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【雑記】オロロンラインのすゝめ

こんにちは。

日本最北の稚内を拠点として趣味のドライブに勤しむしろまるです。

本記事では私が北海道で一番好きな道……
オロロンライン道道どうどう106号線を取り上げます!

オロロンラインとは何ぞや

オロロンラインというのは小樽から稚内に至る日本海側をるドライブルートの総称です。基本的に海沿いを走るためずっと景色が良いのですが、その中でもとくに激推げきおししたいのが天塩てしおから稚内までの末端にあたる道道区間(約70km)です。

この区間は最北への旅路のクライマックスを飾るに相応しい最高の道なので、ぜひ多くの方に素晴らしさを知ってもらいたいと思っています。

今回はオススメ区間の開始地点である天塩から稚内までを、道なりに写真付きで紹介します。記事の最後にコース全体の概要と、撮影ポイントまとめを掲載していますので、道北ドライブの参考にしていただければ幸いです。

(メインで挿入している写真は2024/11/26のモノですが、ところどころ過去写真を混ぜています。急に空が曇ったり雪が積もったりします)

ちなみに、106号線を経由する公共の交通手段はありませんので、ここを通る旅行会社のツアーか自前の乗り物で挑みましょう。

◆   ◆   ◆

スタート地点となる天塩の道の駅。札幌・留萌るもい方面からの国道232号線沿いにあります。
道の駅にはレストランも併設しています。天塩のグルメといえばしじみラーメンが有名ですが、ごはんとおかずがセットになった「寄り道定食」なんてメニューもあります。ドライブのお供にドゾ。
ちなみにしじみラーメンはこんな感じ(ドライブインてしおさんの写真)
道の駅のお土産コーナー。天塩の特産品やオロロンラインファン必見の道道106号のステッカーもあります!(私も持っています)
これから走る道道106号線は、日没の時間帯に走るのがオススメです。天塩には日帰り入浴できる温泉があるので、時間調整がてらさっぱりしていくのがしろまる流の楽しみかたです。

温泉に入ってお腹を満たしてお土産を買ったら、いざ出発!

🚗三

天塩市街〜オトンルイ風力発電所

国道で天塩の町を稚内方面へ北上すると、市街地のはずれで「抜海ばっかい・道道106号方面」の分岐に差し掛かります。

ここを左折。
続いて突き当たり2つ目の信号を右折。

信号を曲がるといよいよ道道106号線のおすすめ区間が始まります。

⚠️ここで注意事項⚠️

天塩から稚内までの海岸線ルートは、約70kmにわたってガソリンスタンドやコンビニが全くない超絶過疎地帯です。できれば天塩の市街地を出る前に、燃料と食糧を確認しておきましょう!

道道106号線の表示。稚内までは67km!
当然ですが、野生動物の飛び出しにも注意です。

天塩〜稚内間におけるシカの出没度は平均的な道内の田舎道を出没度🦌とすると、

天塩〜稚咲内わかさかない→出没度🦌
稚咲内〜抜海→出没度🦌🦌🦌
抜海〜稚内→出没度🦌🦌🦌🦌🦌
稚内(ノシャップ方面)→🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌🦌

という感じで稚内に近づけば近づくほど注意が必要です。

とくにオロロンラインからノシャップ岬を目指す方は安全運転を心がけましょう。シカを1頭も見ずに辿りつけたら逆にすごいです。

3〜5分ほど走ると道が大きく左にカーブし、天塩川に架かる「天塩河口大橋」を渡ります。
🚗三
天塩川は250km以上という日本第4位の長さを誇る大河です。冬は水面が凍結して真っ白になります。天塩→稚内でドライブしている場合は進行方向左手が下流、右手が上流方向です。
橋を渡りきると、幌延ほろのべ町に入ります。
右へ大きくカーブ後にめちゃ広い駐車帯がありますが、とくにトイレ等はありませんのでスルー推奨です。
ゆくてに現れる国立公園の看板。道道106号線は公園のど真ん中を突っ切って行きます。
やがて路肩を示す矢羽根やばねに混じって存在感を増してきたのは、道道106号線の象徴とも言うべき存在。
じゃじゃ〜ん!

オトンルイ風力発電所です!!!

高さ100m近い巨大な風車が道に沿って一直線に並ぶ光景はまさに圧巻です!

