松本民の「One Soul」をつくるソウルフード!?~食べる松本、いきなり中級編~
プロローグ
「まつもと~、まつもと~ 終着、松本です......」
松本に訪れたことのある方は、アルトっぽいのびやかな女性の声による、アナウンスをお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
私自身もこのアナウンスを聞くと、「あー、松本に帰ってきた!」と実感し、凛と澄んだ地元の空気を、目いっぱいに吸うのが毎回のお約束です。
というわけで、松本は地元だと言って差し支えないであろう私が、松本のオススメグルメスポット、そしてソウルフードたちをご紹介したいと思います!
なおご紹介するお店や食べ物たちは、そばや野沢菜など、王道の松本グルメにはあまり触れていません。そのため、「初めて松本を訪れる方」というよりは、「松本訪問は2回目以降、松本の新たな一面も見たい」といった方向けかもしれません。
もちろん初めての方でも、「土地に根付いたお店大好き!」と言っていただける方は大歓迎です!!
それではいきましょう!ひうぃごー!!
※なお、Short letterと題していますが、実際は全然ショートではないのでご了承ください※
【昼から夜まで!じっくり観光派におすすめしたいお店5選】
ここでは、ランチ~夜くらいまで松本に滞在できることを想定して、駅から少し歩くお店や、ゆっくり滞在して欲しいお店の紹介をします!
松本城まで足を伸ばすよ!という方にはぜひおすすめです。
どんぐり
松本駅から徒歩3分程度というアクセスの良いどんぐり。
こちらはざっくり言うと「レトロこじゃれた洋食屋さん」なのですが、お味がおいしいだけでなく、けっこうボリュームがあるんですね。
なので、松本の高校生カップルや、おしゃれな女の子同士が休みの日にランチをする時の定番でした。
だいたい男の子がハンバーグ、女の子がオムライスかスパゲッティーを頼んでるイメージです。
ちなみに、私はベーコンとしめじのクリームスパゲッティーが好きでした。
「どんぐりでごはんを食べる」=「リア充」という図式が、きっと同世代の中ではふんわりあったのではなかろうかと思います。今はどうなんだろう......。
ちなみに今も昔も清純派で売っている私が、当時どのくらいどんぐりに行っていたのかは......さあ、当ててみてね!
おきな堂
こちらは「松本歩き」には欠かせない、縄手通りの近くにある洋食屋さんです。
また洋食屋か......と思わないでください。こちらのおきな堂さんは、自ら「時代遅れの洋食屋」と名乗るほど由緒正しい洋食屋さんで、創業はなんと1933年。
ルーズベルト大統領が誕生し、ヒトラーが首相となった年のようです。
このあたりの歴史はセンシティブなのでこれ以上触れませんが、そんな激動の時代を生き抜き、現在にその味を継ぐ洋食屋さんです。
店内に入ると、本当に「モダンな昭和初期」にトリップしたよう。
もちろん味もお墨付きです。
食事のおすすめはオムライスと煮込みハンバーグですが、個人的にデザート、もしくはティータイムに激推ししたいのはなんといってもあれですね。
そう、プリン!
卵が効いたしっかりめの優しい甘さのプリンに、正統派ど真ん中のほろにがカラメルソースが絡み合ってまさに至福......。
傍でそっと見守る生クリームとフルーツを気まぐれに掬うのもまた一興......。
プリンひとつで幸せになれる、優しい空間です。
たい焼き ふるさと
スイーツネタが続きますが、こちらも縄手通りにあるたい焼き屋さんです。
縄手通りは松本駅から少し歩くのですが、情緒あふれる本当に良い場所なので、ぜひ一度は寄ってみて欲しいです。
ちょうど松本駅と松本城の間くらいにあるのですが、松本城まで行くときは、行きはバス、帰りは歩きでぶらぶら.....などでも良いかもしれません。
ちなみに松本駅から松本城までは、154cmでやや短足の私が、寄り道をせずにカツカツ歩いて、20分ちょっとくらいの距離があります。
…...たい焼きの話に戻ると、ここのたい焼きは薄めのパリッとした皮に、優しい甘さのあんこがけっこうな勢いで詰まった、昔ながらのもの。
松本に行くと高頻度で寄るのですが、口にするたびに「あー、これこれ!」と言いたくなる、懐かしの味です。薄皮で甘さもすっきりしているので、ぺろっと食べられてしまうのがニクイところ。
そして、三十路になった私だからこそおすすめしたいものがもう一品あるのですよ!それは......。
「ウインナーたい焼き」です。
たい焼きにウインナー!?と思ったでしょう。
これがね、ビールに死ぬほど合うんですよ......!
