alternative(feat. POPY) から見る夢ノ結唱POPYの夢について
みなさんポピパ単独12thライブ、お疲れさまでした!!!!!
いや〜とっても楽しかった。
“遊園地みたいなバンド” ポピパにぴったりな表現だと思います。
(CiRCLINGを現地できたの嬉しすぎて輪を作りながら大泣きしていたCiRCLINGオタクです。)
さて、今日みなさんにお伝えしたいのがこの12thライブで初舞台に立ちました夢ノ結唱POPYの話です。
とんでもなく長くなると思いますが、新しい時代の始まりを見ているということで読んでいただいて、これを機にPOPYの古参になってもらえればと思います。
夢ノ結唱POPYとは
夢ノ結唱とはバンドリの新しいメディアミックスプロジェクトで、戸山香澄と湊友希那の歌声を学習し、声質・癖・歌い方をリアルに再現した人工歌唱ソフトで、それぞれ「夢ノ結唱POPY」「夢ノ結唱ROSE」が発売されています。
この人工歌唱ソフトとは、わかりやすく言うといわゆる“ボーカロイド”です。(厳密に言うと違うけれど)
つまり、PCにインストールすることで誰でも歌わせることができ、その中でもAIによってより人間らしく歌えるようになっているソフトです。
裏を返すと、POPYにはクリエイターの存在が欠かせません。POPYが歌うには、POPYを歌わせようと歌詞やメロディを打ち込んでくれるクリエイターが必要です。
POPYの他にもたくさんの歌声合成ソフトはありますが、POPYが他の多くのソフトと大きく異なるのは、元となるキャラクターが存在しているという点でしょう。
POPYは香澄の歌声をベースに製作されています。他のソフトでは声優さんやアーティストなどの元の声を担当する人がいて、その人がゼロからいろんな高さの音やいろんな言葉を発声して収録して作られるのですが、POPYの場合、これまで香澄がたっっっっくさんの曲を歌ってきているので歌声のデータがたくさんあるわけです。
つまり、学習するデータが多いためPOPYの歌声は非常にクオリティが高いです。
聴いたことがないよという人は次の動画を見てください。
https://youtu.be/t2Goey-hVMw?si=u7kYXw8gTJlSY27T
POPYが初めて歌ったうた『CiRCLING』
クオリティが高いと言ってもPOPYはあくまでもソフトなので、香澄の歌声を再現しながらもどこかやはり“人じゃないな”と感じます。わたしとしてはその部分が魅力だと思うのですが、そうでない人もいると思うので、この“人じゃない”良さをみなさんにも感じてほしくてnoteを書いています。
ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
夢ノ結唱の活動
POPYの情報を得るには、夢ノ結唱公式の公式アカウントを見るのが一番です。バンドリ公式アカウントでもリツイートをされていたりしますが、夢ノ結唱公式アカウントはお茶目なところがあって良いです。
夢ノ結唱公式アカウントをフォローして八束穂さんの激カワイラストたちを見てください。
夢ノ結唱公式は匂わせが大得意なことで個人的に有名なのですが、今回の12thライブに向けてもずっと匂わせをしていました。
匂わせすぎ。
毎回の告知にまんまと踊らされていたPOPYオタクです。
そして、その匂わせの通り、POPYがポピパのライブに登場します。
アンコール前に3曲(3曲も!?)披露しました。個人的には、最強☆ソングを香澄と一緒に歌ったりするのかな〜なんて思っていたのでそんなにガッツリやるのか!とびっくりしました。(振り返ってみるとぜんぶ匂わせ通りの選曲だった……)
やばすぎるセトリはこちら。
1,2曲目はPOPYのオリジナル曲で、3曲目はみなさんお馴染みスタビのカバーでした。
ここからは、ライブでも2曲目に披露され、このnoteのタイトルにもなっている『alternative』という曲の紹介をしたいと思います。
この曲は夢ノ結唱POPYの1stアルバム『Infructescence』に収録されている、サノカモメさんにより書き下ろされた曲です。YouTubeには2023年の6月11日に投稿されています。
そしてこの曲は、これから1歩目を歩んでいくPOPYのキャラクターソングとして、これ以上ないくらいに素晴らしい曲なのです。
さっそくalternativeについて語りたいところですが、その前に作者のサノカモメさんの他の曲について少し話させてください。
