![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154614626/rectangle_large_type_2_8b92eea36fcd16cece4540b547f6a1c3.png?width=1200)
十五夜の冒険🧡💛
十五夜の冒険
静かな田舎の村では、毎年「十五夜」の夜にお月見を楽しむのが伝統です。今年も美しい満月を迎える夜、村の広場にはすすきや団子が飾られ、みんながお月見の準備をしていました。
主人公の少年カズマも、お母さんと一緒に団子を並べながら、満月を楽しみにしていました。「今夜の月は特別なんだよ」と、おじいちゃんが語っていたことを思い出し、カズマはわくわくしていました。
夜になると、カズマは友だちのサクラと一緒に広場に出て、月を見上げました。すると、突然、月からまぶしい光が降りてきて、二人の前に現れました。その光はまるで道しるべのように、どこかへと続いていました。
「これはきっと月からの招待状だよ!」とカズマは興奮して言いました。サクラも「行ってみよう!」と勇気を出し、二人は光の道をたどっていくことにしました。
光の道を進むと、二人は不思議な森に迷い込みました。そこには、空を飛ぶウサギや、月の光を浴びたキラキラと光る植物が広がっていました。
「ここは一体どこなんだろう?」とサクラが不思議そうに呟きます。すると、森の中から大きなウサギが現れ、「ここは月の世界だよ。君たちは特別な十五夜のゲストなんだ」と微笑みました。
月のウサギは、カズマとサクラを月の宮殿へと案内してくれました。宮殿では、たくさんのウサギたちが団子を作っていて、満月の夜の祭りが開かれようとしていました。
「君たちが来てくれて嬉しいよ。この夜、君たちは一つだけ特別なお願いをすることができるんだ」と、月のウサギが優しく言いました。カズマとサクラは顔を見合わせ、「どんなお願いをすればいいんだろう?」と考え始めました。
しばらく考えたカズマは、こう言いました。「僕たちの村がいつまでも平和でありますように。そして、みんなが幸せに暮らせますように。」
その願いを聞いた月のウサギは、にっこりと笑い、「その願いは月の光によって叶えられるよ」と答えました。ウサギたちはカズマとサクラを取り囲み、彼らの願いが込められた団子を月の光の下で作りました。
カズマとサクラは再び光の道を通って、村へと戻ってきました。満月が空に輝く中、村の広場には優しい光が降り注いでいました。カズマは、自分たちの願いが月の力によって守られていることを感じ、心から感謝しました。
それ以来、カズマの村では、十五夜の夜に月の光を感じながら、平和と感謝を祈る風習が続いていきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1726534790-OVx3lrm1UBJX0ndsjDZ7QAvF.png?width=1200)
この物語は、十五夜の神秘的な力と、感謝の心を通じて願いが叶うというテーマを伝えます。子どもたちにとって、自然や伝統に感謝し、平和を願うことの大切さを感じてもらう物語です。