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幸せの種まき💛🧡
小さな村に住む、ねずみのポポは、ある日村の広場で一粒の美しい花の種を見つけました。その種は、小さな瓶に入れられていて、瓶には「幸せの種」と書かれたラベルが貼ってありました。ポポはその種を見て、「この種を植えて、みんなに幸せを分けたい」と思いました。
ポポは村の外れにある自分の小さな庭にその種を植えました。毎日、ポポは水をやり、日光に当てて、その種が育つのを見守りました。やがて、小さな芽が出てきて、ポポは大喜び。ポポはその花を「幸せの花」と名付け、もっともっと育つようにと願いました。
ある朝、ポポが目を覚ますと、庭の幸せの花が大きく美しく咲いているのを見つけました。花は鮮やかな黄色で、周りには甘い香りが漂っていました。ポポはその美しさに感動し、村のみんなにも見せたいと思いました。
ポポは幸せの花を摘んで、村に持って行きました。広場で花を見せると、村のみんなは「なんてきれいな花だろう!」と驚きました。そして、花の甘い香りに包まれたみんなの顔には、自然と笑顔が浮かびました。
ポポは、村のみんなにも幸せの花を分けてあげたいと思い、自分の庭でたくさんの花を育てました。花が咲くたびに、ポポはその花を一つずつ村の友達に届けました。まずは、いつも忙しそうなミツバチのビビーに、次はちょっと元気がないリスのチクリに、そしていつも笑顔のうさぎのミミに。
花を受け取ったみんなは、ポポに「ありがとう!」と感謝し、それぞれの家に花を飾りました。ポポは「みんなが喜んでくれてうれしい」と感じ、もっともっと幸せの花を育てたいと思いました。
ある日、ポポが森を散歩していると、道ばたに座っているキツネのココアを見つけました。ココアは疲れた顔をしていて、少し寂しそうでした。ポポはポケットから幸せの花を一輪取り出し、ココアに差し出しました。
「これ、僕が育てた幸せの花なんだ。どうぞ!」とポポが言うと、ココアはびっくりした顔をしてから、嬉しそうに微笑みました。「ありがとう、ポポ。僕、ちょっと疲れていたけど、この花で元気が出たよ」とココアは言いました。
ココアはその花を大事に持ち帰り、自分の家に飾りました。すると、その花を見た隣の鳥のピピも興味を持ち、「その花、どこで手に入れたの?」と尋ねました。ココアはポポの話をし、「この花、元気をくれるんだ」と伝えました。
ピピも花が欲しくなり、ポポに会いに行きました。ポポはピピに幸せの花を渡し、ピピもまた別の友達にその花を見せました。こうして、幸せの花は村中に広がり、みんなの心に笑顔と温かさをもたらしました。
ポポの小さな幸せの花は、村のあちこちで咲き誇り、誰かがその花を見るたびに笑顔になりました。そして、ポポは気づきました。幸せの種は一つの花から広がり、それが誰かに伝わることで、もっともっと大きな幸せの輪ができるということを。
ポポはこれからもずっと幸せの種をまき続けようと決めました。そして、村のみんなもまた、それぞれの場所で幸せの種をまき続けるのでした。
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追伸
この物語は、ひとりの小さな優しさが周りに広がり、大きな幸せの連鎖を生むことを教えてくれます。読者に、ちょっとした親切や気配りがどれだけ大きな影響を与えるかを感じてもらえたら嬉しいです。