大切な事は全て牛から教わった
こんな学校があったら、いいな。
先生はみんな牛。
校長先生は猫。
教室は原っぱで、暑い日は森の中。
雨の日は倉庫の中のわらのクッションに座る。
教科書は草や花。あとは虫たち。
実はこんな学校があったんだ。
学校の名前は牧場。
親が牛飼いだったんだ。
本物の学校にも行ってたよ。
学校から帰ると、もうひとつの学校に。
人生でつらくなったとき、
もうひとつの学校で勉強した事を思い出す。
自分と考えが違う人との付き合いになやんだとき、
原っぱの草もみんな同じに見えて、
ひとつひとつ形が違って、でもみんな同じ風に吹かれていたのを
思い出す。
新しいコト始めるのに不安になったとき、
テントウムシの事を思い出す。
長い葉っぱの先っぽで、ちょっと立ち止まって、空に
飛びたったテントウムシ。
牛の先生たちが教えてくれたんだ。
「よく見てごらん。答えは案外、足元に転がってるから。」
って。
猫は何にも教えてくれない。
ゴロゴロのどを鳴らすだけ。
校長先生って、そんなもんだよね。