【ある錬金術師の話(仮題)20】

【ある錬金術師の話(仮題)】

病人でなければ、隣に住んでいるあいつだろう。
そう思って戸を開けると、案の定、カールだった。

「なんだお前か」

「先生、お前か?じゃないよ。
一体どれだけ無視するんだよ。
もう少し遅かったら、扉を壊してやるつもりだったぞ。」

「忙しい時にやってくるお前が悪い」

「こっちも急いでいたんだよ!
朝起きて見たら、右目が真っ赤でさ。
痛くも痒くも無いんだけど・・・」

確かに、ウサギのように真っ赤な目をしている。

「こんなことでいちいち大騒ぎするとは・・・。
お前のことだから、昨晩は飲み過ぎたんだろう?」

そう言いながら、バジルの種を水に浸す。

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