忍殺、貴方はどこから読むべきか問題
ニンジャスレイヤー、忍殺公式が、またおかしな目つきでおかしな事をやっている。ブラックフライデーセールである。要はニンジャスレイヤーコミカライズの第一部に当たる電子書籍14冊が1冊33円になるのだが、つべこべ言わずに取り敢えず下記の告知(…?)を読んで欲しい。話はそれからだ。
https://x.com/njslyr/status/1728976596546330979?s=46&t=MfbZiHMw5yYur3G-T6JGsw
これは告知ツイート半ばの一節だが、この様に小説のTwitter連載を基本とする忍殺公式は、告知一つを取っても小話仕立てで、常にその目付きは胡乱だ。
このツイートに興味を持った諸氏はX公式をフォローしてもらうとして…さて、話はニンジャスレイヤーの読み方問題である。多分コミカライズを1巻から読んでみたヘッズ(忍殺に触れた我々を公式は須くヘッズと呼ぶ)諸氏は、その圧倒的ななんか…パワーとか画面の異様な熱量を感じた事だと思う。
これ…14冊全部そうなん……?じゃあ原作小説もずっと公式みたいな異常文体なの…?怖、帰ってパラッパラッパーやろ……。
おお、ブッダよ寝ているのですか…!?私には、なんか面白い反面、意味不明でどっから取っついて良いのか途方に暮れるニュービーヘッズの顔が有り有りと思い浮かぶ。これが世に言うニュービーの帰っパ問題、つまり、膨大なコンテンツの前で興味はあるが新規なのでどこから手を出して良いのかわからん(のでUターンして帰って慣れたパラッパラッパーをやってしまう)問題なのである。
わかるよ、わかる。忍殺、なんか面白そうだけど情報量多いし、いつも公式の様子がおかしいし周りは古参ぽい人多そうだし…敷居が高いよね。でもやっぱり、めっちゃ面白いので、これを機に是非触れてほしいんよ。
原作小説に関しては他のヘッズ諸兄によってその手引きがよくなされているので、私は今回、コミカライズ第1部14冊を基軸として、膨大な情報から織りなされるハードコアジャパナイズサイバーパンクのネオサイタマ世界を少し案内したい。
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◆コミカライズ第1部14冊、どう読む?◆
まずは、今回ブラックフライデーセールで手に取った14冊から入ろう。ニンジャスレイヤーはストーリー毎に時系列や出来事もバラバラに描かれるカットアップという手法で物語が紡がれる。これはあまり多くは見られない手法だが、スターウォーズやファイブスター物語と同様だ。ニュービーにとってはじめはとっつき難いイメージかもしれない。
だがコミカライズも同じように、一つのストーリーが1〜2冊程度で完結すると考えてしまえば簡単だ。忍殺はある種群像劇的で、多彩なキャラとストーリーが絡み合う。言わばネオサイタマを舞台にしたサイバーパンク大河絵巻だ。つまり君はコミカライズ14冊で、忍殺第一部のおおよそ11の物語からこの大河にアクセス出来る。
マシン・オブ・ヴェンジェンス(1巻)
ラスト・ガール・スタンディング(2・3巻)
メナス・オブ・ダークニンジャ(7巻)
メリークリスマス・ネオサイタマ(8巻)
ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル(9・10巻)
フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ(11巻)
ストレンジャー・ストレンジャー・ザン・フィクション(12巻)
ネオサイタマ・イン・フレイム(13・14巻)
これらの個別のキャラやプロットについては検索やヘッズ諸氏の感想、オススメに譲るとするが、ラスト・ガール・スタンディングは読んでください、実際名作なんですよ。とにかく最初の1ページから本当に胸が掴まれる様な気持ちと面白さなんですよ頼む読んで!!!!!