オトンルイは道道106号線のハイライトとも言える場所で、オロロンラインという言葉を聞いた時にこの風景を思い浮かべる人も多いはずです。

長きにわたって北へ向かう旅人を見守り続けてきたこれらの風車たちですが、実は環境負荷がより少ない発電体制へ移行するために近々解体が予定されています。今のうちにその姿を目に焼き付けておきましょう。

風車から道を挟んだ向かい側に駐車場とトイレが完備されています。以前のトイレは通年で解放されていたはずなんですが、ロケ日(2024年11月)は閉鎖されていました。
個人的に気に入っているフォトスポットはこの向きです。稚内方面からS時カーブを利用して道路と風車群を画角に収めます。
冬ver。

また、

駐車場の向かいにある「オトンルイ風力発電所」と書かれた看板の小道に入ると、
ここまで風車に接近して写真が撮れます。(これ以上は立入禁止です)
発電状況も確認できます。
あと自分が原付カブを所持していた頃は、景色をミラーに写す構図にハマっていました♪
日の出の時刻もシルエットが綺麗です。
真横アングルはちょっとキモくてXツイッター映えしますよ^_^

オトンルイ風力発電所〜稚咲内わかさかない

オトンルイ風力発電所は道道106号線の代表的な景色ですが、この先にもまだまだ見どころが満載です。

飲食スポットの遺構を横目に少し走ると、
北緯45度線ポイントに差し掛かります。

北緯45度線は赤道と北極点のちょうど真ん中にあたり、国内で45度線以北に該当するのは道北の一部地域だけです。宗谷の夏は3時台に日が昇り、冬は15時台に日没となります。

45度線ポイントの海側には「N」を模ったモニュメントもあります。
車が停められるようになっているので、45度以北エリア突入記念の写真を撮りましょう。

45度線の突破を喜んだのも束の間。

/ ドドーン!\

目の前に謎の構造物が現れます。

雪国に住んでいる人には馴染み深いモノですが、初見の人にとっては平野に突如現れた虚無のトンネルのように感じられるかもしれません。

こいつの正体は、吹雪に見舞われた時に逃げ込むためのシェルターです。

中はこんなかんじ。車道の両脇に駐車帯が設けられていて、ドーム状の屋根が横からの風雪をシャットアウトしてくれます。

「意味あるの?」と思われる方もいると思いますが、北海道の吹雪———通称「ホワイトアウト」を舐めていると、最悪の場合死にます。

北海道の沿岸部は内陸に比べると積雪量が少ないですが、その代わりに強烈な海風に乗って雪が舞い上がり、地吹雪となって我々の視界を奪います。

酷い時は数メートル先の状況すら確認することができず立ち往生が発生して自衛隊が出動したり、実際に人が亡くなったりしたケースもあります。

ホワイトアウトの一例、ある日の稚内駅前です。レンズを通すとある程度視界がよくなるため、肉眼だともっと酷い(⌒-⌒; )

道道106号線は夏冬問わずおすすめの道ですが、それはあくまで天気が良い場合の話です。

これだけ景色がひらけていて海が近いということは、雪と風がダイレクトに襲いかかってくるわけです。しかも、何かアクシデントがあった際に近くに人家がないため助けを求めるのも一苦労です。

このシェルターが必要になりそうな荒天時は無理をせず、内陸を通る国道40号線ルートを選びましょう。絶対です。

🚗三

望遠レンズを持っている人は、シェルターを抜けた先で南向きの写真を撮ってみましょう。雪国らしい矢羽根やばねとシェルター、そしてオトンルイ風力発電所が1枚に収まります。これぞオロロンライン。
最近できた小さいサイズの風車たちもいっぱい並んでいます。将来的には全部このタイプになるのかな?
そして道は豊富とよとみ町へ突入。
豊富に入ると矢羽根が姿を消し、上半分の視界がクリアになります。

真っすぐな道を気持ちよく走っていると。

おっと!

いきなり信号が現れます。

この場所こそが、稚咲内です。

信号を左折すると小さな漁港。右折してしばらく走るとサロベツ湿原センターがあります。
信号の先に駐車帯があり、夏だけ(?)ですがトイレも開放されています。

稚咲内ここへは2021年3月まで豊富とよとみ駅から沿岸バスさんの路線バスが走っていたのですが、残念ながら廃止されてしまいました。

かつてのバス停。
広大なサロベツ原野の中をゆっくりと走る最果てのバス。本当にすごい路線でした。

稚咲内〜抜海

稚咲内の信号を通過すると、道に更なる変化が。

/ じゃじゃ〜ん!\
うおおおおお!

