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「うしおととら 藤田和日郎」10〜12巻感想


うしおととら 藤田和日郎 小学館/少年サンデーコミックス
10〜12巻
※インスタに投稿したものにやや加筆修正しております。

第十九章「畜生からくり」


第十九章「畜生からくり」
麻子と真由子の受難回
怖い人形の回、すっかり忘れていたけどタイトルで思い出しました。
人形という時点で既に約束された怖さがあるのに、そのうえ「ヤツのゼンマイは若い女の心臓の肉を巻きつけて動く…」
なによ、巻きつけるって…めっちゃ怖い

お前逃げおったなという同級生が逃げたことに違いはないものの、ちゃんと110および119していて偉い。

第二十章「追撃の交差~伝承者」


第二十章「追撃の交差~伝承者」
長女の怖かった回のひとつ婢妖入り杜綱悟
三人目の伝承候補者 杜綱悟、その妹 純、4人の若い法力僧、いずな登場
雲外鏡、東の長、再登場

身体から出てくる婢妖や婢妖の影響で片目だけ異様に大きくなるところとか、婢妖入りの時の表情のせいで「お兄ちゃんこわい」というのが小学生の頃の感想でした。
(杜綱悟は杜綱さんと呼ぶのが一番しっくりくるのだけど、純との区別と字数の関係でフルネームまたは悟表記です。このように書くと五条先生がちらつきます。)

旭川目指して大雪山国立公園を移動中の潮、とら、流
3人は伝承候補者 杜綱悟の妹 純と4人の法力僧の襲撃を受ける。

涙を流して潮を責める純、ものすごく居心地悪そうな潮、流の背中に入っちゃってるし。
こういうシーンで流がいると「別に蒼月のせいじゃない」と言ってくれるので、そうだよね、そうだよねと読者である私はすっかり心を許してしまうのです。

杜綱悟の襲撃をうけ、その豹変した様子にかつての彼を知る全員が啞然となる。
流が杜綱悟に負けているのは…ほら、きっと本気出して修行していなかったからとか、本気の悟に勝っちゃいけないから二番手に甘んじるとか、そんな感じ。

とらによって、杜綱悟の頭に婢妖が棲みついていることが判明。豹変の原因はそれ。
解決方法が見つからない一行だが、潮が遠野で長からもらったオムスビを見て、妖怪から助言をもらうことを思いつく。
雲外鏡、ドライブインの男子トイレの鏡で呼んだら出てきてくれた。
東の長、雲外鏡経由で呼んだら男子トイレから(多分)出て来てくれた。潮にめっちゃ肩入れしてくれている。好き。

長によって「婢妖を人の頭から追い出すことはできない」「人間の体内に入って婢妖を葬るしかない」ことが説明される。
ここ終盤に出てくるポイントなのでおさえておきたい。

そしてそれができるのは妖だけなので、潮が獣の槍をふるうことで自身を化生として体内に入るしかない。
でもそれをすると力を使いすぎて獣の槍に魂を全て吸われてしまうことになる。

焚火を囲んで沈み込む一行、杜綱兄妹の過去とその後の兄の決意を流から聞く
再び杜綱悟の襲撃があり、一時我に返った悟は婢妖に操られた自分の行い、妹に手をあげたことに自身が手遅れであると
自ら命を絶つべく崖から身を投げるが、間一髪獣の槍に縫い留められる。

純の涙に潮は杜綱悟の体の中に入り、婢妖を倒すことを決意する。
バイクのミラーで成り行きを見守っていた雲外鏡があらわれ、道案内のイズナを送り届ける。
イズナ、潮、そしてやっぱりついてきてくれるとらの3名は杜綱悟の体内へと入る。

体内での婢妖との戦いの最中、潮が白面の者の姿を垣間見たり
イズナが身を挺して潮を庇ったり
純が悟の目から法力注ぎ込んだりと色々あって無事に婢妖を追い出し倒すことに成功。

「ねーちゃん(略)必ず兄キに、ありがとうをいわせてやる」
この時は純もポカンとしていたけど、こんなのほとんど好きになっちゃうよね!
この後、目を覚ました悟と純のシーン、泣ける。好き。
流にがしっとされている潮もいいシーン
後々のことに思いを馳せてやっぱり泣ける。
流だって潮のこと好きだよね。
「別に蒼月のせいじゃない」って言っていた頃の流と後半で表情が全然違っていて、
割とどうでもよく冷静に話していた最初から、その時々の本音が見えるようになってくる後半への変化がとてもいい。
あと悟の目覚めを待って4人の法力僧(他に呼び名ないものか)と一緒に準背景になっている時の流が非常にいい顔をしている。
心配したり誰だお前レベルのめちゃいい笑顔で肩を組んだり…このままでいられなかったものかと涙が止まらない。

