見出し画像

ツーソン ジェム&ミネラルショー 2025レポート🗒️ 今年のトレンドは緑の宝石?


今年のテーマは『Shades of Green』— 今年のジュエリー業界に影響を与える注目の宝石とは?


Tucson Gem and Mineral Show 2025 行ってまいりました。アリゾナ州ツーソンという都市で毎年開催される世界最大級の宝石・鉱物イベントです。

会場に足を踏み入れると、目に飛び込んできたのは圧倒的な緑の輝き

そう、2025年のテーマは「Shades of Green - Experience the Magic!」でした!

このテーマが示すものは何か? そして、2025年の宝石市場にどのような影響を与えるのか?

現地の空気感を交えながら、注目のポイントをお伝えします🌵


今年のテーマはなぜ"Shades of Green"?


https://www.tgms.org/show

Tucson Gem and Mineral Showでは毎年、その年を象徴するカラーや鉱物がテーマとして選ばれます。今年のテーマ“Shades of Green”には、どんな意味が込められているのでしょうか? 単なる色のトレンドを超えた、その背後にある意図や影響を探ってみましょう。

テーマが決まる背景には、実は業界にとって重要な狙いがあるのです。その目的は主に以下の4つです。

1. 教育的・文化的な意図
緑色の宝石や鉱物の成り立ち、産地、歴史的背景を深く掘り下げる。

2. コレクターや研究者の関心を高める
特定の宝石にスポットライトを当てることで、新たな研究やコレクションの促進を狙う。

3. 市場の活性化と業界への影響
ツーソン ジェム&ミネラルショーの影響力を活かし、緑色の宝石の取引を促進する可能性。

4. 持続可能性や環境意識の啓発
"Green"はサステナビリティを象徴する色でもあり、エシカルな採掘の重要性を強調する狙いも。

これらの要素が重なり合い、“Shades of Green”というテーマは単なる美しさだけでなく、宝石業界の未来や環境への意識を反映するものとなっています。今年のツーソン ジェム&ミネラルショーがどのような影響をもたらすのか、今後の動向にも注目です。


2025年に注目すべき緑色の宝石とは?


今年のツーソン ジェム&ミネラルショーでは、鮮やかな輝きを放つ定番の宝石から、意外なレアストーンまで、多種多様な緑の鉱石が並びました。その中でも特に注目を集めたのが、次の宝石たちです。特に以下の宝石が注目を集めていました。

エメラルド(Emerald)

特徴:鮮やかなグリーンと高い透明度。
意味:愛と成功を象徴し、持ち主の直感を高める。
産地:コロンビア、ザンビア、ブラジル。
トレンドポイント:ラグジュアリー市場での需要が安定しており、サステナブルな採掘が進むザンビア産が特に注目。

エメラルド

フローライト(Fluorite)

特徴:幻想的な透明感と色のバリエーションが豊富。
意味:集中力を高め、精神をクリアにする。
産地:中国、メキシコ、アメリカ。
トレンドポイント:紫や青と混じったグリーンが特に人気で、コレクター向けの原石としても注目。

フローライト
フローライトとパイライトがくっついてる🥺🪨

グリーントルマリン(Green Tourmaline)

特徴:深みのあるグリーンからミントグリーンまで幅広い色合い。
意味:心を癒し、活力を与える。
産地:ブラジル、ナイジェリア、アフガニスタン。
トレンドポイント:手に取りやすい価格帯と美しい輝きで、ジュエリー市場でも人気。

実はトルマリンは100色以上のカラーバリエーション有り
ウォーターメロンカラーのトルマリン

翡翠(Jadeite & Nephrite)

特徴:東洋文化で愛される滑らかな緑の輝き。
意味:繁栄と長寿を象徴し、持ち主を守護する。
産地:ミャンマー(本翡翠)、カナダ(軟玉)。
トレンドポイント:中国市場での需要回復が影響し、価格上昇の兆し。

