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【最北日記×天塩町】その4「天塩町のくらし」

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皆さまこんにちは。
天塩町公認インフルエンサーの『しろまる最北日記』です。

ここまで複数回にわたって天塩町をご紹介しましたが、いよいよメインの“生活”についてのお話をしていきたいと思います。

住インフルエンサーとして、
同じ道北の稚内市民として、
生活の観点から天塩を見つめてみましょう。

⛷️

天塩にあるもの、ないもの

天塩町は、北海道の北西沿岸部に位置する人口約2,600人(2024年末)の小さな町です。

便利か不便かの判断基準は人によって異なりますし、どんな土地にもそこで生活を営んでいる方がいますからストレートな表現を避けることが多いのですが、あえて包み隠さず言うと

私から見ても天塩町は田舎だと思います。

ただ勘違いしないでいただきたいのが、果たして田舎なのはデメリットなのか?というポイントです。

確かに天塩には鉄道が通っておらず、町民より牛の数が多いのは事実です。典型的な北海道の田舎町ですが、取材で何回か通ううちにそれなりに必要なものがちゃんと揃っていて意外と暮らしやすそうだと感じました。

私は人の多い場所が苦手かつ、運転好きゆえにマイカーをライフスタイルに取り入れたいと考える人間です。生活基盤さえ整っていれば、大都市のど真ん中よりもむしろちょうどいい田舎のほうが断然暮らしやすい説を推しています。

「天塩に住めますか?」と聞かれたら「全然住める!」と胸を張って答えます。

天塩町のメインストリート。この風景を見て「何もない」と感じる人もいれば「けっこう栄えてる」と思う人もいます。

天塩町にあるもの

まずは天塩町に何があるのかを見てみましょう。

天塩には、
スーパーマーケット
コンビニ(2軒)
ホームセンター
ドラッグストア

などのお店があり、普段生活していく上で必要なものは大体町内で手に入ります。

留萌るもい増毛ましけにも店舗をもつ中央スーパーさんの天塩店。
天塩にあるコンビニは2軒とも安心の信頼のセイコーマートさんです。
北海道ではお馴染みの、DCM系列のホームセンターもあります。
2022年に開店したツルハドラッグの天塩店。生鮮食品から日用品までを幅広く取り扱い、町民の生活レベルが大きく向上しました。100円ショップコーナーも完備!

これだけのお店が出店しているのは北海道の田舎町としてはかなり充実しているほうで、近隣の豊富とよとみ幌延ほろのべ遠別えんべつ、などの町にはこの規模のホームセンター・ドラッグストアはありません。天塩の市街地はいい意味で小さく、これらのお店がすべて徒歩圏内の距離感にまとまっているのが特徴です。

(流石に天塩レベルの公共交通網だと、マイカーはあったほうがいいです)

町内の施設に目を向けると、
町立病院・歯科・保険ふれあいセンター
保育所 兼 幼稚園(認定こども園)
小、中、高までの学校
高齢者用福祉施設
天塩温泉「夕映ゆうばえ

などがあり、こちらも最低限の生活インフラが整っています。

町で一番大きな医療施設である町立病院。
天塩には高校もあります。生徒数は約80名います(2024年度)

娯楽・レジャー関係は「天塩町運動公園」に、野球、テニス、ゲートボール、パークゴルフ場が完備されており、夏季限定ではありますがスポーツを楽しむことができます。冬は「天塩町民スキー場」が安くて快適です。

市街地から車で10分ほどの場所にある、天塩町民スキー場。
利用料安っΣ(-᷅_-᷄๑)!
一応、地方の娯楽の代名詞とも言えるパチンコ店も存在します。

天塩町にないもの

普段の生活に必要な食料と日用品は天塩町内で調達できるのですが、どうしてもお店の規模が小さいために選択肢は絞られてしまいます。そのため、大きな買い出しが必要な時は車で1時間かけて稚内まで赴く場合が多いです。

(北海道の最北エリアには人口1万人以上の自治体が稚内市しか存在せず、こういった買い出し文化は天塩に限らず一帯の町村すべてに共通しています)

飲食店目線でも天塩には牛丼やラーメンなどの全国チェーンのお店が無く、たまにやってくるファストフード欲を満たすことができません。(もちろん地場の食材を使った美味しいお食事処は町内にたくさんあります)

これについても日用品同様に、稚内にマクドナルド、すき家、ミスタードーナッツ、ラーメン店各種などが揃っているので、買い出しのついでに外食を楽しむことができます。

意外と色々揃っている、最北の町稚内。

ちなみに通販の場合ですが、同じ道北の稚内での実感だと、商品が届くまでにかかる日数は体感として平均+1日くらいな気がします。離島かよほどの僻地でない限り、中日なかび1日挟めば全国大抵の場所に荷物は届きます。

・ ・ ・

普段の買い出しはもちろんのこと、
人によって重要視すべきなのが医療関係の問題です。

天塩にも町立の病院がありますが、より規模が大きい稚内の市立病院へ通う町民も少なくはないです。

稚内の市立病院。

稚内それでも設備が足りない時は、名寄なよろ留萌るもい、旭川、札幌といった遠方の都市まで行くことになります。持病をお持ちで北海道に移住を考えている方は、ご自身と医療空白地帯にしっかり向き合ったうえでの慎重な判断をおすすめします。

