神秘体験が始まったタイミングのホロスコープ的解釈

ジェーン・ロバーツの本に、セスという存在から得られたチャネリングの本があって、それをゆっくり読んでいた。チャネリング本というと宇宙人や霊的な存在がチャネラーを通して語られたことが本になっているということもあり、独特の語法が頻出したり抽象性の高い題材がテーマが扱われていることも多く、一般人には大変読みにくいものも多いが、このセスのシリーズは実用性に富んでいるし、文章としては硬いが読みやすいと思う。これはジェーン・ロバーツはそもそも小説家であり、文章能力が高かったことも関係しているかもしれない。ちなみにぼくが読んだのは『個人的現実の本質』という本だ。

『セス・マテリアル』という本には、それまで霊的なことに興味のなかったロバーツに神秘体験が突如として始まった日時や経緯が書かれていたので、ホロスコープで確認してみようと思った。1963年9月9日の夜のことである。本には夜としか書かれておらず正確な時間はわからない。だから24時間を8分割してとりあえず20:00ということにしてチャートを作ってみた。

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ネイタルチャートを見ると、チャートルーラーの土星に海王星がタイトにトラインになっている。冥王星は7ハウスにあり、霊的宇宙的存在とのパートナーシップを暗示している。蟹座なのでそれは自分のルーツに関わる家族のような存在だ。というか密に接触することになったのだからそれは当たり前だ。心霊的なテーマで考えると惑星でいえば、海王星と冥王星の影響は大きい。ハウスでいうと、心霊的なものとしては水と関係する4、8、12ハウスは重要になってくる。チャートルーラー、つまり1ハウスの支配星のコンディションはやはり重く見るべきで、物質的リアリティを構成する土星は海王星によって心霊的作用に侵食されている。

ICは牡羊座でルーラーの火星は進行図で8ハウスにあり、月太陽とスクエアで死者等からの継承を受け入れるタイミングだ。p月は同じく8ハウスにあり海王星と合で、この影響はどうみても大きい。トランジットの海王星と冥王星はネイタル天体に対して正確なアスペクトを形成してはいないが、ゆっくりと運行するトランスサタニアンは正確なタイミングを指し示すというよりは、もっとロングスパンの奥深い影響力をもたらしていることが多い。だから、タイミングを見るときには土星、木星、火星、太陽のトランジットに注目する必要がある。古典占星術のルーラーシップではそもそもトランスサタニアンは割り当てられていない。出来事の現象面を見るときには、ハウスのルーラーを追うときにもトランスサタニアンは外しておいた方が正確を期すことができるかもしれない。

t土星は水瓶座で牡牛座のn月n太陽にスクエアになっている。牡牛座は五感の作用に集中する傾向が強いが、水瓶座は自分の外部に、もっと遠くに関心を開いていくことを意味している。t土星は2ハウスであるが、それは内在していた新たな遺伝的資質を解放していくと見てもいい。それが5ハウス天体にアスペクトするので、表現活動に繋がっていて事実いくつもチャネリングの書籍が出版された。

tノースノードはn冥王星と合だ。ノードの周期は18年なので木星の周期に近くこれもタイミングを見るには適している。ノースノードは人々とのつながりを示し、サウスノードは反対に分離に関わる。ノースノードが冥王星と合になったということは、「合意的現実」の外部の存在との結びつきを正に示している。4ハウスのt木星はn冥王星にスクエアでこの外部的存在が持っている社会的影響力が大きくなりうることを示唆しているのではないか。ロバーツが交信していたセスはSethのthを「ト」読めばエジプト神話の有名なセトと同じ。

この人物の場合には太陽は表現の5ハウスだが、太陽は8ハウスのルーラーでもあるので創作の資源はどこからかの継承によって行われる。8ハウスには海王星があり、心霊的な事柄への感受性の高さが生まれつき備わっている。加えて太陽の牡牛座19度のサビアンシンボルは「新しく形成された大陸」なのだが、その前の18度のサビアンは「窓からバッグを外に出している女」でバッグの中身を外に放り出して「空っぽ」にするということに重点が置かれている。19度の「新しく形成された大陸」とは、一旦自分の中にある考えなども含めた持ち物や資産が空っぽになったことで、新たに発見可能な鉱脈や大地のようなものを表している。そこにはそれまでは想像もつかなかったような財産に満ちている。この人の場合それがチャネリングによって得ることができた数々の知識や体験であるということだろう。つまり太陽は5ハウスにありながら、度数の面では受け入れ準備がバッチリということだ。

ヘリオセントリックのホロスコープでみた場合、地球ポイントはそのままオポジションの位置になる。地球ポイントは地球生活においてのその人の「あるべき」姿をストレートに表現していると思うが、サビアンは蠍座19度「聞いては喋るオウム」であって、チャネラーの見たまんまの光景を示しているシンボルだ。チャネラーということでいうと言葉の水星のコンディションにも注目した方がいい。n水星は双子座6ハウスにあり、真面目な勤め人的姿勢で人の話を聞く。水星が支配する乙女座は9ハウスにあるが、9ハウスの古典的意味としては占いがあるし遠くからのメッセージを受信する。p水星がある双子座17度は「知的な頭に溶解した健康的な頭」であって、外部からの言葉を受け入れる準備は整っている。この日t太陽は乙女座17度で正確なスクエアを形成しているし、これはスイッチが入ったタイミングを示す明確な指標だと言える。


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