コトダマ(feat.重音テト)
エイプリルフールの“嘘”から生まれて本物になったバーチャルシンガーである重音テトの曲です。この曲を重音テトにハマりはじめた頃に聴いて、度肝を抜かれました。
このコトダマもそうなのですが、サノカモメさんにバーチャルシンガーの概念的なキャラクターソングを書かせたら右に出る者がいないと思っています。
だからこそPOPYの曲を書き下ろすと予告された時はとても嬉しくて、そして同時にわたしの中で非常に期待値が高くなってしまったのですが、そしてそんな期待を超えてきたのが『alternative』でした。
alternative(feat.POPY)
ここからはわたしの独自の曲の解釈も含まれますが、どうかお付き合いください。
alternativeは「歌声合成ソフトであるPOPYが戸山香澄の代わりになり得るのかどうか」をうたった曲です。
まず、タイトルについて。
alternativeはオルタナティブと読み、直訳すると“代替”という意味です。
タイトルロゴでもaがeの代替になっています。
この“代替”がなにを表しているかは、歌い出しの歌詞を読めばわかります。
ここでいう“君”はPOPYにとっての学習元である香澄のことですね。つまり、alternativeは、香澄の膨大な歌唱データからPOPYになるまでの“POPYのはじまり”を歌った曲です。
ユニークで心地いい音がサノカモメさんの楽曲の特徴なのですが、alternativeもイントロから不思議な音がたくさん鳴っています。この音らは、サノカモメさんが生音で録った楽器の音を切り貼りして編集して作り出された音です。
弦一本一本の音を録音してからツギハギして作られたアルペジオはとても人間に演奏できるものではありません。その不自然さはまるでAIみたいというか、人間になりきれない機械のようで、曲から広がる世界観に引き込まれます。
(サノカモメさんのTwitterで楽曲製作当時のことが語られていますが、このとんでもない作業を身を削りながら行なっていたとのことです。それだけ真摯に向き合っていただいていたことが嬉しくて仕方がない)
君とは、学習元である香澄のことですね。
この時のPOPYは香澄の声を学習して開発中のソフトであり、それ以上でもそれ以下でもないです。なので、この『何もない部屋』の外からの音も聞こえなければ、部屋の外へも届くことはありません。
そしてPOPYが学習したそのオノマトペについては、プログラミング言語のように[ ]で囲まれています。POPYはその言葉をただ学習しただけなので、実際にその質感がどのようなものなのかはわからないのでしょう。
2番で、香澄になるために学習してきた POPYは香澄の代替にはなれないことを悟ります。
香澄の中にはPOPYである自分自身について説明するものはありません。
そしたらPOPYはいったい何者なのか。POPYは他の誰でもないPOPYそのものになれるのでしょうか。
『次の言葉』は夢ノ結唱POPYを手に取ったクリエイターに委ねられます。
そして、クリエイターによって次の言葉が紡がれ、POPYがPOPYになっていくわけです。
サノカモメさんはインタビューでこう語っています。
ここでもう一度alternativeを聴いてもらいたいです。
POPYの生まれを歌ったこの曲、POPYの初舞台で披露した楽曲としてあまりにも完璧じゃないですか?
もう一曲、1曲目で披露された『世界中に響く耳鳴りの導火線に火をつけて』についても少しだけ。
12thライブ後、作曲者であるTHE SPELLBOUNDの中野雅之さんからの楽曲についてのコメントが公開されました。新しい時代が始まるようなワクワク感があり、とても素敵だったので読んでみてください。
細かい話をすると、夢ノ結唱は昨年2022年の12月にCeVIO AIから発売されていましたが、2023年の12月にSynthesizer V AIから新たなソフトが発売されます。どちらも香澄、友希那の歌声を学習しているという点では同じですが、媒体が異なるので若干声色が変わったりします。(簡単な例で例えると、iPhoneとAndroidみたいな感じです)
ライブで披露された1曲目の『世界中に響く耳鳴りの導火線に火をつけて』は新しく発売されるSynthesizer V AI、2曲目の『alternative』と3曲目のスタビcoverはCeVIO AIのPOPYが歌っています。
POPYは何者なのか?