めっちゃほのぼのハッピーエンド風なところで潮が槍に魂を吸い尽くされ獣の姿となってしまう。
この姿の時、目が昆虫ぽくって怖い。

第二十一章「変貌」


第二十一章「変貌」
初代ことジェメイ登場
獣の槍に魂を吸い尽くされ獣と化した潮を人間に戻すため、潮に縁ある5人の少女が集まる回
安定の麻子&真由子と礼子、勇、小夜のもとにジェメイが現れ潮を助けるため旭川へ集まるよう告げる。

この時点で麻子はまだ獣の槍と潮のあれこれの事情を知らないが、真由子と礼子およびバイクで空港まで送ってくれる間崎賢ちゃん先輩に道中説明を受ける。
真崎先輩、2シーターのサイドカーもつけてきて至れり尽くせりです。
賢ちゃんの存在はこの先も大きいのです。

サヤは妖のオマモリサマがついていてあれこれ説明してくれるからいいとして
勇、よく来れたな。本人は潮を助けに行く気満々だったけど、苫小牧の一般家庭の叔父さん宅から朝練に行く予定だった女子中学生がよく来れたな!

旭川駅で勇と小夜が出会い、ヘリから飛び降りてきた紫暮の案内で2人は神居古潭へと向かう。
紫暮と一緒に移動!なんて羨ましい。
この時の車中での勇と小夜との会話の中で、勇の「ほとんど好きになっちゃった」が出ます。ほっこり。

一方、旭川空港に到着した麻子、真由子、礼子の前には鏢が現れる。
鏢さんとくれば奇声を発して喜ぶ私ですが、3人の前への登場が不審者であることは素直に認めます。
潮の危機を告げ「ついてくるのはお前たち次第だ…ここで決めるんだな」
麻子と真由子の「怖い人」「いきなり言われても」が至極最もです。

流と悟の会話から紫暮が法力僧で最強と言われていることが判明したり
潮が紫暮から渡された櫛は代々のお役目に伝えられていったもので今回、潮を元に戻すためにも必要という情報が出てきたり
獣と化し暴走する中で潮は槍を鍛える男の姿を見て会話をしたりする。
会話してるんですよね。槍の中のギリョウさん2000年経ってるとか認識しているし。

当初の潮の旅の目的地 旭川の叔父さんの寺では関守日輪が流、杜綱兄妹らと合流し、神居古潭へと向かう。

白面の者も潮が獣と化したことを知り、獣の槍と潮を破壊すべく全婢妖を神居古潭へ向かわせる。

ここのシーンの空を埋め尽くす婢妖、きもちわるいこわい。

指揮をとる紫暮がかっこいい、日輪も紫暮には素直に従うのね。
で、櫛はどこ?ってなったときに潮のポッケからとってくるイズナが好き。
当時は両片思いなんて言葉はなかった(知らなかった)けど、潮と麻子が両片思いだなんてことは、小学生にも容易く察することができたので、潮と麻子のエピソードは軽い気持ちで見れる…と思って読んでいるのだけど、
気がつくとやっぱり泣いてしまうのでした。
あとここ、鏢さんがかっこいいです。

復活後、夢うつつで皆にコメントくれる潮
日輪の照れ顔がかわいいです。

潮はそのまま、麻子たちがいるとは知らず、会わないまま白面の者の一部が封じられている洞へと向かいます。
この時イズナが「おい女ども!うしおが行っちまうぞ、いーのかよ!?」って慌てているところが可愛い。

第二十二章「時逆の妖」


第二十二章「時逆の妖」
時間を旅する妖怪 時逆・時順登場
女子と鏢さん(かっこいい)は解散
紫暮、流、悟、イズナは洞の前で潮まち

潮ととらは時逆から830年前、日本で起きた白面の者との戦いと初代お役目ゆきことジェメイの話を聞いた後、
時逆の力で時間をさかのぼっていく

2200年前の中国で、真由子そっくりのすごく素朴なかんじのジェメイと出会う。
獣の槍はもっていない。
便利なことに言葉は通じる。
過去の世界なんだけど、そこの人々とやりとりができるし、結果影響を与えることができる感じの過去です。
現れた妖を潮が石でぶんなぐり、とらが雷を放ち倒したことで、
とらの姿が見えないジェメイから仙人だと思われた潮
彼女の家に招かれ、そこで白面の者が現れたという噂と王が白面を倒す神剣を求めているという話を聞く。

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asuka
あらたなレーズンサンドっぽいものを探しに旅立ちます