ま〜じで何もない。

申し訳程度に路肩の位置を示すポールを除いて人工物がみんな姿を消してしまいました。稚咲内から抜海までの区間はオロロンラインの中で一番「何もないがある」場所です。

まるで日本じゃないみたい。

冬は一面の銀世界です。ポールを頼りに走りましょう。
Xに趣味で投稿していた『しろまる最北日記』の100回記念イラストもここをイメージして作成しました✨
程なくすると道が緩いカーブを描き、ちょっとだけ海から遠ざかります。
両側に平野が広がるのも最高〜(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)
非日常感満載の景色です。
海岸線から離れたことで夕日と利尻と海と牧草ロールを画角に収めることができます!!!
記念撮影をしましょう。

しばらくすると、再び道がカーブを描き、海へと近づいていきます。そして、

/ ババーン!\

サムネイルの場所に到達します。

道が利尻と海に向かって伸びる、道道106号線の中で個人的に一番気に入っているしろまるフォトスポットです!!!

ここは夕景も暴力的な綺麗さですよ。

再び海沿いに出るとすぐ、

見慣れたマークが。
日本最北の市町村、稚内の市域に入ります。この辺りは対岸の利尻との距離が最も近く、写真撮影もバッチリです。カントリーサインと本物のコラボレーション📷💥
夕来展望所という場所からの眺め。
車を止めて景色を見たい方はこちらへどうぞ。

利尻山はあの銘菓「白い恋人」のパッケージモデルにもなった最北の百名山です。雪化粧をしているとかっこよさ倍増ですね。

稚内市に入ると、道道106号線は細かいアップダウンとカーブを繰り返しながら北西の方角へと進路をとります。

地平線溶け込む一直線の道もいいですが、高低差のある道も走りがい・撮りがい抜群ですよ!オロロンラインの隠れた撮影スポットです。
冬はこんな感じ。

アップダウンを抜けると、みちの海側に稚内市が運営する無料展望休憩所「こうほねの家」が姿を現します。

こうほねの家。室内とトイレは夏のみの解放です。
駐車場から海岸線まで降りることができ、
日本海に浮かぶ利尻山を、波打ち際から堪能することができます。
尚も進み、右手に小高い丘の上に乗った奇岩(抜海岩陰遺跡)が見えてきたらまもなく、
抜海の集落に到着です。

稚咲内にポツンと佇んでいた信号機もそうでしたが、ひたすら原野を走っているだけの道でいきなり市街地や一時停に遭遇するとびっくりしてしまう時があるので注意しましょう。

左折すると抜海の港があります。ゴマフアザラシの越冬地として有名で、運が良ければ出会えるかも?!
ちなみに、抜海の、海抜は、5mです!(激寒

抜海〜稚内〜ノシャップ岬

先ほどの抜海交差点を右折し、ゴールの稚内を目指します。

稚内市民的には抜海ここまで来るとほぼ稚内に着いたも同然の感覚なのですが、距離表示は16kmあると言っています。意外と遠い。
本筋の106号線から少し逸れますが、抜海の集落を出てすぐのここを右折すると……
JR宗谷本線の抜海駅があります。
この駅は日本最北の木造無人駅として根強いファンも多い人気スポットです。
名所案内
「「「 天 然 お 花 畑 」」」
しかし、利用者が少ない抜海駅は有志による存続の訴えも虚しく2025年3月の廃止が決定してしまいました。
駅の開業は1924年なので、実に101年という長い歴史に幕を下ろすことになります。
2024年ことしの夏から2本あった線路の片方が使用されなくなったため、以前のように構内踏切を渡って反対側のホームから駅舎を撮影することはもうできません。
抜海駅も過去にイラスト作成していました。
ありがとう。

さて。
道道106号線に戻りましょう。

抜海駅から稚内の中心部までは10〜15分ほど。
※この付近は両側が茂みになっていてシカを視認しにくいので細心の注意を払って運転しましょう。
再び景色がひらけてくると……
分岐に差し掛かります。

左の道を進むとノシャップ岬、右の坂を登ると稚内の市街地に行くことができます。左から出てくるくる車両に気をつけましょう。

とりあえず一旦右の坂を登って稚内の中心部に行くルートを紹介します。

登坂車線が備わっています。
坂の途中の景色です。冬の下りはすべるのでちょっと怖い:;(∩´﹏`∩);:
坂の上の海側には、車を停められる「夕日が丘パーキング」があります。高いところから見る夕日も格別です。(夏季限定)
振り返って時に見える稚内市の街地側からの景色も最高です!これから始まるオロロンラインの旅を日本海と利尻が歓迎してくれます
そのまま106号線を進むと稚内の市街地に着きます。
お疲れ様でした。

