見出し画像

【最北日記×天塩町】その3「天塩の夕日は日本一?」

前回の記事▼

◆   ◆   ◆

皆さまこんにちは。
天塩町公認インフルエンサーの『しろまる最北日記』です。

天塩特別編の3本目は、ズバリ天塩の夕日にまつわるお話です!

本記事では夕日の美しさに魅了されて天塩に移住をした写真家、柳谷 明伸 さんからご提供いただいた写真を交えて解説をしていきます。

柳谷 明伸 さん▼

🌅

観光資源としての夕日

1日の終わりに見られる美しい夕日は、その地で暮らす人と訪れた旅人を魅了する日常の絶景です。国内でも日本海側を中心にいわゆる「夕日スポット」が多く点在し、観光資源として活用されています。

世界的には「世界三大夕日」と呼ばれるカテゴリーが存在し、

インドネシアのバリ島、
フィリピンのマニラ湾、
そして……

我らが北海道の釧路くしろ
という3カ所が選ばれています。

世界三大夕日に数えられる、釧路市幣舞ぬさまい橋からの夕日。

日本海に面する天塩町も例に漏れず、水平線に沈む夕日がとても綺麗だということで夕景を観光PRの一端に取り入れています。

天塩川の河口から見る夕日。存在感を増した太陽が遮蔽物が一切ない状態で水平線に沈む様子は海沿いならではの絶景です。

でも、
こう思ったことはありませんか?

……ってね。

夕日は地球規模の自然現象ゆえに、場所によって優劣や違いがあるとは想像しにくいんですよね……

しかし!

天塩町が夕日を観光資源として推しているのには、ちゃんとした理由があったんです。

天塩の夕日のここがスゴい!

天塩町をはじめとする北海道北西部の沿岸地域は、ちゃんとした根拠をもとに夕日の町を名乗っています。

その根拠というのが、こちら▼

なんと、
天塩周辺の夕日の優位性が、
学術論文で証明されているんです!

(私も天塩町のインフルエンサーに就任するまで知りませんでした)

こちらの研究は筑波大学院 幸坂 麻琴 さんによるもので、天体の動きと北海道特有の都市構造から天塩の夕日が優れていることを証明しています。元の論文は修士論文として発表され、学会や大学で高く評価されています。

内容を簡単に説明すると、
天塩の夕日が素晴らしい理由が
大きく2つに分けて紹介されています。

【天塩の夕日がスゴい理由その① 高緯度である】

夕日およびトワイライト(日没後の薄明)は、基本的に緯度が高ければ高いほど長い時間にわたって楽しむことができます。天塩は北緯44度に位置し、中心市街地が日本海に面する町の中で日本最北となっています。

(天塩より北にもいくつか自治体がありますが、中心地が西側の海に面していません)

よって、天塩は夕日を見るのに適している土地であると言えるのです。

【天塩の夕日がスゴい理由その② 市街地の構造】

北海道は明治時代になってからの入植によって拓かれた開拓の土地です。ゆえに計画的な町の整備が進められ、京都のような格子状の道路網(碁盤の目)をもつ都市が多く存在しています。

道内一の都市である札幌も、東西に伸びる大通り公園と、中心部を南北に縦貫する創成そうせい川の交点を基準として格子状の市街地が広がっています。規則正しく住所が割り振られているので、慣れると東西南北+条丁目の住所を聞いただけで大体どの辺のことなのか分かるようになります。

札幌の住所の割り振り

天塩町の場合は、道道106号線や国道232号線といった南北に走る基幹道路と垂直に交わる道路網が規則的な市街地を形成しています。

海の間近にある格子状の町だから夕日が見えやすいんですね~
実際の眺め。日常風景の中に自然と夕景が馴染みます。

また、天塩の西の海上には利尻・礼文島の陸影りくえいがあり、荘厳な利尻富士のシルエットと夕日のコラボレーションを楽しめるのも大きなポイントですね。

夕日が見える町に住むということ

この記事を書いている現在、私は日本最北の町稚内わっかないに住んでいます。端っこの町稚内の市域は、東がオホーツク海、北は宗谷海峡、西に日本海を据え三方から海に囲まれています。

天塩のように市街地の中心部から水平線に沈む夕日を見ることはできませんが、少し車を走らせただけで西の海岸線に出ることができます。 

稚内の市街地の出入り口にある、その名も「夕日が丘パーキング」。高台から日本海に沈む夕日を眺められます。

日常生活圏にこういった夕日スポットがあると夕日の有り難みが薄れがちなのですが、よくよく考えてみるととても恵まれた環境ですよね……大都市だと建物に阻まれて綺麗な日没を見るのはなかなか難しいです。

西向きの海に面した町に住むということは、それだけでひとつの幸せだと私は思っています。

———夕日は、ただ西の空を紅く染め上げて没するだけではありません。

その時その時の季節や天気によって夕日の見え方は異なり、一言で「夕景」と言っても全く同じ景色は2度と見ることができないのです。

冒頭にご紹介した写真家の柳谷さんは、様々な美しさをもつ天塩の夕日を作品として記録し続けています。

柳谷さん撮影の夕景をご紹介▼

まずはオーソドックスな夕日。赤く染まった水平線に利尻富士のシルエットがくっきり浮かびます。これぞ天塩の夕日って感じですね(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)
同じ日没でも、気象条件次第で空の色が全く違う色に変わります。息を飲む神々しさ!
空が雲に覆われていて太陽が出ていない日も侮れません。巨大なキャンパスに描かれるグラデーションが鮮烈な印象を与えてくれます♪
夕日は水平線に沈んだら終わりではなく、日没後の黄昏トワイライトも見逃せません。昼間の残滓ざんしと夜の帳が交錯するセンチメンタルなひとときです。

天塩は市街地のすぐ向こうが海のため、人と夕日の距離感がとても近い町です。わざわざ「見に行こう!」と思わなくても普段の生活をしながら夕日を楽しむことができるのは町民の特権ですね。

◆   ◆   ◆

こういった道北の雄大な景色は、時として人の心を動かし「そこに住みたい」という感情すら与えることがあります。

私自身もドライブが趣味なので、家からちょっとの場所で絶好のドライブコースに出会える環境に身を置けているのはこの上ない幸せだと感じています。 

大好きなオロロンラインの風景。

まずは一度、
北海道、
道北、
そして天塩町に足を運んでいただいて、綺麗な景色をご自身の目で見てほしいと思います。

最後に、本記事の作成にあたり素敵な写真を提供していただいた柳谷様と、研究論文を引用させていただいた幸坂様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

(つづく)

天塩編 ③

次の記事▼
2025/2/9 更新よてい

#天塩町

いいなと思ったら応援しよう!