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【北海道3500】その2「南をめざせ」
※この記事は2021年9月のふり返り旅行記です。
前回↓
小樽で素敵な朝ごはん
おはようござます。
6連休初日の朝を小樽で迎えました。
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車中泊で凝り固まった身体をほぐしつつ、小樽駅すぐそばのコインパーキングに車を収めます。稚内では駅や空港を含めたほとんどの場所で駐車場が無料なので、駐車行為に料金が発生する土地へ来ると「都会だ」と感じてしまいますね。
駅正面のロータリーへ出ると、これから仕事へ向かうのであろう様相の人たちがレトロな小樽の駅舎に吸い込まれていくのが見えました。
私は有給で一足先にシルバーウィークに突入していたので失念していましたが、この日はまだ平日だったのです。平日休みの愉悦感に浸りながら、駅徒歩1分の三角市場で海鮮の朝ごはんをいただきます( 「・ڡ・)「
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三角市場は市場の区画のど真ん中を対角線上に通路が分断する構造をしています。ゆえに端っこの建物の敷地が三角形になっているのですが、これが名前の由来なのでしょうか…?
店頭でうにの試食を勧めてくれたおばちゃんに言われるがまま入店しましたが、普通に美味しかったです。付属の汁物には小樽名物のシャコが入っていました。
食事を終えて駐車場に戻ると、小樽駅に函館行きの臨時特急「ニセコ号」が入線していました。車両はオールハイデッカーの「ノースレインボーエクスプレス」。宗谷本線で普段運用している車両に不具合が発生した際に代走でやってくるカラフルな奴です。
久しぶりの遭遇だったので、愛車と一緒に写真をパシャリ。
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臨時特急の発車を見送ってからふと時計を確認すると、時刻は9時前。
(ちょっとゆっくりしすぎたかな…)
観光よりも移動優先の本企画。1日目の今日は少なくとも函館まで走る予定です。特急列車の後を追うように、しろまる号も小樽を出発したのでした。
🚗三
急がば回れ
小樽から国道5号線を西へ30分ほど走り、余市に到着。
余市といえばニッカウヰスキーの蒸留所が有名ですが、コロナの影響で臨時休業中でした。北海道3500では、この先もところどころでコロナによるおあずけを食らうことになります。
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余市からそのまま国道5号線を道なりに進むと、稲穂峠、倶知安、ニセコを経て長万部に抜けられます。Google先生曰く、4時間程度で函館まで走ることができるようです。
しかし忘れてはいけません。
これが北海道3500だということを。
できるだけ海岸線をなぞるように走行し、距離を稼がなくてはいけないのです。
私は国道229号線へと舵を切り、積丹半島方面に進路を取りました。目指すは半島の先端、神威岬です!
🚗三
229号線は複雑な積丹の海岸線を這うようにして進みます。海のほうへ目をやると、日本海の荒波が造り出した奇岩の数々が見受けられました。
時折パッと景色がひらけていきなり集落が出現するのですが、道幅が狭くスピードが出せないので距離の割に時間がかかります。
積丹ブルーの海に感動
余市を経ってから1時間。ようやく積丹の先端にある神威岬に着きました。
小樽出発時に曇っていたすっかり空は晴れており、身体を動かすと少し汗ばみます。ビュースポットに続く緩やかな階段を登りきると、SNSや観光パンフレットで見たことのある景色が目に飛び込んできました。
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(これは期待以上の絶景だ…!)
日本海へ鋭く突き出した峰の迫力はもちろんのこと、『積丹ブルー』と呼ばれるその海の青さに心を奪われました。沖縄の海のような白い砂浜に映える眩しい青ではなく、大自然が生み出した恵みの青色って感じです!