ビールが苦手なことを普段から公言している私ですら、ウインナーたい焼きを片手に持つと、もう片方の手に持ったビールがあっという間に消えてしまうのです。あら不思議。
あのあたりは現在お土産屋さんも多く、地ビールなどもテイクアウトで気軽に手に入るので、ぜひたい焼きとビールのハーモニーを奏でていただきたい。
ちなみに個人的には、すっきりめのビールと合わせていただくのがおすすめです。
縄手通りにはあちこちにベンチもあるので、うららかな日に、女鳥羽(めとば)川を眺めながらウインナーたい焼きとビール......。最高......。
蔵シック館
こちらも縄手通り近くの「中町通り」にある施設です。
ダジャレみたいな名前ですが、この建物は明治時代に建てられた蔵造りのもので、いかにも古き良き城下町の姿を残すシンボルとなっています。
ここではイベントが行われていたり、レンタルスペースがあったりする他、喫茶スペースもあるんですね。
ここのアメリカンコーヒーが大好きなのですが、雰囲気もあいまって、すごく「いい感じ」の時間が過ごせるスポットだと思います。
松本城からも徒歩圏内なので、少し歩き疲れたら休憩がてらにいかがでしょう。
大漁
ざっくり言うと、松本駅前にある、気軽な大衆居酒屋さんです。
気さくな雰囲気でカウンターもあるので、一人飲みもしやすいのではないでしょうか。ちなみに2~3階にはお座敷もあるので、大人数にも対応してますよ!
このお店の良いところは、駅からのアクセスが良く気軽に立ち寄れることだけでなく、料理も美味しい上に、郷土料理系も一通り揃っているのです!
馬刺し、岩魚、野沢菜、きのこ、わさび、山賊焼き、沢がに、果てはイナゴや蜂の子まで......。
「とりあえず松本っぽいものを食べたい」というニーズに応えるメニューが揃っています。
そして一番大事なことを言いますね......。
「いい感じの地酒がいい感じに揃ってる」。これですこれ。
居酒屋に来たからにはとっっっっても大事な要素ですよね。
定番の真澄や私が好きな大雪渓、大信州、他にも美寿々や善哉など、他店ではなかなか揃いにくいお酒も置いています。
地酒以外にも、焼酎も豊富。
そば焼酎を置いているお店に、絶対の信頼を寄せがちな私激推しの、隠れた(?)名店です。
ちなみに、お財布にも割と優しいのもグッドポイント!
シラフでは絶対に帰さない......!
【出発まで時間がない!時間ギリギリでも攻められるお持ち帰り3選】
ここからは、駅前にあって気軽に立ち寄れるお店をご紹介!
「最後まで松本を食べつくしたい!」「滞在時間がないけど美味しいものをサクッと食べたい、持って帰りたい」という需要にお応えします。
マサムラのシュークリーム
本店は駅から少し歩いたところにある洋菓子の「マサムラ」ですが、実は駅前すぐの、アルピコバスターミナルの中にも販売所があるんですね。
ここの「スイス風シュークリーム」は、生地がサックリ、クリームしっかりという、他になかなかないようやシュークリームで、一度食べたら忘れない味だと思います。
しかし、それ以上におすすめしたいのは「ベビーシュー」です。
私の大きくない手のひらにも、2つ3つほど乗ってしまうような小さなシュークリームで、スイスシュークリームと違って、生地もふんわり、クリームもとろっとしています。
お値段も1つ120円程度とお手軽なので、地元でも沢山買って手土産にする方も多くいらっしゃいます。
ただね、この子、かわいい顔して危険なんですよ.....。
まず、持ったと思ったらなくなります。甘い快感を舌の上に残して、跡形なく消えているのです。
そうするとまたあの快感が欲しくなり、2つ3つ......と、手が止まらなくなります。
そして複数人でシュークリームを囲んでいる場合、十中八九、家庭内での争奪戦が勃発します。何個買って行っても、最後は奪い合いになる不思議。
…...そんな魔力を持つシュークリームに手を出す勇気のある方は、ぜひマサムラにお立ち寄りくださいませ。
牛乳パン、みそぱん
ふわふわで厚手のパン生地に、あま~い白いミルク味のクリームが詰まった夢の味。
そんな牛乳パンも、いつの間にか県外の方に知られる存在となりました。
牛乳パンといえば、パンセ小松(小松パン)さんが有名です。