ただ、逆に考えれば身体が健康な若い時こそ地方での生活を経験しておくべきなのでは?とも私は思います。

天塩町での暮らしを考えてみよう

気候・自然の話

当たり前の話ではありますが、天塩は夏涼しく冬寒いです。

8月の平均気温は20℃前後とかなり過ごしやすく、稚内同様にエアコン要らずのサマーライフを送ることができます。私が道北に移住してよかったと思っているポイントのひとつに、この夏の涼しさが挙げられます。

しかし、夏が快適なぶん冬は町が雪に閉ざされて氷点下になります。内陸地域ほどの厳しい気温の冷え込みはなく降雪量も札幌と同程度ですが、北海道の沿岸地域特有の強風によって雪が舞い上がる地吹雪ホワイトアウトが恐ろしいです。

海沿いの雪による交通障害といえば、吹雪これ。こんな日は外出を控えましょう。

住まいの話

よくある大手の住宅情報サイトで天塩町の物件情報を調べても、ほとんどヒットしません。地方で住まいを探す際は、自治体に直接問い合わせて空き家や町営住宅を紹介してもらう方法が現実的です。

地域によっては移住者を呼び込むために無償で空き家を貸与していたり、移住者向けの住宅をもっていたりする場合がありますので、まずは気になる地域の移住関連制度を調べてみましょう。

天塩町にも「移住定住促進住宅」がありますので、まずはこちらでお試し移住をしてみるのもいいですよ♪

市街地にある移住定住促進住宅。任命式でご招待いただいた際に宿泊しました。
家具や台所まわりの設備が揃っていて、天塩での「生活」を体験することが可能です。

お仕事の話

地方移住をしようと考えた時に「仕事はあるの?」と心配になる方もいらっしゃると思います。私はたまたまご縁をいただいて稚内へ正社員で新卒就職しましたが、このケースは稀だと思います。

(大手就活サイトで大々的に求人を募集している地方〜僻地の企業は少ないですからね、、、)

でも、
地方に仕事がないわけではないので安心して下さい。

むしろ人口流出が顕著な地域では人手不足が深刻で、稚内でも至るところで従業員が足りないという声を耳にします。地方の求人にはハロワークやリゾートバイトの募集、または企業のホームページを直接覗きに行くことで簡単に出会うことができます!

天塩町の場合は福祉や建設業を中心に求人が出ているほか、酪農王国ならではの新規就農者へのサポートもあります。地域おこし協力隊(魅力発見ディレクター・地域キュレーター・フリーミッションなどなど……)を募集していますので、興味がある方はチェックしてみてください👀

まとめ

天塩町は鉄道や高速道路が通っていない、冬になると地吹雪が吹きすさぶ小さな田舎町です。しかし、小さいながらも生活に必要なインフラが整っていて、町の周辺は北海道ならではの雄大な自然で溢れています。

自然や動物が好きな方、
アウトドアなどのアクティブな趣味をもつ方、
運転が好きで車をライフスタイルの中に取り入れたい方、

こういった方にもってこいの住環境が、天塩そこにあります。

また少々限定的な話ではありますが、天塩と稚内の中間に位置する豊富町には、世界的にも珍しい油分を含んだ泉質をもつ豊富温泉があります。保湿効果の高さがアトピーなどの皮膚炎に良いとされ、全国各地から湯治とうじ客が訪れる人気の温泉です。

天塩に住んでいれば気軽に豊富へ行くことができ、長期的な湯治ができるのも人によっては大きなメリットになり得ます。

日本最北の温泉郷、豊富温泉。入浴後は身体中からガソリンみたいなにおいがします(笑)

町が小さいということに関しては、通勤などの移動時間が短縮でき自分の時間を作りやすいと捉えることができます。

私自身、稚内に移住したことで生まれた時間的余裕がきっかけでイラストなどの生産的な趣味に目覚め、こうして公認インフルエンサーを務めさせていただくまでになりました。食住近接は地方移住における最たるメリットだと考えています。

地方移住による自由時間の差(私の場合)

最後に・・・

この手のお話で毎回書いていることではありますが、ある場所に旅行で数日滞在するのと、春夏秋冬をそこで生活するのとではわけが違います。地方移住は安易な判断でしていいものではありませんし、そもそも性格的に都会向きの人と田舎向きの人がいるので一概に「地方移住はいいぞ」と言い切れません。

もし本格的に地方移住を考えている方がいましたら、まずは候補地にお試しで長期滞在をして、”生活”の観点からその地域を見つめてみてください。できれば夏と冬、両方の条件下で下見ができると尚よいですね。

天塩にもある移住体験住宅や、短期のリゾートアルバイトなどがおすすめです。

ひとまずは今後の人生におけるひとつの選択肢として、地方移住と天塩町のエトセトラを頭の片隅においていただければと思います。『最北日記×天塩町』のコラボ記事は、次回の天塩編⑤にて一旦最終回となる予定です。

ではでは( 。。•ᴗ• )੭⁾⁾

(つづく)

天塩編④

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#天塩町
#地方移住

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