時間があれば先端まで行きたかったのですが、観光<移動ということで岬を俯瞰できる中間地点で折り返しました。
日本国内色々なところに行きすぎて、景色を見て感動する機会がめっきり減ってしまったのですが、神威岬は本当に素晴らしい絶景だと思いました。
アクセスはあまり良くないですが、もしも後志地方を訪れる機会があれば、神威岬、おすすめです。
(一応補足しておくと、神威岬の遊歩道は険しい尾根にへばりつくような形のため、高いところが苦手な人はちょっと厳しいかもしれません。部分的に足元が網目状になっていて足元が見えます)
北海道3500はまだまだ始まったばかりです。
この先には一体どんな絶景が待っているのでしょうか。
ひたすら南下せよ
初訪問の神威岬で積丹ブルーの海を満喫した私は、この日の目的地である函館を目指して南下を開始しました。
神威岬から函館までは、Google先生曰く200km強の距離で、下道で4時間程度とのことです。
しかし、
今は北海道3500の企画真っ只中。
フォロワーの皆さまからいただいた「いいね」を、ちゃんと走ってお返ししなくてはいけません。
当然推奨ルートで目的地へ直行するはずがなく、海岸線に沿って遠回りをしていきます。北海道の左下は日本海を背にしてくの字に折れ曲がっています。そのアウトコース側を走るので相当な距離があります。
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そこから先はしばらく寄り道なしで、日本海側をひたすら走り続けました。走っても走っても終わらない絶景に、北海道のデカさを改めて感じます。
最西端とハンバーガー
積丹から海沿いをドライブし続けること約3〜4時間。せたな町のとある道道脇に着きました。実はここ、北海道本土の最西端なのです。
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正確には写真に写っているトンネルが貫いている断崖の岩場が最西端なのですが、車で到達できないため、ここをこの旅の最西端とします。
ちなみに、この先の江差で車をフェリーに積み込めば、一般人が到達できる北海道の最西端「奥尻島」に渡ることもできます。いつか行ってみたいですね。
🚗三
再びしばらく走行していると、いきなり前方の車の流れが変わりました。山の方へ進路変更を促す矢印が出現し、頭上の電光掲示板には以下の表示が。
「229 乙部町 館浦 土砂崩れの為 通行止 迂回路あり」
………。
ご安心ください。
この通行止めは事前に把握していましたので問題なしです。
2021年6月に崖崩れで不通となった国道229号線の館浦〜鳥山間は復旧作業が難航し、内陸方面に大きく迂回を余儀なくされているのです。(2024年現在も、通行止めと迂回は続いています)
迂回路は山林や農地を抜ける幅の狭い道で、突如増大した交通需要に応えるべく、道中の至るところで道の拡張工事が行われていました。
タイムロスではなく、距離が稼げた…ということにしておきましょう。
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無事に本来の走行経路に戻ると、江差の手前で函館北斗方面からの国道277号線と合流します。ここでロードサイドの駐車場にin!
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じゃじゃ〜ん!
ラッキーピエロです!
ラッキーピエロ(通称:ラッピ)といえば函館名物のハンバーガーチェーンですが、実は函館の中心部から約70km離れたここ江差にも店舗があり、日本海側でもその味を楽しむことができるのです。
ラッキーピエロは各店舗ごとに個性的な店づくりに力を入れています。この江差入口前店は『ローマの休日』で有名なオードリー・ヘップバーンがテーマとして設定されています。道南に滞在してラッピを巡る旅とかしてみたいですね〜
安心と信頼の美味しさで腹を満たし、修行再開です🚗三
最南端に到達
上ノ国を過ぎると、国道は適度なアップダウンとワインディングを伴う走りがいのある道へと変化します。路盤が比較的高いところにあり、眼下に大海原を見ながら絶景ドライブを楽しめるおすすめの区間です。
(この辺りは道内のドライブコースの中でもかなり好きな区間です…!)
渡島半島の一番下側にある城下町、松前の市街地をスルーしていくつかのトンネルや覆道を抜けると、それは唐突に訪れました。
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北海道最南端の地「白神岬」に到達です!!
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すでに辺りが暗くなり始めていたものの、沖合にぼんやりと津軽半島のシルエットを視認することができました。意外かもしれませんが、北海道最南端よりも本州最北端(大間崎)のほうが北にあるんですよね。
稚内からひたすら南下し続けてきた旅も、ここからは北上です。日本海に別れを告げ、本日の目的地である函館を目指してラストスパートです!
🚗三
木古内からは、道南いさりび鉄道の線路と並走しつつ、海岸線に沿って進みます。
程なくして、前方に函館の町が浮かんで見えてきました。湾をぐるりと回り込む形で町へ近づくにつれて、徐々に往来する車と路肩の灯りが増えてきます。目的地到着の安心感と達成感が込み上げてきます。
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20時前に函館の市街地に到着しました。
本日はここまで。
しばらくは車中泊が続く予定なので、この日はホテルに泊まりました。チェックイン後に小一時間ほどベイエリアを散歩してから、深い眠りに落ちました。
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北海道3500 1日目 終了。(つづく)↓