5日目に入れたキャベツも残っているが、キャベツの芯があったので刻んで入れてみた。

7/5(月)昨日入れたキャベツの芯の下にもミミズがいた。何が好きなのかな。明日は他のものも入れてみよう。

7/6(火)ジャガイモの皮を入れてみた。ジャガイモ、キャベツ、卵のから、バナナの皮、分離して置いてミミズの好みを確かめてみよう。

7/7(水)液体受けがどうなっているかと、外してみた。土とミミズがいっぱい落ちていた。2階の底を見ると底に敷いていた新聞紙が綺麗さっぱり消え失せていた。ミミズが食べたらしい。落ちていた土とミミズは上(3階)に入れて液肥受けを空にした。食べ始めるとあっという間に食い尽くすようだ。生ゴミをどんどん食べている様子はまだないが、もっと増やしても良いのかもしれない。昨日餌を分離しておいたのは、特にミミズが集中しているものはない。水を霧吹きで足した。

7/8(木)昨日2階部分を下から覗いて、底に敷いていた新聞紙が全部なくなっていた事から想像すると、2階にピートモスと一緒に入れた細く切った段ボール紙はもう食べ尽くされているのではないか?思い切って2階を外して見てみた。予想通り段ボール紙は全く無く、ふわふわのピートモスにミミズがたくさん入っていた。液体受けもミミズが10匹ほど落ちていた。下ではなく、上に餌を探しに行って欲しいんだけどなー。液体受けのミミズちゃんは、昨日と同じく3階に入れて、どうしたものかと思案する。とりあえず水分だけ補給してそのまま重ねておいたが、本当はもうちょっと深さがあるほうが良いのかもしれない気がする。もっと後にするつもりだったが、もう一段増やすか。。。

7/9(金)もう一段増やそうかと思っていたが、同じだと思い込んでいた発泡スチロールのトロ箱がちょっと大きくぴったり重ならないのでやめた。そのかわり、今まで細く切った新聞紙を濡らして1番上に被せていたが、ミミズは光が嫌いなのと、鳥などに食べられないよう自己防衛本能で表面にはなかなか出て来ない。濡らした新聞紙を切らずに全面に被せた方が落ち着いて地表近くの餌を食べに出て来られるのではと、昨日被せて置いた。今朝新聞紙をめくってみると、やはりミミズが表面に出て来て生ゴミを食べていた。もっと早くやってあげれば良かったと思いつつ、少しずつミミズちゃんたちの気持ちが分かるようになって来た気がして1人ほくそ笑む。刻んだキャベツの芯、コーヒーの紙フィルターを細く切って入れた。

7/10(土)今日は、日中かなり蒸し暑かった。ミミズちゃんのお家は南側の軒下に置いてある。今の季節の太陽の角度だと日中でも直射日光は当たらない。念のため、お家を入れている段ボール箱に温度計を入れてみようかな。夕方新聞紙をめくってみると7〜8匹表面に出ていた。床土をまる箸でそっとほじるとどこを掘ってもミミズがいる。下の紙類を食べ尽くして上に上がって来ているのかな。

7/11(日)お家を各階バラしてみた。液肥受けである1階にまたしても土とミミズが10匹ほど落ちていた。2階は、先日見た時よりもミミズの数が減っていた。2階にいるミミズは3階よりもまったりのんびりとしている気がする。ミミズが睡眠をとるのかどうかは知らないが、もしかして。。。寝ている?

7/12(月)調べてみると、脳がある動物は寝るらしい。ミミズも脳(脳神経節)があるので、やはり寝るのだろう。ミミズの解剖図を見ると、身体の大半は消化器官で、後は生殖器官。どんどん食べて有機物を分解し、どんどん子孫を増やしていくというすごいやつ。ミミズは、夢を見るのだろうか。

7/13(火)毎日バラして毎日液肥受けのミミズを3階に移している。毎日10匹くらいは、落ちている。今は液肥が全然溜まっていないが、液肥が溜まると溺死してしまうのに。そういえば、液肥、ミミズのおしっことやらが全然溜まらないな。全体に水分不足なのかもしれないと思い、今までスプレーで水をシュビシュビしていたが、2階と3階にジョーロでくるりと一回りあげてみた。

7/14(水)液肥受けのミミズを回収し、バナナの皮を与えた。液肥は全然溜まらない。

7/15(木)昨日note でシステムメンテナンスがあったせいか、自分で最後に下書き保存をタップした日以降、7/12から3日分の文章が消えていて唖然。ミミズの脳について調べてうだうだ書いていたのをもう一度思い出して書く気が失せ、数日間書くのをやめていた。これは実は7/17に書いている。ミミズの脳については、またやる気が出てから書こう。下書き保存はちゃんとしないとダメなのね⤵︎