では、
ちょっと戻って、
坂の下の分岐点からノシャップ岬方面へ向かった場合のルートもご紹介しておきます♪

◆   ◆   ◆

まずこちらのルートでご紹介するのは、分岐を左折後すぐの砂利の脇道を進むと現れる、日本最北の海水浴場「坂の下海水浴場」です。

遊泳できるのは7月〜8月というわずかな期間だけですが、利尻とシカに見守られながら最北の海を泳ぐことができます。(かなりさむい)

坂の下海水浴場。
こんな感じで愛車と利尻を撮影することもできますよ♪

閑古鳥が鳴く海水浴場を後にノシャップへ続く道道254号線を北上し始めると、下記のような看板が目に留まります↓

「無事カエルロード」

坂の下からこの先の富士見地区まで続く約5kmほどの区間は「無事カエルロード」と呼ばれ、地元民が漁具を改造して作ったお手製人形たちが道ゆく車両の交通安全を祈願してくれる珍スポットとなっています。

オロロンラインの延長で一部ライダーたちの聖地と化しています。

手作りの人形たち。版権的に怪しい個体もちらほら見かけます。
これは……ロボット……?
あと、この坂の下〜富士見〜ノシャップの区間は稚内……いや、全道内でもトップクラスにシカ密度が高い場所です。
無事カエルロードの名のもと、安全運転で行きましょう!

野生動物の飛び出しに注意しながらしばらく走ると、富士見の集落を抜けたところで道の右側に♨️おんせんが出現します。

/ ドン!\
童夢どうむ」さんです。
童夢ここは日本最北の温泉です。利用時に別途200円を支払うと最北の入湯証明書をGETできます!

露天風呂から日本海と利尻を見ることができるので、ぜひ最北の温泉で疲れを旅の癒してみてください〜(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)

(˶‾᷄ △ ‾᷅˵)

童夢からもう一つのゴールノシャップ岬までは車だと5分ほどです。自衛隊のレーダーサイトとパークゴルフ場、そして紅白に塗り分けられた稚内灯台が見えてきたら到着です。

イルカのオブジェが印象的なノシャップ岬。
ここからも利尻はバッチリ。夕日が丘パーキングに並ぶ稚内の夕日スポットなので日没の時間帯はけっこう混み合います。
岬の突端には「ノシャップ寒流水族館」と国内第2位の高さを誇る「稚内灯台」があります。
あざらし可愛めんこいです(๑˃̵ᴗ˂̵)و
併設されている科学館も面白いですよ。
水族館の外壁に本日の日没時刻が書いてあるので、夕日を見たい人は参考にしましょう。

以上、
天塩から稚内までのオロロンライン道道106号線+ノシャップ岬の紹介でした!

最北端へお越しの際は走りやすい内陸の国道40号線もいいですが、ご自身で運転されるのならぜひ海沿いのオロロンライン末端区間を走ってみてほしいです。

この道の良さは写真や文章だけでは伝えきれません。実際にハンドルを握ってアクセルを踏んだ者だけが味わうことのできる、国内トップレベルの感動の景色です。

私は旅行の中でも特にドライブが好きで、北海道に移住した理由の中には「車通勤ができて良質なドライブコースに恵まれているから」というものも含まれています。

実際その判断は大正解で、家からたった30分走ればオロロンラインのような絶景に出会えるこの住環境には大変満足しています。

しかも、近所ゆえに天気や季節のいい時を狙っていつでも走りに行くことができるため、最高の景色を最高のコンディションで堪能することができます。これは最北民の特権ですね。

最後に本記事で紹介した道道106号線沿線の紹介を1枚にまとめましたので、貼っておきます。

ごちゃごちゃしてますが、
参考になれば^_^

オロロンラインはいいぞ。

おまけ エサヌカ線

道北には先述のオロロンライン道道106号線と双璧をなす快走ドライブコースがもうひとつあります。

それはオホーツク海側の猿払さるふつ村にある「エサヌカ線」です。

猿払と浜頓別はまとんべつにまたがる全長約16kmほどの村道エサヌカ線は、オロロンラインよりもさらにまっすぐで周りに何もない最高のストレートが訪れたドライバーやライダーたちを魅了しています。

正直、写真で1コマ切り抜くだけなら道道106号線よりエサヌカ線の方が映えます。

地平線に向かって伸びるエサヌカ線のストレート。

ただ、こちらは距離が短く直角カーブと路面の凹凸に留意する必要があるほか、冬の間は除雪が入らないので実質夏だけの期間限定コースとなっています。なので約70kmにわたって壮大なスケールの絶景が続き、1年を通して四季折々の表情を見せてくれるオロロンライン道道106号線のほうが、総合的な満度は上だと思っています。

(おわり)

#ドライブ
#ツーリング
#オロロンライン

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