…とにかく、上記にはヘッズ有志が作成したwikiに概要や連載当時のまとめなどリンクしているので、気になったタイトルやキャラクターから逆引き的にコミカライズを読んでいけば間違いないだろう。
◆コミカライズでハマった!じゃあ次は?◆
ニンジャスレイヤーの楽しみ方は好きなストーリーやキャラクターを摘んでいく様なライトなものから、膨大な物語の行間から見える世界考察、二次創作にTRPGまで多種多様だ。ここでカットアップと言う物語の特色が効いてくる。我々ヘッズは、何もニンジャスレイヤーの1から10まで、第一話から最新話までを全て知っている必要はないのだ。つまり、ここで情報の格差というのはあまり意味がない。ニンジャスレイヤーではヘッズ各々が好きな楽しみ方を見つける事ができる。
さて、この14冊ですらニンジャスレイヤー=サンを中心に多彩なニンジャや組織が登場する。その中から興味を引くキャラや気になる組織、面白そうな用語などは見つかっただろうか?一つでも見つかれば、あとはしめた(?)ものだ。ニンジャスレイヤーの世界は芋づる式に、有機的に広がっている。
◆とりあえずもっと情報がほしい、気になるキャラがいるならwiki◆
まずオススメなのは有志ヘッズによるWiki。とりあえずニンジャ面白いなあ、と思ったらここと公式のXをざっくり読むと良いだろう。ニンジャスレイヤーの世界はキャラクターや組織を点として、蜘蛛の巣の様に有機的に広がっている。このwikiでは公式最新の動向からキャラクターや用語の名鑑、Twitter連載のまとめまで網羅的に把握できる。ヘッズにとっての素晴らしいIRC案内所だ。
ただしwikiはその情報整理の性質上、物語の膨大なネタバレを含んでいる。現行連載のストーリーについて行くのならば手堅く第3部までのネタバレを踏みつつ、第4部から公式note購入で読むなど柔軟に楽しもう。
◆もっとネオサイタマ世界に没入したい!なら各コミックスTRPGルールブック◆
ネオサイタマの独特な雰囲気やサイバーパンクのビジュアルが気に入ったのなら、下記の電子版や物理書籍で更に没入感を高めよう。各コミックスは作者のワザマエが光り、それぞれの個性が強く出ている。
実はニンジャスレイヤーにはキャラから世界に至るまで公式的なビジュアルやアートボードイメージがない。それらは各々の作家や読者のイメージに委ねられているのだ。これもまた忍殺の面白い特異点であり、そのため幅広いジャンルの二次創作が行われている。
また、この読者の空想に任せたニンジャの世界観はTRPGと相性が良い。TRPGルールブックとwikiがあれば、君は今すぐにでもネオサイタマの闇を駆けるニンジャにもなれる。
⚫︎各コミックス版
・ニンジャスレイヤー及びニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース
いわゆる無印。余湖・田畑両氏の王道アクションコミカライズ。忍殺と言えばこのビジュアルが浮かぶヘッズも多いはず。
・ニンジャスレイヤー殺
キルズ。ケレン味溢れる構図とメカ造形のSF重点コミカライズ。シリアスの中に差し込まれる独特なシュールさが増しておりすごく良い。
・ニンジャスレイヤーグラマラスキラーズ
グラキラ。グッドルッキング重点で男性同士の顔が近いコミカライズは発表時にヘッズをざわつかせた。出てくるニンジャ全て、とにかく顔が良い。
⚫︎TRPG物理書籍
元々note上でサブスクリプションされていた忍殺TRPG待望の物理書籍。シンプルなルールでスピード感あるアクション判定、ネオサイタマの世界観に合った多彩なデータ。原作未読のプレイヤーと遊んでも独自のネオサイタマとなってとてもエキサイティングだ。
◆忍殺の小説に触れたいけど、まだ敷居が高いならスピンオフ!◆
ニンジャスレイヤーの世界は大体わかった、原作小説に触れたいんだけど小説版は量が多すぎて何処から読んで良いのか…。コミカライズを一通り読んでみても、やはりいきなりあの書籍量に手を付けるのは勇気がいる。そんな時にはスピンオフ、第1部から現行の4部まで通しで登場する主要キャラ、ラオモト・チバを主人公にした『スズメバチの黄色』がおすすめである。
『スズメバチの黄色』は実際素晴らしいサイバーパンクヤクザノワールで、少年達の成長とネオサイタマの乾いた空気を堪能できる長編小説だ。忍殺でよく見られる自動翻訳めいたいわゆる「忍殺語」はマイルドになり、ネオサイタマはよりアジアの混沌を感じさせる極彩色と猥雑さに溢れ、乾いた血の匂いもしてくる。映画を観る事や長編小説を読む事に慣れたニュービーヘッズにはおすすめのスピンオフであり、単独で読んでも素晴らしいSFネオンノワールだ。
◆そして未来へ…◆
ここまで書いておいて今更なのだが、私自身しばらくニンジャスレイヤーから離れ、久々にコミカライズを手に取ったヘッズの1人だ。改めてニンジャスレイヤーに触れて、いや、やっぱり面白いじゃん…!これすごいワクワクする話じゃん…!!と本棚の物理書籍やコミカライズを引っ張り出した。便利さからこの頃は電子書籍が多かったが、物理のあたたかみもやっぱり良い。
って言うか、無印ショーゴーの表情がティーンエイジしてて本当に良い……今でもやっぱりショーゴー推せる…。サークル・シマナガシをよろしくお願いします。
長くなってしまったが、コミカライズから入ったヘッズ諸氏も是非楽しいネオサイタマライフを過ごしてほしい。
ニンジャスレイヤー、楽しいよ👍👍👍
エッ?コーヒーおごってくれるんですかヤッター!!