しかし小松さんの牛乳パンは有名&人気ゆえに、午前中には売り切れてしまうこともしばしば。
「試合を見た後では絶望的ではないか......。」
そんなあなたには、ぜひこちらをおすすめしたいと思います。
ムラタ
こちらのパン屋さんは駅からすぐ近くで、シェフっぽい出で立ちのおじさんの人形が店頭に立っているので、松本ビギナーでも絶対にすぐ見つけられます。
しかし発見の容易さとは裏腹に、創業は明治40年で松本で最も古いパン屋さんであり、保存剤、添加物は使わず、天然酵母のパンを作り続けているという本格派です。
牛乳パンも、小松さんよりクリームのボリュームも甘さも控え目ではありますが、大人になった私にはかえって食べやすく嬉しい一品です。
からあげセンター
松本を知っている方からすると、「出た!」と思われるお店かと思います。
こちらは松本の駅ビル「MIDORI」の中にあり、イートイン、テイクアウトのどちらもできるお店です。
イートインでは本格的な、わらじサイズの山賊焼きも食べられるのですが、個人的におすすめしたいのはテイクアウト。
「松本に来たからには山賊焼きを食べたい......。でも他のものも食べたいし、ダイエットも気になるし......。」という方に朗報!
からあげセンターのテイクアウトは、一口サイズの山賊焼きが、1個から注文ができるのです!
また、駅のホームまでもすぐなので、テイクアウトした山賊焼きを、温かいうちにあずさの中でビール片手につまむ......というのもオツですよ。
長野を代表する地ビール・よなよなエール。こちらも駅ビル内のお土産屋さんやコンビニで購入できます。
【場外乱闘!~車があったらぜひ行ってみて~】
ここからは場所などが本当にニッチなのですが、車移動が可能+お時間などに余裕があれば、寄ってみてもらって良いかも?というお店をご紹介します!
個人的な好みがとても強いので、あくまでもご参考までに。
マイショップ 松本浅間店
え、コンビニ?と思いましたよね。
駅から車で15分程度、浅間温泉の入口から少し入ったところにあるお店なのですが、ここで売っているパンが本当に美味しいんです......!
実はここは私が通っていた高校が近く、部活終わりによく寄っていました。
今も置いていればですが、絶対的おすすめは揚げパンです。
高校時代、もはや何kcal分か分からないくらい、めちゃくちゃ食べました。思い出の味です。
赤羽おやき
ここはもはや松本というか、安曇野の方が近いのですが......。
「生坂村(いくさかむら)」というところにある、いわゆる「お父さんお母さん」がやられているおやき屋さんです。
私は今この瞬間にも、家の冷凍庫にはおやきが10個以上眠っているくらい、おやきフリークなのですが。
おやきの中でも、「灰焼き」と言われる、昔ながらの製法のおやきが大好きなのです。
この「灰焼き」のおやきは、一般的に売られているおまんじゅうみたいなおやきと違い、触感が「ワシワシ」しています。なんというか無骨です。
しかしその中からじゅわっと出てくる、おかずととっても合うんですね。
一度ハマったら抜けられません。
今は灰焼きのおやきはかなり減って、赤羽のおやきも正確には灰焼きではないのですが、やっぱり「これこれ!」というお味です。
こちらのお店は営業時間が短いので、早めの訪問がおすすめです!
ちなみに我が家が伺う時は、いつも電話で予約をしてから向かいます。
以前予約なしで伺った際、お母さんから「へえ今日の分はねえじ!(もう今日の分はないよ!)」と断られてしまい、力なく山道を下った苦い記憶があるためです。
でも、野を分け山を分けてでも手に入れたい、そんなおやきがそこにある。
エピローグ
最後はちょっと松本から離れてしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
まだ心置きなく旅ができる世の中になるまでには時間がかかりそうですが、松本に行かれる際にはぜひ思い出していただけたら幸いです!
これからのみなさまの旅が、良いものになりますように......。
Bon voyage !!
ここから先は
OWL magazine 旅とサッカーを紡ぐWeb雑誌
サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?