見出し画像

デュッセルドルフ

 ドイツのデュッセルドルフへ引っ越してきた。茶色いレンガの一戸建ての屋根裏部屋を借りた。窓に見える背の高いポプラの木々が、サラサラと葉の擦る音をたてていて心地良い。風の吹く日はその音が幾重にも重なって、川のせせらぎの様に聴こえる。

 現在通っている語学学校では国籍多様なクラスメイトに囲まれている、韓国・中国・トルコ・レバノン・チリ・オーストラリア・ペルー・ギニア・ブラジル・ジンバブエ・チェコ・ウクライナ・アゼルバイジャン・マレーシア…。まるで生きた人類図鑑の中にいるようだ。時折、興味深げにお互いの顔を眺め合う。様々な場所に生まれ育ち、異なる理由を持って集まった者同士が、この場所で新たな言語で会話を交わすことは。僕らはこの街に来たばかりのエイリアンなのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?