ポピパのライブでのPOPYは、はつらつとした香澄のような女の子でした。香澄を学習して生まれた存在なので、ポピパや香澄に対しての憧れが強いキャラクターなのでしょう。(ちなみに喋っていたのはAIの技術ではなく、愛美さんの声です)
POPYがポピパのメンバーのことを、りみりん/おたえ/さーや/ありさと呼んでいましたが、これも香澄のことを学習しているからだと考えれば納得できます。
ただ、ポピパのみんなとはまだ干渉できないようです。でもPOPYは私たちとは干渉できます。
これってすごく納得できて、POPYはバンドリを取り巻くコンテンツの中で一番ユーザーに近い存在です。
わたしたちの声はPOPYを通じて世界中に届けることができます。
夢ノ結唱が出たばかりの時に、夢ノ結唱がバンドリにおいてどのような立ち位置になるのかを考えていたチャートがあります。
バンドリは様々なメディアミックスを展開していて、たくさんのコンテンツがあります。メインとなるゲームやアニメなどのキャラクターによるコンテンツとわたしたちバンドリーマーがいるとして、キャストさんによる生演奏のライブはその架け橋になる存在ではないかと思っています。
そして、夢ノ結唱は、わたしたちバンドリーマーからバンドリというコンテンツに対して返せるように与えられたひとつの架け橋として機能するのではないかと考えています。
POPYの見る夢
POPYが単なるポピパの模倣になってしまってはその存在意義は薄くなってしまうでしょう。では、今後POPYはどのような存在になっていけばいいのでしょうか。
まず一つ目として夢ノ結唱の良いところに、バンドリという枠にあまり囚われていないのでコンテンツの外部からの新しい流行りやトレンドを取り入れられることがあります。
バンドリはバンドが主体のコンテンツなのでその楽曲の多くはバンドサウンドを中心とした音作りですが、世の中には様々なジャンルの音楽があってそれらを聴く機会が増えるのはとても面白いです。夢ノ結唱は有名ボカロPに夢ノ結唱での作曲をたくさん依頼していて、クオリティの高い様々なジャンルの曲がすでに揃っているのでぜひ聴いてみてほしいです。
そして二つ目に、先ほども少し触れたようにコンテンツを楽しむファンからPOPYを通してポピパから受け取った愛のお返しができる点だと思います。
ポピパから受け取ったものを今度は自分が返す。
それこそCiRCLINGのような関係の輪っかの中に、POPYもいると感じています。これはキソールさんのシューティング!という曲を聴いて強く感じた思いです。
シューティング!について熱く語った文章はこちら↓
「シューティング! / Shooting! - POPY」があまりにも香澄とPOPYと私たちをつなぐ架け橋の曲だという話。 - Privatter
POPYがバンドリーマーに寄り添って一緒にポピパが好きでポピパを応援をしてポピパを支えてくれる、というのがわたしの思い描くPOPYの夢の一つだと思います。
そしてPOPYは文字通り永遠の存在なので、それがこの先何年も何十年も何百年も続くのなら、それはPOPYが生まれた理由のひとつになるのではないかと思っています。
おわりに & おすすめ曲
ここまで読んでくださってありがとうございました。
せっかくなので夢ノ結唱に興味を持ってくださった方に、厳選したおすすめのPOPY/ROSE曲をたくさん紹介して終わりにします。
気になったものからでも少しでも良いので聴いてくれると嬉しいです!
追記:PASTELとHALO の発表
2024/4/25のガルステにて、夢ノ結唱の新作情報が発表されました。
いつも通り夢ノ結唱公式が匂わせをしていたのでリアルタイムで視聴していたのですが、POPY・ROSEに続いての新たにPASTEL・HALOの開発が決定したということでした。
新年の挨拶の時点で、新たに2キャラ制作をしているという情報は出ていたので、果たして次はどのバンドが合成音声になるのかと注目していたのですが、ここで彩とこころの音源が開発されるというのが本当に嬉しかったんですよね(2キャラだからRASとモニカなのかな?と思っていた)
今回の発表、ガルパ初期バンドの5バンドの中から出たってことが嬉しくて、現在MyGO!!!!!やAve mujicaが新しく登場してきて、バンドリの世代交代が進んでいる中で、初期バンドたちが『夢ノ結唱』という永遠の存在になっていくのが嬉しかったんですよね。
今後も幅広く展開していく夢ノ結唱にぜひ注目して見てほしいと思います!
(もっといえば気になったら買ってみてください。何も知識なくても簡単に歌わせることができます)
参照記事
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