デビルシャークは全人類見たほうがいい
(再掲) ※作品のネタバレを含みます※
所謂B級映画と呼ばれる中でも、どうやらサメ映画はジャンルとしての地位を確立しているらしい。そう聞いて「ジュラシック・シャーク」を視聴した私は、確かにそこに愉悦を覚えた。感覚で言うならば、小さい頃はできなかった駄菓子を大量買いして、コーラを片手にそれらを口いっぱい頬張るような、時間という財産を存分に散財する贅沢感。
さて、次はどんなサメ映画を見ようか。その問いに「デビルシャーク」と言った視聴者がいた。今思えば、その視聴者はまごうと無き悪魔の使いだったのだろうと思う。
デビルシャークとは
この映画は2015年のアメリカ映画で、いや待って欲しい、2015年???想像より近代すぎて思わず筆がとまった。どう考えてもCG技術が…いや、この話題は後にしよう。
映画の上映時間は71分。さて、マイケル・ベイ (映画時間が長いことで有名な映画監督) 映画に慣れ親しんだ私でもこれだけは言える。この71分は、3時間に匹敵する重みがある。更に言えば、恐らくこの映画には時間軸を歪める呪いか何かがかかっている。
それくらい、この映画のシークバーの歩みは重く、遅く、鈍く感じるのだ。
「な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…(ジョジョ3部より)」
ポルナレフの名言を、よもやサメ映画で身をもって体感する日がくるとは、私も想定外だ。
そんなデビルシャークのジャケットがこちらになるわけだが「え、ちょっと面白そうじゃん!」と思ってしまった人がいたら、1度自分の両頬をパンッとして欲しい。
君は今ある種の幻術にかかっている。
デビルシャークという映画に、このシーンはない。
いや、詳しく言えば、確かにエクソシスト(?)がデビルシャークに対峙するようなシーンはあるにはあるが、デビルシャークは下からではなく上からくるし、シャークはもっと解像度が低くて荒い感じだし、エクソシストはゲロまみれだ。
むしろ、デビルシャークに出てくるサメ画の中で、一番解像度が高いのはこのジャケットと言っても過言ではないだろう。
だが安心して欲しい。「ジャケット詐欺」なんて言葉がちょっと可愛く感じるくらい、この映画のあらすじは更にぶっ飛んでいるのだ。
デビルシャークのあらすじ
ストーリーは、邪悪なシスターが湖でデビルなシャークを召喚。湖に訪れる人々を次々とデビルシャークが襲う!(なおデビルシャークが人を襲う瞬間は残念ながら映像としてほとんど描写されていない)
悪魔の力によるものなのか、突然流行りだしたノロウイルス(諸説あり)による、エンドレス嘔吐描写!そう、デビルシャークあるところに嘔吐あり、そしてデビルシャークがなくとも嘔吐はあるのだ。
何やかんやあって、デビルシャークにとり憑かれた美女を助けようとした神父がやはりゲロを浴び、神父は美女とキスをして、何故か空からデビルシャークが舞い降り爆発。
突然始まった見知らぬおじさんによる水着美女の盗撮シーン。何も終わってないのに流れだすエンドロール。エンドロールの間に突如として現れた新キャラが、意味ありげに水族館を散策し、最後に嘔吐。そしてエンドロール後にもダメ押しで美女が嘔吐し、物語は終わりを迎える。
ついに筆者の気が触れたか、と感じた人もいるかもしれないが、待ってほしい。
私は大真面目に映画レビューをしようとしている。なんたって、私は1度見たはずのデビルシャークのあらすじをまったく思い出せず、このレビューを書くと思いたった日に、再度デビルシャークを見て、全然筆が進まず別日にもう1度見たのだ。え?3回もデビルシャーク見てるってこと…???
デビルシャークを見て、感じて
デビルシャークと名を打ったにも関わらず、映画視聴後に残された記憶は虚無―…ではなく、人々の嘔吐シーン。私の感性で言えば、この映画はデビルシャークではなく、デビル嘔吐だ。嘔吐って英語では何と言うのだろうか。Google先生に聞いてみた。Vomit [ボミット]と言うらしい。これはデビルシャークボミット!いや…
ボミット ~デビルシャークを添えて~
ふむ。このタイトルが実にしっくりくる。
そして視聴後に訪れる痛烈な疑問。
いや、ゲロ吐きすぎじゃない?
なんでデビルがシャークなの?とか、全編通して湖が浅すぎじゃない?とか、登場人物多すぎじゃない?とか、もうそんなことは瑣末な問題だ。
映画監督であるドナルド・ファーマー監督が嘔吐愛好家なのでは!?とも思ったが、なんとドナルド・ファーマー監督の情報が全然出てこない!Wikiもない!どういうことだ!
ちゃっかり、次回作の情報だけはしっかりヒットしたので紹介しておこうと思う。
大変だ!この流れでまさかのドナルド・ファーマー監督のYouTubeチャンネルを見つけてしまった。ここに何かヒントがあるのではないかと、チャンネルを隅々まで見たが、私がここで得られたのは、ドナルド・ファーマー監督はおっぱいが好きなんだろうな、という事くらいだ。
なんだろうか、このドナルド・ファーマー監督の掌の上で、踊らされているような奇妙な感覚は…。
ともあれ、ドナルド・ファーマー監督が嘔吐愛好家でないとすれば、デビルシャークにおける嘔吐描写の数々…その真実は、誤発注しかあるまい。
吐瀉物として用意したあの黄色いスライムっぽい何かを、スタッフが5キロ頼むところ50キロ頼んでしまい、とりあえず吐かせとけ!となった。スライムで映画の予算をかなり使い込んでしまった結果他の部分は低予算に…、と仮定すると…そう……点と点が繋がるような…うん、つなが…つながった!!!はい、つながった!!!
誤発注によって、デビルシャークはやむなくボミット ~デビルシャークを添えて~にならざるを得なかったのだ。
そう考えれば全て合点がいく。
さて、存分にデビルシャークの魅力を全身全霊で書き連ねたわけだが、きっとデビルシャーク未視聴の人は、デビルシャークが気になり始めたに違いない。アマゾンプライムで視聴できるので、是非この機会に見て──……
オィイイイイ!!! デビルシャーク未視聴組を71分間の地獄に引きずり込もうと記事を書き始めたのに配給権切れだと!?!?!
返して!!!;;
日本にデビルシャークを返して!!!;;;
と言うことで、今は見れないがきっといつか必ず見れるようになると信じて、私はこの記事を公開しようと思う。
デビルシャークが再び日本で見れるようになったあかつきには、記念に第二回(私は実質四回目になるが)デビルシャーク同時視聴をやろうと思うので、みんなそれまでどうか健やかに過ごして欲しい。
デビルシャークに愛を愛を込めて
よもや、2025年に『帰ってきたエクソシスト・シャーク』の同時視聴が確約される未来があると、この記事を書き上げた過去の自分は知らなかったわけだが。
今度こそ、私はドナルド・ファーマー監督に膝を折ることなく、同時視聴を終えてみせる…!!!
2025年2月21日(金)21時から同時視聴しますので、サメ映画の深淵を是非一緒に覗きましょう。