【最北日記×天塩町】その1「天塩ってどこにあるの?」
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皆さまこんにちは。
天塩町公認インフルエンサーの『しろまる最北日記』です。
今回は天塩について知っていただくために、町の概要とアクセス手段について紹介していきます!
天塩ってどこにあるの?
天塩町は日本最北の町稚内から車で1時間ほど南下した場所にある、人口約2,600人(2024年)の小さな町です。面積は353㎢となっていて、これは東京23区の約半分程度のサイズ感です。
中心市街地は日本海に面した海沿いに位置し、すぐ近くに天塩川の河口があります。
天塩町は北海道の中でもかなり北のほうにありますが、留萌管内最北の市町村扱いのため、最北の宗谷総合振興局エリアからはギリギリ外れています。
しかし天塩町民が大きな買い物をする際に足を運ぶのは稚内ですし、天塩町は観光の側面で宗谷観光連盟に所属していて最北ツーリズムの一端を担うなど、実際に天塩との結びつきが強い都市は留萌ではなく稚内となっています。
また、警察署の管轄は豊富、幌延、遠別を束ねた天塩警察署が中心になっていて、天塩町は状況によって所属が宗谷エリアと日本海側のオロロンエリアのどちらかに反復横跳びする中間の町とも捉えることができます。
ちなみに、車のナンバープレートは稚内も留萌も天塩も、すべて一括で「旭川」ナンバーです(ヒロスギルー
天塩にはどうやって行くの?
2024年現在、天塩町にアクセスすることができる公共交通機関はバスしかりません。
かつては留萌から天塩を通って幌延まで至る国鉄羽幌線が町を縦断していましたが、国鉄民営化を前に廃止されてしまいました。今のJR宗谷本線は天塩の町域をかすめるように走行しているため、ギリギリのところで天塩町に鉄道駅が存在していないのです。
そんなわけで、天塩に行く場合は沿岸バスさんが運行している高速バス「特急はぼろ」号を利用するのが一般的です。
道北の日本海側を走る都市間バスには、札幌⇄稚内 を結ぶ宗谷バス/北都交通の「わっかない号」と 札幌⇄豊富 を結ぶ沿岸バスの「はぼろ号」の2種類があります。
前者は稚内への速達輸送に特化しているため、札幌を出ると稚内まで下車をすることができません。対する後者は日本海側の各町に停車し、地域の方々の足として活躍しています。目的地によって使い分けましょう。
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天塩町を通るバスには、同じ沿岸バスさんの路線バスもあります。
「豊富幌延線」「幌延留萌線」と呼ばれるこの路線バスは、留萌市立病院から豊富駅までの約160kmを同一車両で走破する国内トップクラスの長距離路線バスです。長すぎて途中の営業所で休憩が入ります(笑)
でっかいどうの大きさをより実感したい方にオススメです(?)
ここまで陸路で天塩を目指す場合の移動手段をご紹介してきましたが「とにかく速さを重視したいよ!」という場合は、飛行機になります。
最速で天塩町に行きたいのであれば、羽田か新千歳から日本最北の現役空港である「稚内空港」に飛び、レンタカー等で天塩に向かう方法がなんだかんだで一番早いです。
稚内空港から天塩までは車で約1時〜2時間程度かかりますが、道中は絶景のオンパレードですし、実際に自分でハンドルを握ることで北海道の雄大さを実感しやすいので車もオススメです。とくに海沿いルートの道道106号線は、最高の景色で訪れた人を迎えてくれます!
野生動物の飛び出しに注意しながら、安全運転で向かいましょう🚗三
このように、鉄道が通っていない天塩町はお世辞にもアクセスしやすいとは言い難いのが現状です。しかしその道中は北海道の自然を感じられる絶景の連続であるほか、でっかいどう旅行は移動も観光のうちだと考えれば有意義な時間になりますよ♪
天塩には何があるの?
北海道の左上にあり、なかなか行くのが大変な天塩町は、果たしてどんな町なのでしょうか。
超ざっくり申し上げますと、
しじみと、酪農と、夕日の町です。
天塩町の特徴その① しじみ
天塩といえば、やっぱり個人的に「しじみ」の印象が強いです。
前回の記事で紹介した町のマスコットキャラクター「てしお仮面」も、しじみがモデルになっていましたね。
天塩で獲れる天然のしじみは、「ヤマトシジミ」 というとても大ぶりな品種です。幕末の頃には厚岸の牡蠣、十勝川の鮒とともに「蝦夷の三絶」(北海道で絶対に食べるべき味覚)のひとつとして謳われ、現在も変わらぬ美味しさと希少性から全国的に有名なブランド品としての地位を確立しています。
天塩ではしじみ以外にも、サケやたこなどが獲れます。
道北の町々には、
羽幌→甘エビ
天塩→しじみ
利尻島→昆布・ウニ
稚内→たら・水だこ
猿払→ほたて ……など
それぞれの町ごとにイチオシの海産物があるので食べ比べも楽しいですよ。
天塩町の特徴その② 酪農王国
天塩川の下流に位置する天塩町は、冷涼な気候と潮風が運んできたミネラルを多く含む肥沃な土地のおかげで酪農に適した環境が整っています。大規模な専業酪農が発達し「北海道の酪農王国」と呼ばれることもあるのだとか。
人口が希薄な北海道の端っこでは人間の数よりも家畜数が多い町がけっこうあります。天塩町も例にもれず町民が2,000人台であるのに対し、牛が1万頭以上飼育されているそうです。スゴイ!
私が取材で天塩を訪れた際には、カフェの営業と加工品販売をおこなっている宇野牧場さんにお邪魔させていただきました。
こちらの牧場では230ヘクタールという広大な土地を使い、牛の健康を第一に考えた完全放牧スタイルの酪農をおこなっています。ノンストレスで育ったグラスフェッドの牛(牧草で育ったの牛)から採れるミルクは、濃厚な味わいながらも後味がすっきりしていて、びっくりするほど飲みやすいです。
写真の右端に写っている「トロケッテ・ウーノ」は、農家メシとして食べられていた牛乳豆腐をヒントにして作られた、新感覚の飲料です。ミルクの風味を残したドロっと濃厚な飲み心地は、飲むヨーグルトとも違う一度飲んだら忘れられない美味しさです。色々な味があるので飲み比べもできちゃいます。
これらの商品は天塩町内な各所で販売されているほか、通販やふるさと納税の返礼品にもなっていますので、気になった方は試してみてください!
天塩町の特徴その③ 夕日が綺麗
天塩の特徴として最後に挙げさせていただくのが「夕日」です。
西向きの海に面している町ということで、水平線に沈む太陽を建物や山に遮蔽されることなく見ることができます。このトピックについては今後の特別編の中できちんと取り上げようと思っていますので、今回は軽く前振りだけしておきます。
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というわけで、まずは天塩はどんな町なのかを簡単に解説させていただきました。
稚内市民として正直な意見を言いますと、これまで天塩は単なる通過点に過ぎず、札幌までドライブする時の休憩地点程度のイメージしかありませんでした。しかし今回公認インフルエンサーとして関わらせていただいたことで知らなかった天塩の一面に出会うことができ、町の解像度がグンと上がって好きになりました。
今後もこのシリーズは続いていきますので、天塩の魅力を一人でも多くの読者さまに伝えられるよう尽力して参ります。応援よろしくお願いします。ペコリ。
(つづく)
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