【ある錬金術師の話(仮題)18】

だからこそ、一度決めたタイミングというものは、逃してはならない。
ちょっとしたミスで不純物が交じるのと同様に、不純なエネルギーが混じり込むからだ。

そして彼にしては親切なことに、扉には「本日、休診」と札をかけておいたし、出る必要もないのだ。

彼は、出来上がったチンキに「ローダナム」(ラテン語で称賛するという意味)、と名前をつけ遮光瓶に入れた。

ドンドンドンドン!

何を言っているのか、よく聞き取れないが、扉を叩きながら喚き散らしている。

「あいつ、まだいたのか。
仕方がないな。」

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