伝統的占星術の良いところ
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今でこそ伝統的占星術をしていますが、私のスタートはもちろん現代占星術です。
現代占星術とは、いわゆる世間一般で馴染みのある西洋占星術とか星占いのことです。
歴史としてはかなり浅く100年程度のものです。
伝統的占星術はそれよりも古く、それこそ粘土板に文字が掘られていた頃から脈々と続いている西洋の星占いのことです。
人間誰しも、未来を知りたいという一種の”欲”があるでしょう。
私自身もそのような思いから、西洋占星術を学び始めました。
世の中には西洋系以外にも東洋系やインド系はたまた南米系のものなど種々様々ありますが、私が西洋系を選んだ理由は単純です。
それは、「良くも悪くも現代は西洋文化中心の世界である」ということです。
そうであるならば、西洋の考え方や哲学を学ぶことが現代において、役立ちやすいと考えたわけです。
しかし、私が西洋占星術を学んでわかったことが、「何がなんだかよくわからない」ということでした。
ちょっと西洋占星術の本を開くと、ホロスコープのどこにどんな星があればどんな人、みたいな内容の事が書いてあります。
一つ一つは納得できるんです。
でも、12の惑星をすべて見て総合的に考えると、わけがわからなくなりました。
更にハウスが加わると手がつけられません。
例えば多くの本には、金星を見れば恋愛傾向がわかると書いてあります。
しかしハウスの章を見ると、7ハウスも恋愛を示すようです。
では、どちらが大事なのか?となると、どこにも書いていないのです。
つまりは、”総合的に”考えましょう、と言われているのです。
初学生の頃は、それがどうしてもわかりませんでした。
総合的に考えれば考える程、モヤモヤとして平均的なことしか読み取れなかったのです。
あの頃の絶望感は今でも思い出します。
私はそこから伝統的占星術の存在を知り、勉強を始めたのですが、学ぶ中でわかってきたのが、伝統的占星術にはふるい分けをするシステムがあるということでした。
西洋占星術を学んでいく中で始めに困ってしまうのが、ハウスシステムの理解だと思います。
私は、ここで一番つまづきました。
ハウスと聞いて、嫌~な気持ちになる人は少なくないでしょう。
実際、私もこれで西洋占星術を諦めようか??と思ったほどでした。
私が初めて西洋占星術を学んだのは、現代占星術の通信講座でした。
ある時たまりかねて、先生に「アスペクトかサインかハウスかどれが大事なのですか?」と尋ねたことがあります。
その際にも、明確な答えはありませんでした。
他にも西洋占星術を教えている人に聞いたら、「ハウスなんて役に立たないよ」なんて言われたこともあります。
その当時は、「そんなもんかな」と納得していました。
なぜなら私自身が、ハウスというものに非常に疑問を持っていたからです。
その一つが、ハウスシステムの多様性でした。
多種多彩に見えるハウスシステムの中で、どれを選べばよいのか?
初学生の頃は全くわかりませんでした。
そもそも、私が現代占星術を学び始めた時は、プラシーダス・ハウス・システムでした。
その頃は全く疑問にも思っていませんでしたが、プラシーダスを使用する際に、どうしようもなく困ったことがあります。
それは、「誕生時間の分からない人のホロスコープを作れない」ということでした。
そこで自分で色々本を読むようになり、ハウスには色々なシステムがあることを知りました。
プラシーダス・ハウス・システム以外にもコッホやレギオモンタヌス、ホール・サインなど、数多くのハウス・システムがあります。
知れば知るほど、ますます混乱が極まります。
「これだけハウス・システムが在るということは、ハウスとはいい加減な概念なのでは?」どこかでそう思っていたのです。
果てには、「占星術ってやっぱりいい加減なものなのでは?」そう思ったりしました。
でも、それは無知ゆえのアホな考えでした。
実は、多種多様にあるサイン・システムですが、少なくとも2つだけは共通点があります。
それが、アセンダント(Asc)である第一ハウスとディセンダント(Des)である第7ハウスです。
全てのハウス・システムにおいて、この2つのハウス位置は共通しているのです。
「だからどうしたのですか?残りの10のハウス(12-2=10)は違うじゃないですか?」と思うかもしれませんが、そうでもありません。
これは自分自身に置き換えればわかります。
占い師の所に相談に行く場合、どんな質問をするでしょうか?
実は、多くの質問は2つに絞れます。
それが、
1.自分について
2.パートナーについて
自分の方向性が正しいのか?
自分には何が向いているのか?
自分の健康はどうなのか?
恋人ができるのか?
恋人は何を考えているのか?
結婚できるのか?
離婚したほうが良いのか?
これらのテーマは、自分=Asc、パートナー=Desですから、AscとDesが分かれば、答えることが可能です。
つまり、どんなハウスシステムを使用しても、よっぽど大きく外れることはない、ということです。
もちろん、仕事や家族の質問もあるでしょう。
でも、それらもほとんどのハウスシステムで共通しています。
つまり、第4ハウスと第10ハウスです。
太陽が最も低い場所(北半球では北)にある時(第4ハウス)と、太陽が最も高い場所(北半球では南)にある時(第10ハウス)です。
そうであるならば、多種多彩にみえるハウス・システムも、根っこは同じということがわかります。
そして、このことは現代占星術だろうと伝統的占星術だろうと同じなのです。
しかし、こういった疑問もあるかもしれません。
「ソーラー・ハウス・システムならば、一緒にならないのでは?」
プラシーダス、レギオモンタヌスといった四分円法のハウスは、東の地平線に場所をアセンダントとします。
一方、ソーラー・ハウスでは、太陽のある場所をAscに使います。
でも、どうしてそのようなことをするのでしょうか?
その理由は、誕生時間か生まれた場所がわからないからです。
誕生日のホロスコープを作成する場合、ちょっと考えて頂ければわかると思いますが、生まれた瞬間の東の地平線がどこであるか?は、
1.地球上のどこで生まれたのか?
2.何時に生まれたのか?
これらがわからないことには特定できません。
ですから、それらがわからない場合にソーラー・ハウスが使用されます。
でも、伝統的占星術ではそのようなハウス・システムは使用しません。
何故でしょう?
それは、誕生時間の補正テクニックがあるからです。
現代では大抵の人は生まれた場所と日にちはわかっていますよね?
問題は時間です。
伝統的占星術にはその人がどのような人生を歩んできたか?
身体の何処かに目立つ特徴(ほくろや傷など)を聞くことで、その時間を推定する事ができます。
ですから、ソーラー・ハウスを使う必要が無いのです。
これは歴史を考えてもわかるとおり、時計はおろかカレンダーすら人々は手に入れるのがずっと困難だったからです。
印刷技術が発達し、クオーツ時計が発明された現代になって、人類はようやくこの便利さを享受できるようになったのです。
もちろんソーラー・ハウスも全く意味のないものでは無いと思います。
しかし時間がわからないからソーラー・ハウスという使い方ならば、本末転倒です。
何より、時計やカレンダーすらない時代から、誕生時間だけでなく誕生日そのものを特定する技術があったからです。
ですから、もっと積極的に時間を推定したほうが占星術がたのしくなるのでは?と私は思います。
もちろんそのためにはハウスの意味を知る必要がありますが、その勉強は面倒と言うよりも楽しみではないでしょうか?
週刊伝統的占星術日記(第173-176回)より
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