7/16(金)今日初めて、これが、シマミミズの赤ちゃんか?というものを見た。バナナの柄?というのかな、端っこの部分のところにうじゃっと固まってオレンジ色っぽいちっさな線状のものが蠢いていた。バナナの柄には農薬が溜まるというので、ミミズは大丈夫なのかと心配しつつ入れてみたのだが、赤ちゃんミミズが群がっている?ミミズの赤ちゃんではなく、何か他の幼虫だったら怖いな。。。

7/17(土)ミミズたちは、頻繁に2階と3階を行き来しているようだ。外す時に3階の底からぶらーんとミミズが10匹くらいはぶら下がり、じーっと見ているとゆっくりと3階へと隠れる。液肥受けのミミズは今日は4匹。

7/18(日)液肥受けのミミズは今日も4匹。コーヒーフィルターをちぎって入れた。毎日ジョーロでさっと一回り加水。

7/19(月)ダンナが買って美味しくないからと残してあったリンゴが皮がシワシワになっていたので刻んで入れてみた。りんごは好きかな?あちこちそっとほじくってみると、バナナの柄?軸?が出てきた。シマミミズは堅い繊維は苦手なようで堅そうな繊維がきれいにスポンジ状に残っていた。うどんは好きらしい、影も形も無い。柔らかいので食べやすいのかな。

7/20(火)りんごはやはり人気なのか、たくさんのミミズがあちこちでりんごを食べている。今日液肥受けに落ちていたミミズは6匹。

7/21(水)今日も暑い。

9/26(日)2ヶ月ぶりのミミズ日記。ミミズちゃんは夏も元気に過ごし、数えても計ってもいないが数も順調に増えたようです。1週間くらいの留守もスイカの皮を大量にあげて行ったら全く問題なし。甘いもの、水分の多い柔らかいものが好きなようで、大量に(20キロ)トマトソースを作った時のトマトのヘタなども1度に入れてもあっという間に無くなってしまった。なかなか分解せずにいたじゃがいもの皮もいつの間にか見えなくなった。何より臭いがしないのがとても良い。良い事だらけのミミズちゃんコンポストだが、この先那須の寒い冬をどうしようかと思案中。脱走しなくなったので、室内に入れるのは問題ないけど、うちは家の中も寒いんだよなー。5℃以下になると冬眠するそうな。ガラス溶解炉に火が入っている間はいいとして、消した後は春までヒーターを入れるか、そこまでしてミミズを働かせずに冬眠させるか。そもそも-10℃以下になるこの那須で外に出しっぱなしで生き残れるのだろうか?。。。と、北海道でシマミミズを飼っている人のブログを発見。-15℃やはり、、、凍死するらしい😿せっかく増えて生きているのにみすみす凍死させる手はありません。室内に入れて尚且つヒーターかなー。出来るだけ電気を使いたくないなー。真冬までに考えます。

9/29(火)ミミズのおしっこが溜まっていないかと、おうちを外してみた。おしっこは少し溜まっていたので採取。2階部分の土に空気を入れてあげようとホジホジしていたら、ミミズちゃんの卵を発見!ネットで写真を見たことがあるたぶんこれ。順調に増えている証拠かな。3階では、生ゴミなどといっしょになっているせいか?見たことがない。2階のミミズが3階よりややまったりしていて寝ているのか?と以前書いたが、3階は餌場、2階はお家的な住み分けがあるのかもしれない。

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12/25(土)今年最強の大寒波到来のニュースを見て前々からやっておこうと思いつつそのままにしてあったミミコの暖房を設置。どの様な方法にしようかと考えたが、なるべく安価で簡単と思われる安物のパックに水を入れ、金魚鉢用のヒーターを入れて暖め、2階部分に入れておく事にした。水は熱しにくく冷めにくい。故に地球は私達が生きられる程度の寒暖差に保たれている。一度暖まれば大した電気代もかからないだろう。ミミコは今までも外気が−7℃くらいには下がっているが、発泡スチロールと段ボール箱の二重断熱のせいもあってか、食欲は落ちたものの元気で小さな赤ちゃんミミコも見かけることを考えるとそれなりに活動している様だ。小さなパックだが、25℃前後に保たれていれば発泡スチロールの中全体が凍らずにすむだろうし、ミミコ達は寒ければパックの周りに集まり、暑ければ逃げるだろう。だろう、だろうばかりの想像だがミミコ凍死で全滅は避けたい。1週間ぶりくらいにミミコのおうちをばらしたら、液肥受けの最下層にミミコがたくさんいた。寒くなると凍ってしまわない様に、本能で下に潜り凍結深度より深く潜ることを知っているのかもしれない。

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