女でも痔瘻になったから、入院して手術してきたわよ ~黎明~

ケツがいてえ~~~~~~~~~~!!!!

 ある夏の日、あまりにもケツが痛かった。魚焼きグリルで焼いている鶏肉の様子を見るために屈んだ瞬間、ケツからこの世が終わったかと思った。でも別にこの世終わってなかったからトイレに行ってケツを確認したら、出血してるし次の日は膿っぽいものが出ている。私はすぐにGoogleで検索をかけた。
「痔瘻 症状」
 この世には痔瘻という、尻の穴と別のところから膿が出る恐ろしい病が存在することは知っていた。検索結果のあらゆるところで、「手術しなければ治らない」「最悪癌に発展する」と書かれている。いやだ怖いまだ死にたくない。でも入院もしたくない。
 他にも、痔瘻の症状として発熱がある場合がある、とか、男性の患者が多い、とかそういった情報があった。発熱はないし腐っても女だから、という一縷の望みをかけて、近所の肛門科を受診した。

 お医者さん「痔瘻ですね」

 終わった。

 お医者さんから聞いた話は、
・過去にやった切れ痔から痔瘻になっている
・薬で一時的に化膿を止めることはできる
・でも薬では完全に治らないよ
・完治させるには手術しかないよ
・うちの病院では手術できる環境がないから、よその病院に行ってね
 ということで、その日は薬を貰って帰った。

 翌週、紹介された病院を受診した。
 一回目の病院と同じように尻を見られ、同じようなことを言われ、化膿止めの薬を出され、私は手術するかどうかの決断を迫られた。
 が、化膿止めの薬が思いのほか効いたのと、尻から膿みが出ることに慣れてしまったがため、しばらく放置した。三ヶ月くらい。放置したら更に痛くなってきた。
 今後一生尻がスッキリしないのは、多大な損失ではないか、と考えるに至った私は腹をくくった。だいたいそもそも、痔瘻になる前からいぼ痔っぽいものはあったのだ。ついでにそれも取ってもらおう。クソが。

 私は東海オンエアのてつやくんのいぼ痔治療記動画を繰り返し見て、自らを勇気づけた。てっちゃんがこんなに頑張ってるんだから私も頑張れよ。

入院、手術の話をしに病院へ行く

 ワイ「手術の決心がついたから、日程の相談しにきました」
 先生「おk、最短で三ヶ月後」
 ワイ「大人気病院」

 日程を決め、入院についての注意事項を聞き、入院費が払えなかった場合の保証人の連絡先を聞かれ、血液検査と尿検査をされる。
 そして時勢が時勢なので、入院1週間前にPCR検査をしてくださいね、と言われた。仕事の昼休みに検体を提出しに行った。結果は陰性。血液検査、尿検査も問題なかったので、晴れて予定通りに入院と相成った。

入院準備

 これまで至極健康に生きてきたので、入院という経験をしたことがなかった私はとにかく入院というシステムについて調べまくった。
 入院に必要な費用は1日1万円! と保険会社がよく言っているアレは、どうやら差額ベッド代とかいうものが含まれていて、個室を選択したらそのくらいの値段になることがわかった。別に四人部屋でもいいので、その旨を事務員さんに伝える。
 必要なものは入院のしおりにだいたい書いてあった。入院中暇だろうからと、はりきってNintendo SwitchのSDカードを買い替え、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドを購入した。

 入院前日は翌日から酒が飲めなくなるから、と思い、ありったけの酒を飲んだ。ゲーミングチェアの上で何度か気絶しかけた。不思議と緊張感はない。何せ、命に別状のない入院手術だから。

 ~続く~

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