翡翠の音色を聞かせてくれました

マラカイト(Malachite)

特徴:縞模様が美しい深いグリーン。
意味:変革と成長を助け、強い保護力を持つ。
産地:コンゴ、ロシア。
トレンドポイント:原石のままでも美しく、コレクターやインテリア市場でも人気。

マラカイトで出来たトウモロコシ🌽(写真中央)

ペリドット(Peridot)

特徴:黄緑色が特徴的なオリビン系鉱物。
意味:ネガティブなエネルギーを払い、幸福をもたらす。
産地:アメリカ(アリゾナ)、パキスタン、ミャンマー。
トレンドポイント:アメリカ国内でも産出されるため、エシカルな選択肢として人気が高まりそう。

その他、会場にはエメラルドやペリドットだけでなく、クリソプレーズやアマゾナイト、さらには私にとっては初めましてのものまで、多彩な緑の鉱石がずらり。まるで大自然が作り出した“緑の宝石図鑑”のようで、眺めているだけでも発見の連続でした。


2025年、緑の宝石は流行する?


ツーソン ジェム&ミネラルショーのテーマが市場トレンドを直接反映するわけではありませんが、業界関係者が注目するきっかけとなるため、その影響は無視できません。実際、過去にもツーソン ジェム&ミネラルショーでテーマとなった宝石がその後人気を集めた例があり、今年も同様の流れが期待されます。さらに、近年のサステナビリティ意識の高まりやナチュラルな色合いを好むトレンドも、緑の宝石の需要を後押しする要因となっています。

特に今年のテーマ「Shades of Green」は、エメラルドや翡翠といったラグジュアリーな宝石から、ペリドットやマラカイト、フローライトのようなカジュアルな宝石まで幅広くカバーされており、

ラグジュアリー市場では高級感あるエメラルド・翡翠が人気継続
→ エメラルドや翡翠は、長年にわたり富と成功の象徴として確立されており、特にアジア圏や欧米の高級ジュエリーブランドでの需要が根強い。

カジュアル市場ではトルマリン・ペリドットの需要が増加
→ トルマリンは高品質なものはラグジュアリー市場で高く評価されています。一方で、2025年の予測として、カジュアルラインでの人気も高まる予感。多彩で個性的な色合いを持つトルマリンやペリドットは、ミレニアル世代やZ世代の間で「自分らしさを表現できる宝石」として魅力的な選択肢。

エシカルジュエリー市場ではザンビア産エメラルドやアリゾナ産ペリドットが注目
→ 持続可能な採掘やフェアトレードの重要性が増す中、環境負荷の少ない採掘を行う鉱山の宝石が高評価を受けており、特にザンビア産エメラルドやアメリカ産ペリドットがエシカルな選択肢として注目されている。

といった傾向が予測されます。

ラグジュアリー市場からカジュアルジュエリーまで、幅広い層で緑の宝石への関心が高まる2025年。特に、エシカルな選択肢や個性を重視する流れが強まり、このトレンドがどのように市場を動かしていくのか、今後の展開が注目されます。


まとめ:2025年、緑の宝石の年になる?


Tucson Gem and Mineral Show 2025では、"Shades of Green"というテーマを通じて、緑色の宝石の多様性や魅力が改めてクローズアップされました。

市場全体としても、引き続きサステナビリティ意識の高まりやラグジュアリー需要の拡大を背景に、緑の宝石の価値が見直される年になるかもしれません。

地球が長い年月をかけて生み出した奇跡の結晶である鉱石や鉱物には、私たちを魅了し続けるロマンが詰まっています。それを手にすることで、自然の壮大な歴史の一部を感じられるのも宝石の魅力のひとつです。

今年のジュエリー選びに、ぜひ緑色の宝石を取り入れてみてはいかがでしょう😊?

ロマンを感じずにはいられません



いいなと思ったら応援しよう!